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| 業界アンテナ/2009年3月号 |
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| リテールベーカリーへの業態転換 | |
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中小製パン企業は、全国的にみて大手の製パン企業に席巻され続けている。加えて、昨年のアメリカにおけるサブプライムローンを切っ掛けとした金融市場の混乱が、世界的規模での景気の悪化を呼び込んだ結果、一層中小企業の経営を圧迫しつつある。こうした現状の中で、中小企業主体の全日本パン協同組合連合会(全パン連)は“勝ち残る”のではなく“生き残る”ための経営改善の一方法としてリテールベーカリーヘの業態転換を模索しようとしている。全パン連の小此木博会長に話を聞いた。
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| 「生徒はお客さんなんですよ」
生徒の求めに応えるのが企業の務め
2300社の中小製パン企業を会員に持つ全パン連の小此木博会長は、開口一番「我々の生き残り方としては、自分でリテールベーカリーをやるか、大手ベーカリーの下請けをするしかない」と語り始めた。 全パン連会員の中心は学校給食工場の運営だ。会員2300社のうち学給専門企業が2000社を占める。給食の加工賃は1カ月200万〜300万円はあるという。 ◇ 「学給で生き残るには、3万食必要だと思っています。現在、3万食作っている工場は15社です。統合も視野に入ってくるでしょうね。なぜなら、ご存じのように生徒数がどんどん減っている。今後、食数が増えることは考えにくい。それに、いわゆる弁当屋さんが米飯給食に参入しようと狙っている。米飯給食が週5回になるといった話もあります。まあ、そう簡単に5回にはならないと思いますがね。週3回実施まで30年かかっていますから。でも、油断はできない。弁当屋さんに3回分持ていかれたら、工場として成り立たない。ですから、我々はおいしいパンを作らなければならないんです。生徒達もパンや麺を望んでいるという声も聞きます。パンは週に1〜2回でもいいから『食べたい』と言ってもらえる製品作りが企業としての務めなんです」 ◇ かつて給食パンの評判が良くなかった時代があった。乱暴な言い方をすると、以前は小麦粉と水とイーストを混ぜればパンになるといった考えで、パンを焼いている人が多かったようだ。 ◇ 「生徒はお客なんですよ。生徒の気持ちを捉えないと。彼らに買ってもらっているという意識を持たないといけない。文部科学省だって、おいしいパンを食べさせたいって言っているんですから、それに応えていかないと。群馬県パンでは、4月の新学期から米粉50%、小麦粉40%、グルテン10%のミックス粉を給食パンに使います。小麦粉については、今は国産か外国産か未定です。このミックス粉がもし全国の学給用に使われるようになって、米の需要が伸び、いずれは食料自給率アップにもつながったらいい。我々にとっては行政と連携しながら、生徒の要望をくんでいくことが大事です」 リテールの成功で人材育成も 全パン連では、50社のリテールベーカリーで技術を教えることが可能だという。 学給専門工場からリテールベーカリーに業態転換しても仲間から製パン技術の習得が出来るというわけだ。 子供や孫の世代がやる気になれば、企業の存続に弾みがつけられる。 ◇ 「スーパーの棚を大手から奪うカは我々にはない。でも、リテールならカを出せる。2年から3年ほど技術力のあるベーカリーで修業すればパンは作れる。実際、新潟県の1万食の学給工場の息子はリテールで修業後、ベーカリーを開店して2年になるが、今では日商30〜40万円を売り上げている。一般的に開業資金に5000万円かかったとして、家族総出で頑張れば、1日12万円位は不可能ではないはず。ただ、問題もあります。人材不足なんです。一番のネックは給料が安いこと。かつて、外食産業のすかいらーくは、大学卒業の初任給が5万円の時代にボーナスを100万円出したといいます。そうして人材を集めて育てた。会員の中にも日商200万円を売り上げるベーカリーもある。給料を充実させ、人を育てて、儲かる体質を作り出すことも大事です。これまでの人材不足は、自分たちで招いているといえますからね」 適正価格で良品作りを目指す 「満足できる額で販売するのはなかなか難しい。例えば、本来なら食パン1斤(360グラム)を230円で売りたいが、実際は340グラム110円の製品が売れています。菓子パンも150円以下がよく売れています。昨年の4月と10月に輸入小麦の政府売渡価格が値上げされたのを受けて、価格転嫁を図ったベーカリーの中には、かえって利益を下げたところもあるようです。厳しいけれども、ほどほどの値段で、良い材料を使い真面目においしいものを作っていくしかないでしょう。例えば、あんパンのあんには北海道産の大豆を使用していることを消費者に分かりやすく示すことも大切だと思います」 ◇ スーパーは原材料が値上がりしてもパンの価格を抑えようとする。リテールは自分で値段を付けられるが、高すぎてはかえって商品が売れないといった現実がある。今後は単に製品としてのパンだけを販売するのではなく、カフェなどを設置して焼きたてのパンを食べてもらう工夫も必要だと考えているようだ。小此木氏は「このまま何もしなければ、ただ消えていくだけです」と語る。 次の世代がベーカリーを継ぎたいと思えるようにするためにも、会員の意識改革が求められているようだ。 |



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