陳列されたパンが自分で自分を表現する - ペッパーズ パントリー - ブランスリー電子版

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お店拝見/2008年8月号

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陳列されたパンが自分で自分を表現する - ペッパーズ パントリー

売り場は2階まで吹き抜けになっていて、外光がやさしく差し込む
住所:千葉県木更津市東中央3-6-3
電話:0438-23-0061
営業時間:午前7時30分〜午後8時30分
定休日:水曜日



多くのパンが登場する御伽噺

多くのパンが所狭しと並び、とても楽し気な雰囲気の店内


中央の平台には、陳列棚がついた柱が立っていて立体陳列を行っている


オーナーの松井修さん
 JR木更津駅から歩くこと約10分、比較的大きな通り沿いに「ペッパーズパントリー」はあった。レンガ貼り風の壁に三角の屋根。ヨーロッパの城のような雰囲気もある。期待が少し膨らんだ。
 中に入ると、その期待をはるかに上回る楽しげな雰囲気があった。
 売り場は2階まで吹き抜けになっていて、様々なパンが所狭しと並んでいる。ただ、並んでいるだけではない。パンが自分で自分の魅力を語っている。多くのパンが登場する御伽噺のような世界だ。この雰囲気は何に由来するのか。
 「最初から売れていたわけではありません」
 同ベーカリーのオーナー、松井修さんはこう切り出した。
 「すべての根源は商品です。おいしくなければ何も始まりません。そしてそれを表現することです」
 松井さんは、商品ひとつひとつについて、使用する材料を綿密に検討した。特に小麦粉にはとことんこだわる。ポイントとなる商品には、他ではあまり使われていないマイナーな製粉会社のものを使用しているという。
 パン生地だけではなく、フィリングやトッピングなどの具材にもこだわっている。基本的に商品名に名前が入っている具材は高品質で量が多く、サイズも大きい。「エビとたまごのサンド」のエビカツとタマゴサラダは、高品質で、量が多く、サイズが大きいのだ。そしてそのことを商品の陳列方法などで、顧客に素直に伝えている。
 「私とスタッフ全員がおいしいと思うパンをどうやったらお客様にわかっていただけるのか。それに尽きると思います」(松井さん)



「とにかく一度食べてほしい」

抹茶生地などで大納言甘納豆をたっぷりと巻き込んでラウンド型で焼成した「大納言」


色鮮やかな野菜などがたっぷりトッピングされた「タルティーヌ」


カット面いっぱいにフィリングを塗った「メンタイフランス」(左)と「ガーリックフランス」(右)


たっぷりのタマゴサラダと、大きなエビカツをサンドした「エビとたまごのサンド」


中にホイップクリームと、プリンがまるごと1個入った「ホイッププリン」


レンガ貼り風の壁に三角の屋根が印象的な「ペッパーズパントリー」の外観


コッペパンにキャベツなどと大きなエビカツをサンドした「エビカツ」
 松井さんは「商品に自信があれば、それをお客様に食べてもらいたいという強烈な欲求が、自然にわきあがってくるはずです」と話す。
 そんな松井さんの欲求は、スタッフらにも浸透し、ペッパーズパントリーに関わるすべての人たちによって共有されているのだ。そしてそれは最終的には、売り場に並ぶパンが明確に表現する。
 例えば「大納言」(1本640円、ハーフカット320円)は、抹茶生地などで大納言甘納豆をたっぷりと巻き込んでラウンド型で焼成した商品だが、ハーフカットの切り口が色鮮やかで、大納言甘納豆がぎっしりと入っている様子が一目瞭然だ。
 また、「メンタイフランス」(130円)と「ガーリックフランス」(130円)は、縦にハーフカットしたカット面いっぱいに、それぞれ明太子フィリング、ガーリックバーターを塗って、商品自身に商品の特徴を雄弁に語らせているのだ。
中にホイップクリームと、プリンがまるごと1個入った「ホイッププリン」(190円)は、プリンが入っている様子がわかるように、中が見える見本をいっしょに添えてアピールしている。
 「タルティーヌ」(「ラタティーユ」「きのこしめじ」「バジルチキン」など4種類で、いずれも210円)は、色鮮やかな野菜などがたっぷりトッピングされていて、存在自体が華やかだ。
 「エビとたまごのサンド」(290円)は、たっぷりと入ったタマゴと、中身がいっぱい詰まったエビカツが存在を主張し、パックへの詰め方にも一工夫がなされている。
 コッペパンにキャベツなどと大きなエビカツをサンドした「エビカツ」(210円)は、エビたっぷりのエビカツが今にも飛び出しそうだ。
 「とにかく一度食べてほしいという強い思いがあるんです」と控え目に話す松井さんだが、「一度食べてもらえさえすれば、絶対にリピーターになってもらえる」というゆるぎない自信が感じられた。
 同ベーカリーは、売り場約12坪、厨房約15坪。製造は常時5人で、販売は常時3〜5人。日商は40〜50万円と健闘している。



客のパンを見る目が違う

取材メモ 「パンの御伽噺」。そんな表現がぴったりの売り場だ。客のパンを見る目が違う。その客達の楽しそうな表情が、さらに店内の雰囲気を盛り上げる。店全体がいい方向にまわり出し、そのまわる勢いが、どんどん加速している典型的な例だ。ここまで持ってくるのには、相当な忍耐力と手間が必要だったと思われたが、オーナーに聞いてみると、その答えは意外と単純だった。「一度食べてもらえたら絶対にリピーターになってもらえる商品を開発することと、一度食べてもらうための演出をすることです」

原価計算女王
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