どこにでもある品目でいかに個性を出すか - ブーランジェリー ベー - ブランスリー電子版

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お店拝見/2008年7月号

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どこにでもある品目でいかに個性を出すか - ブーランジェリー ベー

ブーランジェリー ベーの店構えはとてもシックな雰囲気だ
住所:東京都練馬区東大泉3-16-32コーポボヌール1階
電話:03-5387-3522
営業時間:午前10時〜午後7時(日曜日は午後6時まで)
定休日:月曜日(このほかに月1回の不定休日あり)



自分の舌を信じて商品を開発する

対面販売を採用。販売スタッフが注文を聞き、ていねいに応対する


オーナーシェフの國島武人さん


伝統的な製法で作ったフランスパンの「パン ド ベー」。商品名に店名が入っている看板商品だ


カスタードクリームがたっぷりと入った「クリームパン」。高温で一気に焼き込み、外皮が香ばしくなるようにしている
 「ベーカリーも飽和状態で、どこへ行っても、買えないパンはありません。ですから、フランスパンでもデニッシュでもクリームパンでも、その品質というか、味や食感などで個性を出さなくてはなりません」
 東京・練馬区のブーランジェリー ベー、國島武人オーナーシェフはこう話した。
 個性を出すためには、ひとつひとつの品目についての詳細な検討が必要だ。
 例えば食パンの「パン ド ミ」(1斤270円)と「イギリスパン」(1斤半350円)。いずれにも発酵バターを配合し、よく焼き込んで、外皮を厚くするようにしているという。
 「発酵バターは、熱をよく加えてやらないと、その独特のいい香りが出ません。焼き菓子によく使われるのはそのためです」と國島さんはいう。
 また、「クリームパン」(180円)は、自家製カスタードクリームをたっぷりと入れて、それを包むパンの部分は薄く仕上げている。クリームに負けない、パンの部分の存在感を出すために、高温で一気に焼き込み、外皮が香ばしくなるようにしている。
 「基本的には、自分の舌を信じて、自分がおいしいと思うものだけを店に並べています。ですから、普段からレストランなどに積極的に出かけていって、いろいろな料理を味わうようにしています」(國島さん)



修業時代に多くのことを学んだ

自家製ルバン種を使い、ライ麦粉を10%配合し、深みのある独特の味わいがある「ミュール」(左)と、パン ド ベーの生地を使った「グラン ベー」(右、300円)


ビス生地に練乳を配合した「メロンパン」。看板商品のひとつだ。


発酵バターを配合した「イギリスパン」(左)と内麦100%の「香麦」(右)


発酵バターの風味を活かした「クロワッサン」(180円)。


クロワッサンの二番生地のタルト台に、生のスライストマトをのせた「トマトのタルト」


「いちご」「アプリコット」「ママレード」など様々なジャムも販売している
 ブーランジェリー ベーは2003年にオープン。國島さんは、最初あるベーカリーで2年間修業を積んだ後、父親が営んでいたベーカリーに入った。あとを継ぐつもりだった。しかし、5年後、もっと多くのことを学びたいと思い、埼玉のある有名ベーカリーに修業に出た。そこでは3年間働いた。さらに、別のベーカリーで3年間修業を重ねた。
 「修業したベーカリーが、それぞれ個性があったので、今とても役立っています。1つのベーカリーでは、オーナーが、ハード系やヴィエノワズリー、菓子パンとあらゆる分野のパンを作る高い技術を持っていたので、とにかく製パンの技術を貪欲に吸収しました。また、別のベーカリーでは、『パンの顔の作り方』というか、パンの見せ方について多くを学びました。どんな色の器に入れたらいいかとか、どのパンの隣にどのパンを持ってくればいいかなど、デザイン的なセンスを学びました。また、どんな料理と組み合わせたら、パンを美味しく食べられるかなど、パンを食全体にどう位置づけるか、などについても教わりました」(國島さん)
 結局実家のベーカリーとは別に新たにベーカリーを立ち上げた。
 修業時代に培った技術とセンスが現在の店作りに活かされている。パンは、全体的にしっかりと焼き込んだものが多く、焼き色がとてもきれいだ。
 「パン ド ベー」(200円)は商品名に店名が入った同ベーカリーの看板商品。内麦を80%使用。オーソドックスなストレート法だが、イースト量は少なく、吸水はぎりぎりまで入れているという。
 「ミュール」(315円)は、自家製ルバン種を使ったパンで、ライ麦粉を10%配合。深みのある独特の味わいがある。
 「メロンパン」(150円)は、ビス生地に練乳を配合。同ベーカリーの看板商品のひとつだ。 「トマトのタルト」(280円)は、クロワッサンの二番生地のタルト台に、サワークリームを絞って、生のスライストマトをのせ、パルメザンチーズをふって焼成する。
 「香麦」(1斤半400円)は北海道産の小麦の粉を100%使用。香り豊かなハードトーストだ。
 同ベーカリーは、売り場が約6坪、厨房約14坪。製造スタッフは、國島さんと社員が1人の合計2人。はるひ夫人が、販売と製造の両方に関わっている。販売スタッフは常時2人の体制だ。



追求心の副産物が個性

取材メモ 「個性がないベーカリーは生き残れない」とよく言われるが、自分の個性は何か、と聞かれると、意外とよくわからないことも多いのではないか。ひとつの考え方として、店の個性とは、オーナーの認識の中にあるのではなく、顧客の意識の中に認識されるものだ、ということはできる。國島さんのように、ひとつひとつの商品について、原材料から製法、そして味、食感などについて、ただひたすら、追求を重ねていけば、それが、結果的に強烈な個性となって、顧客の意識の中に認識されるようになるのかも知れない。

原価計算女王
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