記事の閲覧
| <<戻る | 写真をクリックすると拡大写真が見られます。 |
| リニューアル成功の秘策/2009年7月号 |
2023年11月18日から、発行から1年を経過した記事は、会員の方以外にも全文が公開される仕様になりました。
| リニューアル成功の秘策〜売れるお店に変える〜 第四章 施工業者の選び方と付き合い方 | |
|
角田誠(つのだまこと)
日本商業施設学会会員、商業施設士、中心市街地商業活性化アドバイザー、一級建築士。株式会社第一店装(電話044‐222‐3913、http://www.dai1-t.com/)代表取締役。武蔵工業大学(現東京都市大学)卒業。商業施設の企画、設計、施工などに、数多く携わる。「江東区魅力ある個店づくり」「熱海市商工会議所店舗診断」制度などの派遣指導員として活躍。(協)日本店装チェーン 理事、日本商業施設士会理事などの団体役員としても活躍中。 |

| ■良い施工業者とは一生のお付き合い
リニューアルの基本構想が固まり、設計が決まると、次は、施工業者の選定を行います。施工業者の選定はとても重要で、そのことに悩むオーナーは、少なくありません。お店というオーナーの夢を、かたちに造るのは施工業者です。
「思い通りのお店をつくってくれるだろうか」「業者のペースで店づくりが進まないだろうか」「コストは、世間の相場かそれ以下で抑えたい」などなど、オーナーの期待と不安はつきません。 リニューアルのコストの大部分を占める施工業者の選択は、店づくりの品質に直結します。同じように見えるお店でも、「使い勝手の良い店、悪い店」「メンテナンスがすぐ必要な店、寿命の長い店」など、大きな違いがあるものです。 施工業者とのつきあいは、工事が完了したあとにも続きます。機械の入れ替えや、設備の点検、ちょっとした売場の模様替えなど、常にフレッシュなお店を保つために、リニューアルだけに限らず、施工業者との関係は欠かせません。 自分のお店をよく理解している良い施工業者と長いつきあいをしたいものです。 |

| ■「値切ると手抜きされる」という誤解
「工事費用を値切ったので、施工業者に手抜き工事をされた」というオーナーの言葉を聞くことがあります。しかし、そんなことは、決してありません。もし、「手抜き」といわれるようなずさんな工事が、実際に見られたのならば、すなわち、その業者はレベルの高い施工をする経験と技術がなかったといって良いでしょう。
施工業者とは、技術レベル以上の仕事も、また技術レベル以下の仕事もできません。良い仕事ができる者(会社)は、良い仕事しかしたくないものです。 だからこそ、「施工業者の選択」は重要なのです。 |

| ■施工業者を選ぶポイント(その1)
施工業者には、「工務店型」「専門店特化型」「大手施工業者」に分類できます。それぞれに特徴があります。自店の考えるリニューアルのポリシー、優先順位などにより、どのタイプの施工業者と相性が良いのかを検討します。
「工務店型」の施工業者は、地場密着の仕事を基本にしています。比較的コストが低く、口コミでの紹介がメインなので、メンテナンス対応が良いという長所があります。ただ、住宅をメインに施工している会社が多いので、商業施設に詳しくないばかりか、ベーカリー店の専門知識は期待できません。経験豊富な設計者の監理による施工が望ましいですが、一方でオーナー自身が手間と時間をかけて、お店づくりを進めてくことにもなります。 「専門店特化型」の施工業者とは、「ベーカリー」の店づくりを得意とする専門施工業者です。経験豊富で提案力があり、「設計+施工」の総合プロデュースが魅力です。この場合、企画(業態、規模、デザインなど)が自店の考えに調和すると、スムーズなリニューアルが可能になります。自分で手間ひまかけずに、すべてを任せることができて安心だという長所があります。短所は、複数の業者から見積をとって比較検討することが難しいということでしょう。 「大手施工業者」は、年間着工高が数10億円から数100億円ある有力企業です。施工経験は豊富で、動員力もあって安心感があります。ショッピングセンターなどの大規模商業施設の施工に強く、同じ施設に複数の店舗を工事する場合など、コストが安くできる場合があります。施工の良否は、担当者の裁量に左右される場合が多く、次回のリニューアルに担当者が変更になることも少なくありません。実際に工事をするのは、下請の業者である場合が多く、その技術に差があります。メンテナンスなど、キメの細かい対応が不得意な業者もあります。 |
| ■施工業者を選ぶポイント(その2)
次に、メンテナンス体制の整った会社を選ぶというのが、もう一つのポイントです。
何かトラブルが生じた場合に、すぐに対応をしてくれる業者は、オーナーにとって、とても心強いものです。全面リニューアルの商談には積極的に乗ってくるが、大きな売上にならないメンテナンス作業の動きが鈍い施工業者は、利益至上主義の傾向があるといえます。メンテナンス作業を堅実に行う施工業者は、ユーザーであるお店に対して、誠実に目を向けているといえます。 また、地道なメンテナンス作業をする業者は、その作業を通じてお店づくりの有意義なノウハウを蓄積しています。それは、次のリニューアルにおいて、より品質の高いお店づくりを可能にするといえます。 |
| ■見積り合わせで工事コストを抑える | |
|
見積り合わせとは、複数の施工業者に見積をしてもらい、安い業者に決定する選び方です。工事コストを抑えるのに有効です。見積り合わせする場合は、同じ条件で行わないと比較ができません。そのためには、設計者などに依頼して、まず設計図を確定しておくことが必要です。
業者の選定には、最も安い業者が選ばれますが、技術や経験の浅い業者は、見積漏れや理解不足で、いざ工事がスタートしてから、トラブルが発生する場合があります。見積内容のいい加減な業者は、選択肢からはずすことが賢明です。また、技術の低い業者に工事をさせたことで、逆にメンテナンス費用がかさんだり、次のリニューアルを早くする必要が生じたりしては、長い期間で考えて、コスト高です。 |
| ■契約する前に必ず確認するポイント
施工業者と予期せぬトラブルを生じさせないためには、発注契約する前に、必ず確認したいポイントがあります。
(1)納得する設計図と見積書を入手する 打合わせで変更になった設計図や、見積書は、訂正したものを提出してもらいましょう。口約束はトラブルの元です。 (2)業者の工事したお店を訪ねる 施工業者が手掛けたお店に、足を運びましょう。自店の場合の参考になるばかりでなく、施工業者のほんとうの評価がわかります。 (3)現場責任者に会い話を聞き、人を見る リニューアル工事の成否を分けるのは、現場責任者の技術と人柄によるところが非常に大きいものです。会って、話を聞き、信用できる人物か見極めましょう。 (4)契約書と工事保険加入を確認する 請負契約書は、必ず目を通します。施工業者に都合よくできている場合もありますので設計者にチェックしてもらいましょう。また、業者から工事保険加入の写しをもらいます。火災保険、傷害保険、第三者に対する賠償保険からPL(製造物責任)保険まで、万一の場合に対応できるよう確認します。これらの保険に加入していない業者と契約をすることは避けます。 (5)事業責任者(社長)に会う 業者の事業責任者(社長)に会いましょう。仕事の進み方は、組織の責任者の人物で判断ができます。リニューアルは大きいコストをかける大事業です。業者の責任者に、お店のオーナーとして、リニューアルに対する思いをはっきり伝えましょう。 |
2023年11月18日から、発行から1年を経過した記事は、会員の方以外にも全文が公開される仕様になりました。








