リニューアル - 丸十山梨製パン - ブランスリー電子版

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お店拝見/2004年1月号

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リニューアル - 丸十山梨製パン

丸十山梨製パンの外観
 JR甲府駅から程近い場所にある丸十山梨製パン。
 1921年創業の老舗だ。2003年2月、長年親しまれてきたパン作りや店の運営方法を大きく転換し、「商品の鮮度と回転」を最重要視したスタイルに切り替えた。
 「長年慣れ親しんだ雰囲気が変わって、離れていったお客様も中にはいると思いますが、それ以上に得たものは大きかったと思います。またそういえるようにさらに努力しなくてはなりません」と梅本実社長はいう。

山梨県甲府市丸の内2-28-6
電話055-226-3411
営業時間 平日 午前6時30分〜午後6時、土日祭 午前6時30分〜午後5時



売り場は昼食を求める人たちで、活気に満ちていた。

お昼には昼食を求める人たちで混み合う。


新商品は、積極的にすすめる。


ポイントカードダブルプレゼントの発表。いっぱいになったポイントカードを使用した人の中から毎月抽選でさまざまなプレゼントを贈る。
 午後12時30分。店内は昼食を求める顧客でごった返す。店長の西山明美さんが、出来立ての調理パンをトレーにのせて、「新商品です。いかがですか?」といいながら顧客に勧める。売り場は活気に満ちていた。
 2003年2月にリニューアルオープン。昼食需要を見込んで、焼き込み調理パンや調理パンを強化した。11時30分ぐらいから、素揚げしたたまごをサンドした「フライドエッグサンド」(150円)やスイートコーンなどをトッピングして焼き上げた「スイートコーンピザ風」(140円)などのさまざまな調理パンや焼き込み調理パンが出来上がり、一斉に中央の平台に並ぶ。
「客が来る時間にパンを出す」がコンセプトだ。
 製造部統括部長の山口和仁さんは「リニューアルする前は、早朝からパンを作り始めて、午後3時ぐらいまでにすべての製造作業を終えるという作業工程でした。パンはすべて、包装した状態で陳列していました」という。
 リニューアル後は、各パンを焼きあげる回数を大幅に増やし、夕方の需要の取り込みにも一定の成果を上げている。
 「新しいお客様がかなり増えました」と山口さんは話す。



以前のスタイルも支持されていた。「失ったものもあるかも知れない」

メイプルメロンも人気だ。


丸十山梨製パンのスタッフ(後列左から2番目が山口部長、後列左端が西山明美店長)
 リニューアル前のスタイルも顧客から支持されていた。丸十山梨製パンには1日1000個前後売れるという看板商品がある。レモン味のビスケット生地をかぶせて焼いた「レモンパン」(100円)だ。長年親しまれたロングセラーでもある。
 贈答用に10個、20個とまとめ買いをする人も多く、こうした場合は、現在も包装した状態で販売している。
 同ベーカリーの梅本社長は「パンの品質の維持という観点からいったら、包装して陳列した方が断然いいわけです。また、衛生面でも包装されていた方がベターです」と話す。
 「リニューアルして、販売スタイルを変えたことで、離れていったお客様も実際いると思います」。検討に検討を重ねた末のリニューアルオープンだったのだ。



新商品を大量に投入。焼成頻度を可能な限り増やした

「ダッチウインナー」も人気。コッペパン生地の表面に水で溶いた上新粉を塗って焼いたダッチブレッド風のパンを使用。
 昼食需要を見込んでの焼き込み調理パンや調理パンは、具材にもこだわったが、パン生地も差別化を図った。炊いた玄米を練り込んだパンや、コッペパンをダッチブレッド風に焼き上げたパンなどを新たに導入した。
パンの焼き上がり回数も、リニューアル前に比べると格段に増えた。
 「何より変わったのは、お客様の様子を見ながら、パンを焼き上げるようになったことです」と山口さんはいう。
 冷蔵の技術を導入して、焼き上げるパンの追加が比較的柔軟にできるようになったのだという。
 山口さんは「やはり甘いパンが好まれます。それと見た目のボリューム感があるものが好まれますね」と話す。



「大転換でした」 - 梅本社長の話

 お客様の本物志向は強まっています。より手のかかったものが求められるようになりました。値ごろ感は大事ですが、安ければ売れるというものではありません。価値に見合った価格であることが重要です。
 今はとても厳しい時代です。何も新しいことをせずに前年と同じようにやっていたら、売り上げは2割減でしょう。必死の努力をして、やっと横ばいという時代です。
 今回のリニューアルは、これまで長い間続けてきた私たちの方法論を大きく変えるもので、私どもにとって大転換でした。
 10カ月がたって、「失ったものもありますが、得たものはそれ以上に大きかった」といえるようになりました。

