玄米を粉食として普及させたい - ORIZA×Cafe - ブランスリー電子版

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お店拝見/2008年11月号

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玄米を粉食として普及させたい - ORIZA×Cafe

茶色と赤を基調にしたオリザ クロス カフェの店構え。通りから一目でその存在がわかる
 玄米粉パンの専門店が9月15日、長野県松本市にオープンした。品揃えはおよそ30品目で、すべてのパンが玄米粉入りの商品だ。玄米粉は、玄米を25ミクロンの超微粒子の粉にしたリブレフラワーを使用。玄米粉の使用量はすべての商品について、玄米粉も含めた粉類全体に対して40〜50%だ。
 店名は「ORIZA × Cafe(オリザ クロス カフェ)」。JR松本駅から徒歩約15分の場所だ。運営会社は、リブレフラワーの製造元のシガリオ(豊藏康博社長)だ。1号店で、ノウハウを蓄積し、来年中には直営で東京に2号店を出したい考えだ。
 その後さらに直営で、8店舗程度を出店し、最終的にはFCでの全国展開も視野に入れていく。
 シガリオの豊藏社長は「米、特に玄米は日本が世界に誇れる完全食に近い主食です。それをこれまでとは違う粉食という形で普及させていくことで、日本の食糧自給率向上に貢献できることはもちろんですが、もっと言えば全世界の食糧問題に大きな力を発揮できると確信しています。もちろん、食品として普及させるためには、『おいしい』ということが至上命題です。『1においしい、2においしい、3、4がおいしい、5に安全、6に健康』をキャッチフレーズに、店舗展開していきたいと考えています」と意欲満々だ。(19ページにも豊藏社長のコメントを掲載)



おいしさの面で引けをとらない商品

店舗責任者の小倉一浩さん


店内は、外観と同じように、鮮やかな赤と茶色が効果的に配されている


厨房は、売り場に面していて、スタッフらと顧客らの会話がはずむこともしばしば
 オリザ クロス カフェの責任者、小倉一浩さんは「玄米粉パンというとどうしても、健康面だけを売りにしてしまいがちですが、私どもは、従来の小麦粉のパンと同じ土俵で、おいしさの面で引けをとらない商品でなくてはならないと考えています。当店のパンは、すべて『どういうパンにしたいか』を明確にして、それを実現するための原材料と製法を考え抜いたものです」と話す。
 例えば、同ベーカリーの1番人気商品である「よもぎぱん」(120円)は、よもぎをたっぷりと練り込んだ生地を焼き上げた商品で、「極上の草もちにも引けをとらない」との声もあるほどだ。また、「プレーンベーグル」(130円)は、ニューヨークのベーグルのような、ひきの強い食感を実現した商品で、こちらも人気が高い。「クリームパン」(160円)は、自家製のカスタードクリームをたっぷりと包んだ商品で、パンの部分は、ソフトでしっとり感があるのが特徴だ。



各商品について明確なイメージを持つ

「玄米ソフトクリーム」は、注文を受けてから準備する


玄米コーヒーの「ブラックジンガー」など様々な玄米関連の商品も販売している


自家製のカスタードクリームを使用した「クリームパン」(160円)は、成形にも一工夫
 「小麦粉と玄米粉の両方の良さを持った新しいパンを多くの人に味わっていただきたいんです」と小倉さんはいう。小麦粉と、グルテンがない玄米粉がおよそ半々の割合で入ったパンだが、特別に難しい製法を用いているわけではないという。バイタルグルテンを配合する以外は、基本的に、従来の小麦粉のパンと同じストレート製法と変わらず、いくつかのポイントをおさえれば、だれでもすぐに製法はマスターできるという。
 小倉さんは、同ベーカリーの商品開発に当たって、ひとつひとつの商品について、使用する小麦粉の種類と、バイタルグルテンの配合量などを綿密に検討しながら試作を繰り返し、レシピを作っていった。ベーグルについては、ひきの強さを出そうとした結果、バイタルグルテンの配合量が多くなった。逆に、クリームパンなどに使用する菓子パン生地は、サクッとした食感を出そうとした結果、バイタルグルテンの配合量は比較的少なくなったという。
 同ベーカリーでは、約30品目の品揃えに対して、仕込む生地の数がおよそ15種類とかなり多い。ひとつひとつのパンに、明確なイメージを持って商品開発を行ったために、必然的に生地数が多くなったのだ。
 生地にもこだわっているが、フィリングや、練り込み用の素材にも同様にこだわっている。カスタードクリームはもちろん、あんぱんに使用するあんやその他のフィリング類も基本的にすべて自家製で、チョコレートもクーベルチュールを使用している。
 「『よもぎぱん』は、極上の草もちに負けないように、『ショコラ!ショコラ!ショコラ!』(クーベルチュールとチョコチップを練り込んだパン)は、ブラウニーやガトーショコラに負けないようにと考えて開発しました」と小倉さん。



