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| 「ライバルは有名店ではなく、コンビニです」 - 吟遊詩人 |
 人気の高い「バゲット」(220円)。独自の製法で独特の味と食感を実現している  フランスパン生地にドライトマトとチーズをふんだんに巻き込んで焼き上げた「ドライトマトとチーズのフランスパン」(260円)  スコーンも人気だ。左から「かぼちゃ」(150円)、「チョコチップ」(150円)、「プレーン」(150円) 東京・杉並区の「吟遊詩人」の営業時間は、午前7時から午後10時過ぎまで。「定休日なんていうのは、あくまで店側の都合で、お客さんにしてみれば、定休日なんかない方がいいに決まっています」 オーナーの清澤稔さんはこう話した。 「荻窪にも有名パン店はたくさんありますが、うちのライバルはそうした店ではなく、コンビニなんです。同じメロンパンを食べるなら、コンビニのものじゃなくて、うちのメロンパンを食べてほしい。常温で2日も3日も持つパンなんで絶対におかしいですよ」 原材料の高騰から、今年5月に値上げを実施したが、買い控えはほとんどなかったという。「もう2年間ここで営業していますが、9割以上は、固定客です」と清澤さんは言うが、そうした固定客が同ベーカリーのパンを必要とする度合いは、値上げによって低下することがなかったということだ。 清澤さんは、こうした熱心な固定客のニーズに応える一方で、コンビニのパンを買うような人たちも、常に意識しているのだ。
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| イーストリートベーグルの商品開発も担当 |
 人気のマフィン。左から「抹茶マフィン」(200円)、「シナモンアップルマフィン」(200円)、「スイートチョコレートマフィン」(200円)  「クロワッサンダマンド」(200円)  ブリオッシュ生地にビスケット生地をのせて焼いた「スイートブール」(170円)  クランベリー、ラズベリー、ブルーベリーをたっぷりと入れた「ベリーベリーマフィン」(200円) 清澤さんは、高校生のときにアルバイトをしていたレストランで、パン職人がパンを作っているのを見て、「パン生地がまるで生き物のようだ」と感動した。そして、自分もパン職人になりたいと強く思うようになった。 高校卒業後、ロイヤルホストで有名な、福岡に本社があるロイヤルグループのベーカリーレストラン、アペティートに入った。そこで一通りパンの技術を身につけた。 入社して8年が過ぎたとき、ある人のすすめで、東京に出る。西新宿のニューヨークマフィンファクトリー(現在は閉店)で働くためだ。そこでは、パンではなく、マフィンやピザなどの商品開発などを行った。この間、人気ベーグル専門店、イーストリートベーグルの立ち上げ時の商品開発も担当した。 「アメリカで公認会計士をしていた岡本さんという方が、『アメリカで食べたベーグルを日本で再現して販売したい』と始めたのが、イーストリートベーグルだったんです。私は、いろいろなベーグルを作っては岡本さんに食べてもらい、『ああでもない、こうでもない』を繰り返しながら、最終的に約10種類のベーグルを完成させました。それが、イーストリートベーグルの立ち上げ時の品揃えになりました」
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| 現在の状況がとても好ましい |
 様々なパンが並ぶショーケース。販売は対面で行う。ショーケースのすぐ後ろが厨房になっている  商品が見安いように工夫がされたショーケース  様々なパンが並ぶショーケース。販売は対面で行う。ショーケースのすぐ後ろが厨房になっている 清澤さんが、自分の店を出したのは2006年の3月だった。18歳でパンの道に入ってからすでに20年が経っていた。 「店名は、自分がとても好きな福岡のベーカリーの『即興詩人』という名前にちなんでつけました。自分でも詩を書くから、ということもありました。最近でこそ、和風の店構えのパン屋さんが多くなりましたが、私はすっと前から、和風の店構えがいいなと思っていたんです」(清澤さん) パン作りの基本は「丁寧に作ること」だ。 「パンを作る立場からしたら、『一回に作るパン数十個』ですが、買う立場に立ったら、買ったパン1個がすべてなわけです。ですから、ひとつひとつのパンに細心の注意を払って、パンを作るように、スタッフにも、自分自身にも、常日頃から言い聞かせています」 清澤さんは「5年後はどうなっていたいか」の質問に「今とまったく同じようにパンを作っていたいと思います」と答える。 清澤さんにとって、現在の状況がとても好ましいのだ。 もちろん、店の数を増やして、商売の規模を大きくしようなどとは思わない。 「地元の人たちに、パンを作って販売するということを通して関わり、少しでも役に立てたらいいなと思っています。だから年中無休で、朝早くから夜遅くまで店を開けているんです」(清澤さん)
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| 「師匠に教われたから、今日の私がある」 |
 オーブンは、ドイツ・ウェルカー社製のものを使用している  吟遊詩人の店構え。シンプルな雰囲気だ  オーナーの清澤稔さん 清澤さんは、アペティート時代に師事していたパン職人、小野隆造氏から教わったことを何かにつけて思い出すという。 「とても厳しい人で、当時は、いっしょに仕事をしていると、緊張してしまう自分が、いやだなと思っていたのですが、今になって考えると、小野さんに教わることができたから、今日の私があるといってもいいと思います」 「どんなときにそれを実感しますか」との質問に清澤さんは「『お宅のフランスパンはおいしい』といわれたときなどは、教わることができてよかったと心から思います。この間なんか、主婦の方が、兵庫県のある有名ベーカリーのパンを持って来て、『あなたのパンはこのパンよりおいしいわよ。食べ比べてみて』と言ってくれました。本当に嬉しかったですね」
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吟遊詩人
住所 〒167-0032 東京都杉並区天沼3-2-2荻窪勧業ビル1F 電話 03-5335-6362 営業時間 午前7時〜午後10時 品揃え 約50品目 日商 約10万円 スタッフ 製造3人、販売1人 店舗面積 厨房10坪、売り場4・5坪
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