
チーズとハラペーニョを使った「ツォイスシュタンゲン」(右、380円)と、フォカッチャ生地でベーコンを包んだ「シュペック」(左、260円)

カイザーゼンメルは、白ごま、コーングリッツ、ひまわりの種、かぼちゃの種を、それぞれ表面にまぶした4種類で、各160円

フランスパン生地を使用した「焼きカレーパン」(240円)

オレンジピールを使用したフレンチトーストの「切り株」(250円)

9坪ほどの売り場には、完全オーダーメイドの陳列棚などが配置されている

厨房は、入り口のすぐ右手にあって、大きな窯が売り場に向かって設置されている

6種の穀物が入ったライ麦パンの「6種の穀物」(640円、ハーフカット320円)

ほうれん草を練り込んだ「ベーグルシュピナート」(250円)
金長さんは、サラリーマンとして働いていたおよそ10年前に、「自分の店を持ちたい」と脱サラをし、埼玉県のあるベーカリーでパン職人としての修業を始めた。そこで3年間働いたあと、ドイツパンを学ぼうと、ドイツへ渡った。
「妻と2人で、到着当日の泊まるホテルも予約していない状態で、日本を出発しました。とにかく思い立ったらすぐに実行しないと気がすまない性格なんです。とにかく向こうに行ってさえしまえば何とかなるという考えでした」(金長さん)
ドイツでのホテル暮らしは1週間程度で終わらせることができた。飛び込みで交渉し、現地のベーカリーで働かせてもらえることになったのだ。
「3日間のテストののち、『是非うちで働いてくれ』といわれました。嬉しかったですね」
ドイツで学んだことで、今一番役立っているのは、仕事をスピーディーにこなす能力が、身についたことだという。
「向こうは、労働法制が厳しく、1日の労働時間が決まっているんです。ですから、その中でいかにしていい仕事をするか、という観点から、製パン法が発達してきたみたいです。ドイツのパン職人は、決められた時間内に大量のパンを作らなければならないので、分割や成形の作業などがとにかく早いですね。また、仕事の効率ということを最重要視し、例えば、広い厨房の中を移動してまたもとの場所に戻ってくるとき、手ぶらで戻ってきたら怒られるんですよ。折角あそこまでいったんだから、次にここで使う道具を持って戻ってこいということなんです」(金長さん)
ドイツで約2年間修業を積み、帰国。その後、東京・世田谷区のフレンチスタイルの有名ベーカリーで、「スーシェフ」として働くことになった。「シェフと共に充実した日々を過ごさせていただきました。シェフからは、主にフランス系のパンについて多くを学びました」(金長さん)
2008年1月、念願だった自分の店をついにオープン。白壁にいイメージカラーのスカイブルーが見事に映える、爽やかな外観で、インテリアも、床にタイル張りのオーナメントをあしらったりして、随所に個性を演出している。
「店の工事中は、ほとんど毎日現場に行って『ああでもない、こうでもない』と建築の職人さんとやり合っていました。業者泣かせの注文主だったかも知れません」(金長さん)