「地」「滋」「自」「時」の4つのキーワードで、食べて健康。地ぱんは時代の必然 - じぱん家 - ブランスリー電子版

2026年10月21日に公表されたPHPの脆弱性(CVE-2026-109618、CVE-2026-109619)については、いずれも対策を完了しています。

ブランスリーアーカイブ(創刊号からの全記事)
記事の閲覧
<<戻る写真をクリックすると拡大写真が見られます。
レポート/2008年12月号

2023年11月18日から、発行から1年を経過した記事は、会員の方以外にも全文が公開される仕様になりました。


「地」「滋」「自」「時」の4つのキーワードで、食べて健康。地ぱんは時代の必然 - じぱん家

銀嶺食品工業の大橋雄二社長
 10月26日、東京・汐留にある汐留シティセンター1階に「じぱん家」がオープンした。6月に開店した人形町店に次いで2店目になる。この店を展開するのは、昨年8月に、製パン企業の銀嶺食品工業(本社・福島県福島市、大橋雄二社長)と資本提携したホッコク(本社・東京都中央区)だ。ホッコクはラーメン店の「どさん子」などを全国展開している。「じぱん家」で販売するのは、銀嶺食品工業が独自に開発した「地ぱん」ブランドの商品。「地ぱん」は、福島県内産小麦や、玄米、アワ、キビなどの雑穀などを原材料にしたパンのブランドで、日本の食を意識した和風のパンばかりをライナップ。開発に携わった銀嶺食品工業、大橋社長の「健康」への思いが込められている。(写真はすべて汐留シティーセンター店で撮影)



病から得た食の大切さ

さらぱんのトッピング例。食物繊維たっぷりのきんぴらや醤油味がおいしい焼き鳥ねぎま、しゃきっとした高菜炒めなどが味わえる
 大橋社長は、6歳のとき、血友病と診断された。中学生のときから20歳まで、健康を求めて、玄米菜食を続けたが、よい結果は得られなかった。しかし、この体験を経て、食べることの大切さを考えるようになったという。25歳で父親の経営する銀嶺食品工業に入社し、玄米菜食から得た「身土不二・一物全体」という考え方にのっとった方法でのパン作りを目指した。
 日本人のためのパンには、日本の気候風土が育てた国内産の小麦を使用すべきではないかと考えたが、1980年代前半のパン業界では、国産小麦で良いパンは作れないというのが通説であった。それでも、パン作りの常識に捉われることなく、開発を続けた。出来上がった製品を持って営業にいくと、「県内トップシェアの銀嶺がなんでこんなパンを作るのか」といった言葉が返ってくることが多かった。しかし、日本の食文化を少しでも改善したいという気持ちがなえることはなかった。1988年、「地ぱん」ブランドを立ち上げた。しかし、日本の食文化を継承し、栄養のバランスがとれていて身体と心にやさしく、母から子へと伝えられる、本当の意味での日本人のためのパンとして、地ぱんが成立するまでには、あわせて20年の歳月が必要であった。



常識に捉われない発想

さまざまな具材を入れた「米と麦」の各アイテム
 大橋社長は「地ぱん」について、「地域性も含めた『大地の<地>』、栄養だけではなく身体を慈しむ意味もある『滋養の<滋>』、個性とアイデンティティーのしっかりした『自分の<自>』、時間も手間もかけ製法も惜しまない、歴史と伝統の『時間の<時>』の4つのことばがその意味を端的に表しています」と話す。日本の歴史の中で、パンは日本の食文化として果たして記録されてきたのか、記録がないに等しいのなら、常識に捉われない発想を持って、新しいパン作りに挑もう―。大橋社長のそうした姿勢が伺われる。
 地ぱん作りという新たな挑戦が、本格的に具体化したのが5年前のことだった。セブン‐イレブンからの打診がきっかけだった。その2年後には日本製粉と業務提携し、地ぱんのノウハウを提供。ロイヤルティー収入が得られるようになった。そして、今年6月の「じぱん家」人形町店に始まり、10月の汐留シティーセンター店、11月1日の3号店(神奈川県)と、じぱん家を相次いで3店舗オープンさせた。今後、関西に進出の予定もある。現在、地ぱんは、銀嶺食品工業の総売上の90%を占め、普通のパンは、学校給食用に7%ほど作っているだけだ。