発売以来売れ続ける超ロングセラー!
レモンパン
 丸十山梨製パンの看板商品。1日1000個は売れるという。レモン味の上生地は、砂糖の配合量が多く、きつね色に焼き上がる。ひとつ100円。
【中種配合%】
強力粉(インペリアル) 70
上白糖 5
生イースト 2・5
イーストフード 0・1
全卵 10
水 35

【中種工程】
ミキシング L2分M2分、
捏ね上げ温度 24度C、
発酵 2〜3時間

【本捏配合%】
強力粉(インペリアル) 30
上白糖 20
食塩 1
脱脂粉乳 3
生イースト 1
フェルメント(専用の機械で作る種) 10
水 13
マーガリン(スーパーブレッド) 8

【本捏工程】
ミキシング L3分M3〜4分(マーガリン投入)L3分M3分、
捏ね上げ温度 26〜27度C、
フロアタイム 20分、
分割 50グラム、
成形 丸め直して、▼レモン皮生地23グラムをドーム上にかぶせる。
ホイロ 38・5度C78%50分、
焼成 200度C12分(ラックオーブン使用)

※生地玉の状態で冷蔵しておいて、適時成形する。
※吸水が少なく捏ね上げ温度が上昇しやすいので、冷水を使用した方がいい。

▼レモン皮生地
【配合%】
薄力粉(富士) 100
上白糖 150
マーガリン 50
全卵(粉1キロに対して) 375グラム
レモンオイル(粉1キロに対して) キャップ2分の1杯

【工程】
(1)上白糖とマーガリンを混ぜ合わせる(低速1分4速3〜4分、ねっとりとするまで)
(2)[1]に全卵を少しずつ加えながら、4速でまわし、よく混ぜ合わせる(掻き落としながら)
(3)[2]にふるいにかけた薄力粉を加え、軽く混ぜ合わせる

原価計算女王
原価計算女王
お昼の需要をさらに開拓すべく、多くの調理パンと焼き込み調理パンを投入した。

スイートコーンピザ風


フライドエッグサンド
スイートコーンピザ風
フライドエッグサンド
 玄米を練り込んだ生地を使用した焼き込み調理パンと調理パン。お昼の売り場の主役。
【配合%】
強力粉(カメリヤ) 100
黒糖 7
食塩 2・3
生イースト 2・5
フェルメント(専用の機械で作る種) 10
水 58
油脂(NVT) 7
玄米アップ(玄米を炊きあげた製品) 40

【工程】
ミキシング L2分M2分(油脂投入)L2分M3分(玄米投入)L1分M2分、
フロアタイム 1時間、
分割 70グラム(スイートコーンピザ風)、60グラム(フライドエッグサンド)、
ベンチタイム 30分、
成形 スイートコーンピザ風→棒状にのばしてU字方にする。
成形 フライドエッグサンド→丸め直し。
ホイロ 38・5度C78%40分、
焼成 上火210度C下火190度C12分

※黒糖はミキシング前にお湯で溶いておく。黒糖を溶くために使ったお湯の分だけ吸水を減らす。
※スイートコーンピザ風は、ホイロ後、マヨネーズを絞って、コーンを散らしチーズをトッピングする。
※フライドエッグサンドは、焼成後、冷めたらカットを入れて、レタスをしき、▼素揚げしたたまごをサンドする。さらに粒マスタードをトッピングする。

▼素揚げしたたまご
【作り方】 生卵をお玉に1個割り入れ、熱した油の中に静かに入れて揚げ、塩・コショウをする

α中種法のイギリス食パン。香ばしさともちもち感が特徴。
イギリスパン
 α中種法で作るイギリス食パン。本捏ねのとき、中種のほか、熱湯で捏ねて、一晩熟成させたα種を投入する。
【中種配合%】
強力粉(カメリヤ) 70
生イースト 2
モルト 0・3
水 40

【中種工程】
ミキシング L4分M2分、
捏ね上げ温度 24度C、
発酵 45分(パンチ後冷蔵)

【α種配合%】
強力粉(カメリヤ) 10
熱湯 30

【α種工程】
(1)しゃもじで糊状に捏ねる
(2)捏ね上げ温度60度C(3)常温で1時間おいた後、冷蔵する

【本捏配合%】
小麦粉(ブリザード) 20
上白糖 3
食塩 2
脱脂粉乳 2
水 3
ショートニング 3

【本捏工程】
ミキシング L3分M3分(ショートニング投入)L2分M4分、
フロアタイム 30分、
分割 210グラム×6、
ベンチタイム 30分、
成形 丸め直して3斤棒型に6つ入れる。
ホイロ 38・5度C78%1時間、
焼成(ラックオーブン使用) 185度C35分(スチーム注入)

※中種とα種はミキシングの最初に細かくちぎって入れる。


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