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| いろいろエッセイ/2008年7月号 |
2023年11月18日から、発行から1年を経過した記事は、会員の方以外にも全文が公開される仕様になりました。
| お客様から見放されたら商売はそれで終わり - 武市 多美夫(パンを売り続けてきた男)
いろいろ、エッセイ(19)
梅雨時になるとデパートから中元ギフトのカタログが送られてくる。それは今年も、もう半分の月日が過ぎたことを知らせる便りでもある。健康への配慮があったり味のこだわりをアピールしたりして内容も色々工夫している。印象付けの為の工夫が面白くてカタログが来るのが楽しみでもある。 中元ギフトの売り方も様々でデパートのギフトセンターで買う方法や電話や郵送やオンラインショッピングなどの方法がある。 現場で販売をしていた頃、暑くなるとパンは売れないと聞かされていたが、デパートに出店している店では暑さと関係なくギフトシーズンになると売上が一挙に上がったものだ。ところが最近は中元シーズンでも忙しくないらしい。電話や郵便やパソコンで注文出来るようになってからは直接デパートに来なくてもよくなったことが原因の一つらしい。 因みに中元とはもともと七月十五日のことを言い、お世話になった人に贈られるようになったのは明治時代からのことで、百貨店などの売上がダウンする夏の時期に大売出しをしてから中元の習慣が定着した、ということを本で読んだことがある。 焼きたてパンや採りたて野菜など、新鮮を売りにしている店は通販などの販売は難しい。お客様が直接来店して頂いて商売が成り立つ。それだけに商品力はもとよりサービスや接客態度が大切になる。しかし現実は「いらっしゃいませ」の一言もないことがある。それだけなら百歩譲ってまだ許せるとして、店員同士が私語をしているのは許せない。今日一番と思われるくらいの大きな声で話している。聞きたくなくても聞こえてくる内容は、前のお客さんのことを面白おかしく話している。最悪だ。井戸端会議だってもっとまともな話をしているはずだ。 一番許せないことは自分の存在を無視されることと私は思っている。そこではお客としての私の立場は全く無視されている。さらに追い討ちがあって、帰りがけの「ありがとうございます」も予想していた通りにない。また、お客の前を黙って通り過ぎる店員も許せない。私は善良な市民で悪質なクレーマーではないが、最近ベーカリーの販売に腹が立つことが多すぎる。これからのベーカリーは商品力より販売力で大きな差が出ると言う人がいる。その意見は大いに納得できる。 腹が立った店員の態度を思い出して我慢しながらパンを食べられるほど私は人間として成長していないが、そのような接客態度は是非なくして欲しいと思っている。 繁盛店の条件で味が良いことや接客が良いことを以前指摘したことがある。その条件が満たされているか否か、一度店舗診断をしてみることをお勧めしたい。 お客様から見放されたら商売はそれで終わりになってしまう。 |




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