ライバルはごはん

地ぱんのほかにこだわりのコーヒー(右上)なども販売
 通常の「パン」と競争をする気はない。地ぱんを発信する中で、素材企業などさまざまな会社の人たちとの人間関係も構築できた。当面のライバルはと尋ねると「ごはんですね」との答えが返ってきた。
 ごはんの登場場面にこそ、地ぱんが打ってでるチャンスがあるのだという。100年後、1000年後に日本のパンはこれだと言われるように和の世界とともに歩もうとしているようである。
 大阪、広島の企業とも提携を進めている。日本の各地域の食との融合も可能になり、市場の中で、地ぱんが意味を持ち始めていると、大橋社長は感じているようだ。新たなパンのジャンルの構築にむけて、「じぱん家」の役割は大きい。



薬膳カレーや高菜炒めも

本物の日本のパンへのこだわりを示す「地」などの文字を掲げる店内


入り口には、のれんをかけ、和の雰囲気を演出している


店内は明るく落ち着いた雰囲気
 さて、「じぱん家」で販売する「地ぱん」の商品には、大きく分けて、内麦粉と玄米粉をミックスした「米と麦」、内麦粉に国産のハトムギ、餅きび、押し麦など8種類の雑穀を合わせた「穀福」、「米と麦」などのパンを皿の形にした「さらぱん」がある。
 「米と麦」には、薬膳カレー、ひじき、チーズ昆布、クルミなどを挟んでいる。品揃えは13種類と豊富だ(各231円)。
 「さらぱん」には、じぱんカレー、福島県産高菜炒め、焼鶏ねぎま、キンピラ味噌、本格牛どんを、それぞれトッピングした5アイテム(各315円)がある。
 また、こうした商品には、プレーン状のものもあり、自宅で卜ーストしたり煮物に入れたり、天ぷらにも出来るというからうれしい。
 他に、内麦粉に、独自の製法でペースト状にしたオカラをミックスした「オカラだお大豆にスイート」(399円)などもある。
 「じぱん家」人形町店では2階にイートインスペースがあり、購入した商品を食べられるほか、「さらぱんドリンクセット」(650円)、「さらぱんドリンクセット」にサラダかスープを加えたセット(各950円)、「米と麦ドリンクセット」(500円)、「米と麦ドリンクセット」にサラダかスープが付くセット(各800円)も楽しめる。
 薬膳カレーやじぱんカレーなど、カレー類に人気があるようだが、チーズ昆布や高菜炒めも評判がいいそうだ。
 いずれにしても、一度日本のパンを味わってみてはいかがだろう。         (W)
   ◇
 [じぱん家]
◎人形町店◇住所=東京都中央区日本橋人形町3‐4‐13◇営業時間=午前7時30分〜午後7時30分◇定休日=日曜、祝日◇電話=03‐5640‐0261
◎汐留シティセンター店◇住所=東京都港区東新橋1‐5‐2汐留シティセンター1階◇営業時間=平日午前8時〜午後9時、土曜午前11時〜午後7時、日曜午前11時〜午後6時◇定休日=無休◇電話=03‐3571‐7690
◎川崎ラゾーナ店◇住所=神奈川県川崎市幸区堀川町72‐1ラゾーナ川崎1階◇営業時間=午前10時〜午後9時◇定休日=年末年始を含めた年間2日◇電話=044‐874‐8049
   ◇
 [銀嶺食品工業]
◇住所=福島県福島市泉字道下16‐51◇電話=024‐557‐0341◇FAX=024‐557‐0345

原価計算女王
原価計算女王

2023年11月18日から、発行から1年を経過した記事は、会員の方以外にも全文が公開される仕様になりました。

今月の公開記事

  1. POLINの高性能オーブンを日本市場へ 。450℃の焼成力と緻密なヒーター制御 - スズキ産業の下河拓磨社長
  2. 見やすい売り場と旬の味で、地域が誇れるベーカリーへ - アリマベーカリー
  3. 「ちいかわ」の世界観を表現したパンと店づくり - ちいかわベーカリー
  4. 掲載から1年を経過した記事は、会員の方以外にも全文を公開しています。
    ブランスリーアーカイブ
ブラ立ち読み
(記事の無料メール配信)
詳細はこちら