石窯もエコの時代。燃費のよさを訴求 - ブランスリー電子版

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業界アンテナ/2008年6月号

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石窯もエコの時代。燃費のよさを訴求

「石窯のある郊外大型店舗」は、繁盛ベーカリーのひとつのスタイルとして定着した。今回は、石窯の輸入販売を手掛け、その舞台裏で汗を流してきたフェリス商会の伊藤幸吉社長に、石窯事情や、ベーカリー繁盛の秘訣などについてインタビューした。



焼成頻度の維持が繁盛のカギ

スペインのファルハス社の石窯の導入例


スペインのファルハス社の石窯の導入例
―――石窯のフェリス商会というイメージが定着しましたね。
伊藤 私どもはスペインのファルハス社の石窯を輸入販売しておりますが、お陰様ですでに60台以上を納入させていただきました。
―――石窯を設置した大型店で成功事例が多いですよね。成功のコツみたいなものはありますか。
伊藤 例えば日商100万だったのが、90万、80万と落ちてきたときに、いかにして、自分をコントロールできるかがカギになると思います。
―――というと。
伊藤 製造量が少なくなっても、多いときと同じ感覚で製造してしまうんです。これはつまり、パンを焼成する頻度が少なくなるということを意味します。製造量が減っても、焼成頻度を維持するためには、1回に焼成する量を減らす必要があります。単純な話なのですが、実際には中々できません。多くの場合、パン職人の方々は、本能的に、窯をいっぱいにして焼成したがります。6枚差しの窯で、天板2枚だけで焼くことに、かなりの抵抗を感じてしまうんです。
―――つまり、売上規模にかかわらず、常に焼きたてを提供することがポイントだということですね。
伊藤 その通りです。私は、あるユーザーさんの店が、売上が若干落ちてきたときに、石窯も入れて4台ある窯のうち、2台を使えなくしてしまったらいいのでは、と提案したことがあります。そうすれば、残りの2台で焼成しなければならないので、強制的に焼成回数が増えて、鮮度訴求が出来るという意味でした。
 それくらい、焼成回数の維持は重要なんです。常に焼成回数を維持するようにオペレーションをしていれば、例えば、100万が90万になっても、それが80万にはなりません。100万を中心にした小幅なブレで収まっていきます。
―――フェリス商会さんの石窯販売の戦略は何ですか。
伊藤 「石窯のあるベーカリー」というコンセプトもだいぶ定着してきました。これからは、「どんな性能の石窯であるか」が重要になってくると考えています。
―――フェリス商会さんの石窯のポイントは何ですか。
伊藤 石窯特有の焼成ができることはもちろんですが、私どもは、「燃費のよさ」を今後、強く訴求していこうと考えています。
―――というと。
伊藤 つまり、石窯を1日稼動させるために、どれくらいガスを燃焼させなければならないかということです。当社が扱っている石窯は、蓄熱性がよく、パンが焼ける状態にまで加熱してしまえば、次の日からは、1日4時間程度火を入れれば充分です。つまり、1日中パンを焼いていても、ガスバーナーに火が入っているのは、4時間程度なんです。この燃費のよさは、1年間稼動させたときには、大きなランニングコストの差となるはずです。また、クルマの世界でも、エコカーの開発は絶対条件ですが、ベーカリーでも、地球に優しい生産をしていかなければなりませんから。
―――石臼も販売されていますよね。
伊藤 はい。これは、輸入ではなく、自社製作の機械です。大昔の石臼の原理を再現して作ってあります。円盤状に加工した石の上に、同じく円盤状に加工した石をのせてまわし、小麦を挽くという仕組みになっています。小麦の粒は、上の石の中心近くに開けた穴から投入します。フレッシュな状態の小麦粉から作ったパンが、最もおいしいと思います。「石臼で挽いた全粒粉を使って、オンリーワンの『グラハムブレッド』を商品化したら面白いですよ」などと提案しています。また、パンの売り場の一角に石臼を置いて、製粉することで、視覚的な効果も発揮できます。
―――今後、販売を始める予定の機械はありますか。
伊藤 現在、ピザ用の小型の石窯の販売を考えています。同じくスペインのファルハス社のもので、現在1台が当社の工場にあります。いろいろなテストをして、日本仕様にはどうしたらいいかを思案中です。
 また、種の発酵機を開発できたらとも考えています。種は、店ごとに違うものが作れますので、個性を出すには、うってつけだと思います。小型で、しかも、同じ機械でいろいろな種ができるように、分解洗浄が簡単にできるものを開発したいと考えています。
―――今後のパン業界をどうみていますか。
伊藤 ますます、二極化が進んでいくのではないかと思います。「鮮度訴求」などの意味からいうと、大型店の方が有利なのは確かです。日商4〜5万の小規模店は、よほど強烈な個性がないと、苦戦を強いられるのではないかと思います。



フェリス商会

 製パン機械の輸入販売、製造販売などを手掛ける。スペインのファルハス社製の石窯は、おりからの石窯ベーカリーのブームに乗って、60台以上の納入実績がある。石窯のほかにも、輸入では、ドイツ製自動分割丸目機などを、自社製作では、台下1次発酵庫や、石臼などを扱っている。繁盛ベーカリーのプロデューサーとしての実績もある。問い合わせの電話番号は、0474‐42‐1441。





原価計算女王
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