天候や気温などで、毎日、販売戦略を変える - ア・ラ・パパ - ブランスリー電子版

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お店拝見/2008年9月号

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天候や気温などで、毎日、販売戦略を変える - ア・ラ・パパ

白い壁と煉瓦風の壁、濃い茶色の柱などが趣のある雰囲気を醸し出すア・ラ・パパの店構え
住所:栃木県宇都宮市中島町890
電話:028-657-0488
営業時間:午前10時〜午後8時
定休日:月曜日(月曜日が祝日の場合は翌火曜日)



顧客目線でのオペレーション

ビス生地のさくさく感が売りものの「さくさくメロンパン」


ア・ラ・パパ店長の井川直明さん


売り場の奥に隣接する形で石窯が設置されている


秘伝のタレに漬け込んだコーンなどを包んで焼いた「ジュウジュウコーン」


石窯焼きの「フランスパン(バゲット)」
(180円)。自然酵母を使用している
 今年6月にオープンした栃木県宇都宮市のベーカリー、ア・ラ・パパは、顧客の目線でのオペレーションをモットーとするベーカリーだ。JR宇都宮駅からバスで約20分の複合型工業流通団地、インターパーク宇都宮南内にある。
 約21坪の売り場のパンの陳列場所は、毎日変化するという。毎朝、販売、パン製造、サンドイッチ製造などの各部門の長がミーティングを開き、その日の気温や湿度、天候などの条件によって、「今日はこのパンを強く打ち出して行こう」などと、その日の販売戦略を練るのだという。
 同ベーカリー店長の井川直明さんは「製品を起点にして物事を考えていく『プロダクトアウト』の方法論よりも、お客様の立場を起点にした『マーケットイン』の考え方をより重要視しているんです」と話す。
 ポスレジを導入し、どの商品がどの時間帯に何個売れたかを完全に把握している。また、厨房から売り場に出てくるパンの動きの把握にも努めている。「焼き上がったパンが何時に何個売り場に出たかについては、今のところ全ての商品について記録をとることはできないので、ポイントとなるアイテムに絞って記録しています」(井川さん)
 商品の出口と入口を時間と数量で把握し、それらをパソコンで解析することで、販売ロスが少ない理想的な製造スケジュールが組めるのだという。
 顧客目線のオペレーションは、接客にも反映される。
 「例えば、子供を連れたお客様がいらしたら、スタッフがトレーを持って付いて差し上げるといったことは積極的に行っています。また、犬を連れたお客様のために店の外にドッグポールを設置しています」(井川さん)



顧客を飽きさせない楽しさ

なめらかなカスタードクリームを包んで焼き上げた「自家製カスタードのクリームパン」。「牛肉たっぷりカレーパン」と並んで、ア・ラ・パパを代表する商品になっている


食パン類は、レジ脇の陳列棚にまとめて並んでいた


売り場の中央に平台が2つあり、変化に富んだ陳列をしている


レジは3台。後方の店名のロゴに巧みに照明を当てている


犬を連れた顧客のために店の外にドッグポールが設置されている
 ア・ラ・パパの売り場は、陳列方法に工夫が凝らされていて、顧客を飽きさせない楽しさがある。そんな楽しさあふれる雰囲気の中で、様々なパンが生き生きと陳列されている。
 最も販売量が多いのは、「牛肉たっぷりカレーパン」(150円)だ。大きな角切りの牛肉が入った自家製のカレーフィリングを使用した商品で、頻繁に揚げて出すことで揚げたてを訴求している。
 「自家製カスタードのクリームパン」(130円)は、なめらかなカスタードクリームを包んで焼き上げた商品で、これも人気商品だ。
 「さくさくメロンパン」(120円)は、ビス生地のさくさく感が特徴の商品。
 「ジュウジュウコーン」(180円)は、秘伝のタレに漬け込んだコーンとベーコンなどを包んで焼いた商品。
 ア・ラ・パパは、カット野菜の製造卸をながく手掛けてきた会社、セントラルカッティングが経営する。同社は約1年前に、飲食事業部を立ち上げ、イタリア料理や日本料理などのレストランの経営に乗り出した。ア・ラ・パパは飲食事業部が出店した店の4店舗目に当たる。
 店長に抜擢されたのが、それまで同飲食事業部のしゃぶしゃぶレストランのスタッフだった井川さんだった。井川さんはそれまで製パンの経験はまったくなく、急きょ、茨城県の有名ベーカリーに3カ月間修業に出ることになった。
「厳しかった反面、毎日が新しいこととの出会いの連続でとても楽しくもありました。例えばパンチをどれくらいの強さでやったらいいかとか、ホイロの見極め方とか、すべてが新鮮でした」(井川さん)
 同ベーカリーは、売り場約21坪、厨房が約34坪。品揃えは約120品目。スタッフは、パン製造が常時7〜8人、サンドイッチ製造が2人、販売が常時4人の体制だ。7月の平均日商は約50万円という



理にかなった方法

取材メモ 同ベーカリーは、異業種からの参入組だ。カット野菜の製造卸を手掛ける会社の飲食事業部門が立ち上げた。プロデュースは、ベーカリー専門の店舗プロデュース会社のダイユーだ。「こだわりベーカリー」と称する店にありがちな、少し嫌味な敷居の高さがまったく感じられず、フレンドリーでとても入りやすい雰囲気の店だ。店のオペレーションも、ロジックを積み重ねて理にかなった方法で行っている。ベーカリー業界は、こうした外部の新鮮な感覚をとり入れる必要があるのかも知れない。



原価計算女王
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