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| お店拝見/2009年8月号 |
2023年11月18日から、発行から1年を経過した記事は、会員の方以外にも全文が公開される仕様になりました。

| 素材にこだわるパン作り | |
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地蔵家の食パンは1・5斤で570円だ。オープン当初は500円であったが、近年の諸経費高騰によりやむなく70円を値上げしたという。今でも「しんどい」そうだが、「これ以上は上げられません」と中原氏は言う。「しんどい」理由は原材料へのこだわりである。
小麦粉はカナダ産を使用している。塩は、瀬戸内海産と沖縄産の2種類を使う。これらのニゴリを調整し、塩自体にほのかな甘味や苦み、それにまろやかさを生み出す。砂糖はビタミン、ミネラルなどの栄養分を残した3種類の上質のものを使用。そして、水は孟宗竹で濾過して使用。こうすると酸素、ミネラル、炭酸をバランスよく含んだ、パン作りに適した水になる。最後に、同店の食パン作りに欠かせないのが、生クリームとバターだ。ともに北海道東部の釧路支庁厚岸(あっけし)郡浜中町で産出されたものを使う。浜中町の牧場は牛1頭あたりの占める面積が広いため牛にストレスがかからない。このため良い乳製品が出来る。これを中間業者を入れずに直接買い入れるので新鮮な製品が得られる。バターは浜中産と日高産をブレンドしている。乳成分が濃いそうだ。当然価格は高くなる。1・5斤570円の理由である。だから‥ではないが、ロスの出ないパン作りを心がけている。 |

| お客との交流が人と味を育てる | |
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北海道産生クリームで仕込んだ食パンは、毎日午前11時から1時間ごとに6回焼き上げる。1回1・5斤用ケースで50本だ。出来上がった食パンには卵と保存料が一切使われていない。アレルギーの人にも「安心して食べてほしいから」だという。
3人の製造技術者は販売も兼ねる。作った人が売ることで、お客の声を直に聞くことができる。中原氏は「自分が作った製品を直接手渡しすることで、味が生まれるし、お客もつく」と語る。 地蔵家では、通常の食パンのほかに「ぶどう食パン」と「チーズ食パン」を水曜日と木曜日限定で24本作る(ともに1・5斤570円。完全予約。ぶどう食パンは六甲店のみ、チーズ食パンは鈴蘭台店のみ)。ぶどう食パンは、お客の要望を聞きながら作り上げた。山型にするか、それは3山か2山か、レーズンの量はどうするか。最近始めたチーズ食パンも同様である。3種類のチーズを入れているが、現在も試行錯誤中で、入れるチーズの種類が変わりつつある。こうした交流が、お客との密度を高めている。中原氏日く「果物を1年間買わなくてもいいほど、お客さまが持ってきてくれるんです」。 客との交流は人も育てる。客が「あの子はやる気がない」と見抜いてしまうことがある。朝5時から仕込みを始め、午後11時に後片づけが終わるまで働く。これに耐えられない人が多い。食パンだけときいて「簡単だ」と甘い考えで来る人も多いという。多くの入社希望者が1週間の体験入社で辞めていくという。その理由の一つに丸めの工程がある。生地に弾力が出るように工夫した丁寧な丸めを行なう。こうすることで、引きがあり、喉ごしの良い食パンに仕上がる。普通の食パン作りに慣れている技術者にはこれが出来ない。誰のためにどのようなパンを作るのか。地蔵家の客層は40歳台以上。高齢者もよく買いに来るという。客に喜んでもらうためには、自ら獲得した技術に磨きをかける努力を惜しまないことが大切なのだろう。客は「やる気のある子」の製品を食べたいと店に足を運ぶのだから。 なお、地蔵家には2008年7月にオープンした神戸北 鈴蘭台店(神戸市北区鈴蘭台南町2‐1‐10、電話078‐591‐7717)がある。 |

| SHOP DATA
店名 地蔵家六甲店
住所 兵庫県神戸市灘区弓木町3‐2‐12 電話 078‐841‐6230 営業時間 午前11時〜午後5時 定休日 日曜日 品揃え 3品目(曜日限定商品2品目を含む) 店舗面積厨房10坪 スタッフ 製造3人 日商 約15万円 |

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