
石窯パン工房サンメリー川越伊勢原店の石窯。パン職人が常時1人窯の前について、窯入れ窯出し作業や、焼き上がったパンの仕上げ作業などを行う。

石窯パン工房サンメリー川越伊勢原店の売り場奥から入り口方向を撮影した写真。入り口のドアを開けると、すぐ右手に石窯がある。

街道に面した外壁にも「石窯パン工房」の大きな看板を掲げる。

石窯パン工房サンメリー川越伊勢原店の外観。大きな石窯と煙突が印象的だ。

石窯で焼成する明太子フランス

グラタンフランス

サンメリーの看板商品のひとつ、アントワーヌブレッドも石窯で焼く。

ウインナーソーセージを包んで石窯で焼いたエッセン。
本物志向、石窯、健康、天然酵母 リテールチェーンのサンメリーは現在、石窯を中心にすえた郊外型のベーカリーを新たに展開中だ。2001年11月に埼玉県越谷市に1号店である「石窯パン工房越谷店」をオープン。
2003年4月には埼玉県川越市に「石窯パン工房川越伊勢原店」(2号店)を、2003年12月20日には埼玉県入間郡大井町ふじみ野に「石窯パン工房ふじみ野店」(3号店)をオープンした。
3店とも好成績を収めており、サンメリーでは今後さらに同業態の展開を進めていきたいという。
「かねてより、次世代の新たな業態の必要性を感じ、さまざまな角度から検討を重ねていました。そんな中で浮かび上がってきたキーワードが、『本物志向』『石窯』『健康』『天然酵母のパン』などでした。その結果『石窯パン工房サンメリー』の業態が誕生したんです」
サンメリー販促マネージャーの宮越紀子さんはこう話す。
タイマーがたくさんある 2号店の石窯パン工房サンメリー川越伊勢原店は、街道沿いにある。ウッディーな印象を与えるコッテージ風の建物の入り口右手に石窯を設置。大きな円柱状の石窯の半分が外に出ていて、その上には煙突が立っている。 入り口の上と街道に面した外壁には「石窯パン工房」の大きな看板がかかっている。入り口左手には25席ほどのオープンスペースがある。
入店するとすぐ右手でパン職人が石窯の前でパンの出し入れを忙しそうに行っている。焼き上がったパンの仕上げ作業も石窯の前で行う。活気がある。
宮越マネージャーは「焼き上がったパンの香りや、窯から出たばかりのフランスパンなどがたてるパチパチという音、パン職人が石窯の前で忙しそうに作業をする様子などは、それら自体でかなりの演出効果があり、店に活気を与えます。石窯は、お客様とさまざまな形で触れ合うきっかけも作ってくれます」と説明する。
一方、サンメリー商品開発部総括マネージャーの塚田秀明さんは「石窯で焼いたパンは香りが違います。クラストは薄くなるように思います。それと、焼きこんで焼き色が濃くなっても、焦げ臭くならないんですよ。火通りがいいので、焼成時間は短めになります。クラムはもちっとした食感が強くなります。七輪でもちを焼いている感覚に似ています」と説明する。
さらに「タイマーがかなりの数ありますね」という。大きな石のテーブルが回転する方式の石窯で、複数の種類のパンを同時に焼成するので、それぞれのパンを窯から出すタイミングに常に気を配っていなくてはならないというのだ。
「基本的には、パン生地を窯に入れて、焼けたら出せばいいわけですが、完全に使いこなせるようになるまで1年はかかると思います。石窯の場合は、職人との一体化がより求められると思います。一度設置したら、300年は使えるといいます。また、平窯などと違って、移動ができません」
天板を効率よく並べるのが大変 石窯パン工房サンメリー川越伊勢原店では、フランスパンなどのハード系のパンはすべて石窯で焼いている。
また、サンメリーのロングセラー、アントワーヌブレッドも石窯で焼いている。
同店の江森光弘店長は「火力が強いので、商品によっては天板を2枚重ねにしたりと工夫しています。ピザはとてもおいしく焼けます」と話す。
さらに「炉床が円形なので、天板を効率よく並べるのが、慣れるまでは大変かも知れません。型ものを焼くときは、並べる間隔にも気をつけなくてはなりません。間隔が狭すぎると、側面に熱が加わりにくくなりますから。菓子パンは焼き色が付きすぎて、石窯には向いていないと思います」という。
ハード系の生地を使った商品では、「明太子フランス」(160円)や、ソーセージを包んで焼いた「エッセン」(220円)、グラタンを包んで焼き上げた「グラタンフランス」(140円)などが売れ筋になっていて、ハード系の売り上げ構成比は、3割強だという。