エシレバターの新しい魅力に出合える店-エシレ・メゾン デュ ブール - ブランスリー電子版

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お店拝見/2009年11月号

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エシレバターの新しい魅力に出合える店-エシレ・メゾン デュ ブール
9月3日のオープン後2週間を経た取材当日も、開店前から30名を超えるお客が列をつくっていた
「クロワッサン・エシレ50%ブール(ドゥミ・セル)」(有塩)
中心の空洞は焼成前に巻き込んだバターが溶け出した分。バターは再度生地に吸収され、リッチな味わいに
クロワッサン3種(右から「クロワッサン・エシレ トラディシォン」315円、「クロワッサン・エシレ50%ブール(ドゥミ・セル)」(有塩)399円、「クロワッサン・エシレ50%ブール(ドゥー)」(食塩不使用)399円)とヴィエノワズリ各種
エシレバターの産地、フランス中西部のエシレ村の乳牛やバター工房の写真が飾られた店内は、清涼感のある白いタイルをベースにエシレバターのラベル色である青色がアクセントに配されている
「新丸ビル」に続く東京・丸の内の新たなランドマーク「丸の内ブリックスクエア」に9月3日「エシレ・メゾン デュ ブール」がオープン。片岡物産とVIRON(ヴィロン)などを展開するル・スティルのコラボレーションにより実現したエシレバターの専門店だ。「専門店とはいえ、バターそのままでは面白みに欠ける。そこで、今までエシレバターを知らなかったお客様にも興味を持ってもらえるよう、パンや菓子の開発に力を入れた。これらの商品でエシレバターともっと親しんでもらいたい」と片岡物産マーケティング本部の福田恵美氏。
 エシレバターが日本に上陸して約10年。現在はジョエル・ロブションやパティスリー・サダハル・アオキ、ビゴの店、ホテルのレストランなどで使用されているほか、高級食品スーパーの紀ノ国屋などで販売。また同店周辺は、焼き立てのバゲットと一緒に別料金で提供しているヴィロンの店舗があることから、元々エシレバターの認知度が高いエリア。同店のオープンによってさらに、東京・丸の内エリアでの存在感が増すとともに、エシレバターを使ったパンや菓子は、新たな「東京土産」の逸品として期待される。
 バターの優しい香りに包まれた店内には、エシレバターの魅力を余すところなく発揮されたクロワッサンやヴィエノワズリ、ケーキなどの菓子が揃う。これらはすべてエシレバターを100%使用。フランスにおける原産地呼称統制「A.O.C」を取得しているエシレバターは、世界各国の一流フレンチシェフが認める発酵バターの高級品とあって値が張るが、クロワッサンは開店後1時間で連日売り切れ、エクレアやシュケットも午前中に完売してしまうほどの人気を見せている。



村直伝のレシピがヒントにエシレバターを味わう
シェフパティシエの大亀善孝氏はVIRONのシェフパティシエを兼任
サブレのような「ブロワイエ・デュ・ポワトゥー」630円はエシレ村の伝統菓子
しっかりと焼きこみ、粉のうまみを引き出した「フィナンシェ・エシレ」315円。生地作りから焼成まですべて店内の工房で行う。焼き立ては外側がかりっとした歯ごたえが楽しめる
エシレバターを扱って5年以上、という同店のシェフパティシエを務める大亀善孝氏は、同店のオープンにあたり商品開発から携わった。エシレバターを生産しているフランス中西部、ポワトゥー・シャラント地方にあるエシレ村に出向き、現地の食材や料理、書籍などからヒントを得てレシピを開発。「サブレのような焼き菓子のブロワイエ・デュ・ポワトゥーは、お菓子屋さんだけでなく駅の売店でも買える。直径16センチと大きいが、現地ではこれよりも一回り大きいものが主流で、食べるときは手で真ん中を叩き割って皆で分け合う。エシレ村の郷土の味と文化を楽しんでもらいたい」と大亀氏。
 クロワッサンの成型は、10度に温度設定された厨房で行う。エシレバターの配合が50%とリッチな「クロワッサン・エシレ50%ブール」(399円)は、中心に10
gのスティック状のエシレバターを巻き込み、シート(受け皿)に乗せて焼成。巻き込んだバターは焼成時、生地からシートに溶け出すが、出来上がりの頃には再度生地に吸収される。そのため、カットした断面の中心には溶け出したバターの穴があり、生地の下部の方ほどエシレバターが濃厚になっており、リッチな味わいが楽しめる。
 「ショソン・ナポリタン」(630円)はザクザクとした食感と「食べたときに一度に噛み切れる一体感」のある生地にするため、バターを外側にして生地を重ねて巻き込む。「エシレバターは水分量が低いため、べとつかないので作業がしやすく、きれいな層に成型できる」と大亀氏。エシレバターの風味や特性が作業工程にも生かされている。
 「フィナンシェ・エシレ」などの焼き菓子の焼き色は濃い目。小麦一粒一粒のうまみをしっかりと引き出すため、しっかりと焼きこむ必要があるからだ。また、蜂蜜やナッツ類などは加えないことで、エシレバターの風味を生かしている。焼き菓子は通常日持ちがするものだが、脱酸素財などは利用せず作り立てを販売。3日間はおいしく食べられるが、焼き上がり後2時間ほどは外側がかりっとした食感で、また絶品だという。



エシレバターは村の自然と伝統の賜物
東京土産に最適な「フィナンシェ・エシレ」315円と「マドレーヌ・エシレ」315円の詰め合わせ。ボックス入り(10個)は3360円
エシレバターはテーブル用ポーション(30gと50g)、キッチン用(100gと250g)、5kgのバスケットが揃う。また、オリジナルのポーション用ココット、バター皿、バターナイフも購入できる
エシレバターと砂糖、卵黄のみで作ったバタークリームをふんだんに使用した「ガトー・エシレナチュール」3675円。生地はアーモンドたっぷりのビスキュイジョコンド
他の発酵バターと比べて「エシレバターは焼成時の香りがムッとせず、とても爽やかな香りがする」と大亀氏。食べたときの風味もクセがなく爽やかだ。これはエシレバターの原料となる牛乳が、搾乳後24時間以内のフレッシュなものを使用しているため。一般に言う「牛乳臭さ」とは無縁の、クリームを固めただけのような、すっきりした味わいの牛乳だ。
 エシレバターを生産しているのは、一企業ではなくエシレ村の酪農共同組合。1894年より製造を始め、木製チャーンを使って練り上げるという伝統的製法を現在まで守り抜いている。発酵に必要な乳酸菌も代々受け継がれてきたもので、作業工程に使う水も、村の地下水を変わらず使い続けている。こうして作られたエシレバターは、いわばエシレ村の自然の恵みだ。
 同店オープン前の準備期間中、村の酪農共同組合のエシレバター製造者が視察に訪れ、「自分たちの作ったバターが日本で喜んでもらえればうれしい」と話したという。片岡物産マーケティング本部部長の嶋田哲治氏は「東京のこの地はエシレバターの知名度を上げるにふさわしい。また、話題性だけではなく、長く愛される商品を提供し続けてPRを図っていきたい」と語った。



SHOP DATA

店名エシレ・メゾン デュ ブール
住所東京都千代田区丸の内2-6-1 丸の内ブリックスクエア1F
電話03-6269-9840
営業時間午前10時〜午後8時
品揃えクロワッサン3種、ヴィエノワズリ6種、焼き菓子やケーキなど約10種類

原価計算女王
原価計算女王

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