自分の家族に食べさせたいパン - パラオア - ブランスリー電子版

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お店拝見/2009年6月号

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自分の家族に食べさせたいパン - パラオア

フランスパン生地に、マンゴー、パイナップル、アーモンド、チョコチップなどを練り込んで焼き上げた「パラオア」(250円、左)と、フランスパン生地にクランベリーとくるみを練り込んだ「フリュイ」(250円、中)


オーナーの池口康雄さん


大納言とチョコレートを巻き込んでUの字形に成形した「大納言ショコラ」(250円)


パラオアの外観。通りから見ると、広い敷地に小洒落た小さな建物(建坪約10坪)がぽつんと立っていて、「何のお店だろう」と興味をそそられる
「自分が食べて美味しいと感じられ、自分の家族にも食べさせたいと思うパンを作りたいですね」
 今年1月、千葉県白井市にオープンした「パラオア」の池口康雄オーナーは 作業する手を休めてこう話した。
 「余計なものは入れないで、自分が納得できるパンだけを作って販売していきたいと思っています」
 クリームパンに使うカスタードクリームはもちろん、チョコレートクリームやあんぱんに使うあんも自家製のものを使っている。
 チョコレートクリームは、カスタードを炊く際に、一部を取り分けて、溶かしたクーベルチュールチョコを混ぜ入れて作る。このチョコレートクリームを使ったチョココロネ(冬季限定商品)は、リピート率が高い商品。
 また、菓子パン生地でチョコレートクリームを包んで焼き上げた「チョコパン」(150円)もあり、こちらもリピート率がかなり高いという。
 あんぱんのあんも、北海道産の小豆を仕入れて、自分で炊いた粒あんを使用している。
 「最も数が多く出る商品は?」の質問に池口さんは、「『ミルクフランス』ですね」と答えた。ソフトフランスパンに、ミルククリームをサンドしただけのシンプルなパンで、価格は160円。
 「バゲット」(230円)は、低温長時間発酵の味わい深い製品だ。粉は内麦を使用。オーバーナイトで熟成させたポーリッシュ種を配合して仕込み、その生地をさらに、低温で一晩発酵させる。ポーリッシュ種の仕込みから焼き上がりまで3日間を要する手間隙かけた製品だ。
 「パラオア」(250円)は、ハワイをイメージした製品だという。
 フランスパン生地に、マンゴー、パイナップル、アーモンド、チョコチップなどを練り込んで焼き上げたもの。店名がそのまま製品名になっていて、「看板商品になってほしい」という池口さんの願いがこめられている。「パラオア」とは、ハワイの原住民の言葉で、「パン」を意味するという。
 この他にも、フランスパン生地にクランベリーとくるみを練り込んだ「フリュイ」(250円)や、フランスパン生地に大納言とチョコレートを巻き込んでUの字形に成形した「大納言ショコラ」(250円)、自家製のライサワー種を使用し、ライ麦粉を60
%配合したライ麦パンの「バオアーンブロート」(600円、ハーフ300円)など、手間隙かけたパンの数々がショーケースを飾っている。



理念と表現手段があって店が成り立つ

中は3人入るともういっぱいの状態。取材時には順番待ちの人が外に並んでいた


池口さんは、たびたびショーケースの脇まで出てきて、顧客にパンの説明をする


左から「クリームパン」(140円)、「あんぱん」(130円)、「チョコパン」(150円)。すべて自家製のフィリングを使用






人気ナンバー1という「ミルクフランス」(160円)
 「パラオア」は、都営浅草線から直通の北総線・千葉ニュータウン中央駅から徒歩約15分の大きな通り沿いの場所にある。通りから見ると、広い敷地に小洒落た小さな建物(建坪約10坪)がぽつんと立っていて、「何のお店だろう」と興味をそそられる。近づいてみると、中で池口さんが一生懸命にパンを作っている様子が窓越しに見える。向かって右手の入り口の向こうにはパンが並んだショーケースが見える。店舗面積の割りに敷地が広いので、駐車場のスペースが充分にとってある。
 「お陰様で、口コミで少しずつお客様が増えてきました。最初はベーカリーだとわからずに、興味深げに近寄ってくる方も多いようです」と池口さん。
 まじめにパンを作っているということが、ひしひしと伝わってくることが、来店客に大きな安心感を与えているのがよくわかる。すべての中心は、やはり池口さんのパンに対する思いだ。これを核にして、店舗のデザインや外観があって、対面販売があり、池口さんのキャラクターがある。理念とその表現手段があって初めて、客に支持される店ができることを改めて教えてくれる店だ。理念だけがあっても駄目だし、表現手段だけがあっても駄目なのだ。



商品にはそれぞれの役割がある

厨房でバゲットの成形をする池口さん


売り場にはショーケースが置いてあって、丁寧に作られたパンが並んでいる


自家製ライサワーを使用の「バオアーンブロート」(600円)


販売は客と会話をしながら、対面で行う


低温で長時間発酵させ、粉の旨みを引き出した「バゲット」(230円)
 池口さんは、たびたびショーケースの脇まで出てきて、顧客にパンの説明をする。麺台のある場所からショーケースまではほんの3〜4歩だ。
 「自家製のライサワーを使った『バオアーンブロート』という製品があるんですが、このあいだ、このパンについて聞いてこられたお客様がいらっしゃって、『薄くスライスして、軽くトーストして云々』と説明して差し上げました。お買い上げいただき、次に来られたときに、『おいしかった』とおっしゃっていただきました」(池口さん)
 商品にはそれぞれの役割があって、「バオアーンブロート」は、客とのコミュニケーションのきっかけを与えてくれる商品なのだという。
 池口さんは、脱サラしてパンの道に入った。最初は、千葉県のあるベーカリーでおよそ2年間、1から修業を積んだ。さらに、茨城県のベーカリー「ニコラ」で働き、腕を磨いた。ニコラでは多くを学び、パラオアの現在の商品のいくつかは、そこで教わった商品だという。
 「今後の抱負ですか? 1人職人を雇って、2人製造の体制にすぐにでもしたいですね」 



SHOP DATA

店名 パラオア
住所 千葉県白井市十余一47-11
電話 047-468-8046
営業時間 午前10時〜午後6時
定休日 月、木、日曜日 
品揃え 約40品目
店舗面積 厨房約8坪、販売スペース約2坪
スタッフ 製造1人、販売1人
日商 平日約5万円、土曜日・祝日約7万円



原価計算女王
原価計算女王

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