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| いろいろ、エッセイ/2009年5月号 |
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| 戦術の前に戦略が必要 - 武市 多美夫(パンを売り続けてきた男) いろいろ、エッセイ(29)
まだ着慣れない濃紺のスーツ姿の若者達が、大きなバックをかつぎ、気だるさの中に少しばかりほっとした表情がみえる場面に駅で出会った。新入社員研修が終わっての帰りなのだろう。春四月は、あちらこちらで新たな動きが始まる月だ。 最近は食品スーパーや衣料品の値下げのニュースがマスコミで取り上げられている。いかにして値下げが可能か、具体的な方法も紹介している。大量に仕入れることや、作業方法の改善や、輸送コストの工夫など、今まで紹介されないことまで情報提供してくれる。なるほどと感心することや、そこまでやるかということまで知れて、大いに参考となる。 最近都心のオフィス街を昼休み時間帯に歩く機会が多い。そこは昼食用の弁当を買う人々の長い行列が移動販売車の前に出来ている。値段は思ったより安く、500円しない物もある。ボリュームもある。種類も多い。米飯がほとんどで、残念ながらパンはまったく見当たらない。 米飯弁当は品質を工夫して価格を下げて、顧客の争奪戦を繰り広げている。一方、パン業界は価格をアップして客数減の中、顧客の争奪戦をしている。 価格を抑え品質に拘る米飯業界は、パン業界にとって少なからず脅威である。他業界のことと手をこまねいている訳には行かない段階まできていると思うのだが、あまり危機感を持つ声を聞くことはない。 景気の落ち込みは凄まじい現状である。知る限りのパン業界では、売上が昨年を超えている店は極めて少ない。こんな時は基本に戻って,現状を見直す絶好のチャンスと捉えるべきだ。品質・サービス・クレンリネスは、食を扱う職場の三大チェックポイントで徹底してやることだ。改善すべき点があったら改善を怠らず、伸ばすべき点はさらに拡大すべきだ。 厳しい経済環境の中で、日本マクドナルドの業績はすこぶる順調である。同社の社長曰く、独自性を如何に出して行くかが重要であり、戦術の前に戦略がなければならないと説く。何処に向かっているのか。目指す方向はクリアか。戦略に沿った行動になっているか。タイミングを冷静に見ることも必要だと言う。 組織は人材がすべてである。人材は人財と言う人もいるがそのとおりだ。力がある組織とは、人の力を信じ認めて任せる組織のことを言う。そのような組織は、どんなに厳しい状況にも対応出来るのだ。研修帰りの新入社員をみてそんなことを思った。 |



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