
ウイスキーに合うことを前提に作られたパン「ソーダブレッド」は、「スプリッツアオヤマ」でしか食べられない逸品。これを求めて来店する人も多い

「スプリッツアオヤマ」では、ボトルキープに、シリアルナンバー入りのオシャレなネームタグを使用
一方、業界シェア1位のサントリーは、「山崎」をはじめとする高級ウイスキーをアピールすると同時に、若者向けのカジュアル路線で復権を狙う。6月にはウイスキーをソーダで割った『ハイボールセット』(特製ジョッキ、角瓶[180ミリリットル]、サントリーのソーダ[200ミリリットル]入り)をコンビニ限定で発売。主力商品の「角瓶」を扱う「角ハイボール店」と、ハイボール専用器材を設置した「角ハイボール酒場」を年内に続々出店する。
「ハイボールは、アルコール度の低いライトなお酒を好む傾向が強い若い世代のスタイルに合っている」(サントリーホールディングス広報部・小島葵さん)
中高年世代にとっては懐かしいハイボール。世代を超えたコミュニケーションの架け橋となるかもしれない。
そして、新業態として注目を浴びているのが、イタリア風バール(居酒屋)と高級バーを組み合わせたウイスキーバー「スプリッツアオヤマ」。狙うはズバリ、アラサー世代の女性たちだ。
「消費を牽引するアラサー世代の女性たちも、ウイスキーに関しては知識がまっさら。だからこそ市場として面白いし、狙えると思った」
そう話すのは、同店をプロデュースしたミュープランニング&オペレーターズの小出理紗さん。当初は、サントリー側もこの企画案に面食らったそうだが、新しい試みに期待をかけた。開発チームは皆アラサー女性。目指したのは、『自分が本当に行きたい店』だった。
「女性がウイスキーの魅力を知る入り口になるよう、『分かりやすさ』を追求した」(前述・小出さん)
まさに、女性の女性による女性のためのウイスキー店。そこには『ならでは』の仕掛けがあふれている。
「店名でもある『スプリッツ』は、お酒の名前。アルコール度約8%のハイボールをさらに約5%にまで落として飲みやすくし、専用サーバーで、ソーダに加える圧力も調整可能にした」と小出さん。シュワシュワした泡はキメ細かく、口当たりがいい。シャンパンのような印象だ。特にこだわったのが、パンとのコラボ。ウイスキーに合う「ソーダブレッド」は、表参道の「デュヌラルテ」が特別に開発した。
「イーストを使わず、重曹で膨らませている。ほろほろとした独特の食感で、ウイスキーとの相性は抜群。大人気のメニューです」(前述・小出さん)
ボトルキープには、シリアルナンバー入りのオシャレなネームタグを使用。王冠チャームが付いたアクセサリーのようなIDストラップは持ち歩き可能。まるいグラスも女性心をくすぐる。
「当社はそもそもウイスキーとともに成長した会社。業界を盛り上げたいという思いは強い」(前述・小島さん)