玄米粉のよさをいろいろな形で提案

くるみとかぼちゃの種を練り込んだソフトな生地をカンパーニュ形に成形して焼き上げた「ブロート・ナッツ」(750円)


フランスパン専用粉とリブレフラワー(玄米粉)を使用した「山型食パン」(1斤450円)。


クーベルチュールとチョコチップを練り込んだ「ショコラ!ショコラ!ショコラ!」(210円)


ひきの強い食感が特徴の「プレーンベーグル」(130円)


ビス生地にレモンを皮ごと練り込んだ「メロンパン」(160円)


よもぎをたっぷりと練り込んだ「よもぎぱん」(120円)


マロングラッセを包んで焼き上げた「栗」(160円)
 同ベーカリーは、カフェを併設していて、席数は約10席。クリスタルシュガーが付いた「玄米コーヒー」(350円)や「玄米アイスコーヒー」(400円)などのドリンク類のほか、「玄米ソフトクリーム」(300円)なども出す。もちろん、購入したパンもいっしょに食べることができる。
 小倉さんは「玄米粉パンを普及させていくことはもちろんですが、それ以外にも、玄米粉を使った様々な商品をカフェで味わっていただき、玄米のよさをいろいろな形で理解していただけたらと思っています」と話す。

SHOP DATA
店名 ORIZA × Cafe(オリザ クロス カフェ)
住所 長野県松本市県1-6-3松林ビル1F
電話 0263-34-5223
営業時間 午前10時30分〜午後7時
定休日 火曜日
品揃え 約30品目
店舗面積 厨房約11坪、販売スペース(カフェ含む)約8坪
スタッフ製造販売4人
日商 約12万円



玄米の粉食化は、時代の要求

玄米粉の「リブレフラワー」の製造会社、シガリオの豊藏康博社長
 豊藏康博・シガリオ社長の話 日本はこれまで、米を粒食で消費してきたが、これからは、粒食に加えて、粉食で消費する時代だ。エネルギー問題や環境問題、食料不足の問題など、現在の人類が直面する重要な諸問題を勘案しても、米の粉食化は非常に重要になる。日本政府の農業政策も、「減反」から「増反」へシフトされつつある。粒のままだったら余剰米になっていしまう米を、粉にして消費拡大を図ろうというものだ。当然、最近の世界的な食糧需給関係の劇的変化により、小麦を始めとする穀物の世界相場が上昇していることも背景にある。こうしたことにより、日本の米を見直そうと言う大きな動きが起こっているのだ。
 ご存知のように、日本人は何千年もの間、米を食べて、様々な文化を築いてきた。米、特に玄米は完全栄養食品であり、米と野菜、魚を食べていれば、栄養的にほぼ完全な食生活が実現できていた。
 かといって、食の欧米化以前の状態に戻そうというのではない。現在の時代状況を解決するひとつの方法として、玄米を様々な形態の粉食として提供していくのだ。「オリザ クロス カフェ」の展開は、そのひとつの方法ということになる。
 玄米の粉食化は、日本の食糧自給率を向上させるだけではない。世界の新しい主食として、様々な形で普及していく可能性を持っていると考えている。例えば、玄米粉のパンを例にとっても、「小麦粉と玄米粉の両方のよさを持ったパン」として、パン食文化の国々の人たちに提案できるのではないかと考えている。「オリザ クロス カフェ」の日本での展開が軌道に乗れば、アメリカやヨーロッパでの展開も考えている。いずれにしても、玄米粉パンの普及には「たべておいしいこと」が大前提になる。

原価計算女王
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