祭りの出店のような雰囲気の店 - もあ石窯館 - ブランスリー電子版

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お店拝見/2008年5月号

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祭りの出店のような雰囲気の店 - もあ石窯館

店舗の外壁は薄いクリーム色で、どこかヨーロッパの石造りの家屋をイメージさせる
住所:神奈川県横浜市青葉区藤が丘2-13-4
電話:045-979-0709
営業時間:午前7時30分〜午後7時30分
定休日:年中無休



18台収容の駐車場を完備

大きなフランクフルトを、ポテトと粒マスタードと共に焼き込んだ「ジャーマンフランク」


自家製のカスタードを包んだ、ソフト感が売りものの「自家製カスタードのクリームパン」


石窯の前で、オーナーの松島昌彦さん


ケーキクラムを敷いて、チーズケーキ生地を流して石窯で焼成する「石窯チーズケーキ」
 「これまで22年間培ってきたノウハウをすべて注ぎ込みました」
 2月23日、神奈川県横浜市青葉区藤が丘に「もあ石窯館」をオープンさせた松島昌彦さんはこう話す。12年前にオープンした2号店の「もあ四季彩館」を成功させ、満を持してのオープンだった。
 「次に出す店は、これまで課題だった駐車場の問題を解決し、石窯を中心に据えた店舗にしたいとずっと考えていました」
 東急田園都市線・藤が丘駅から徒歩約5分の道路沿い立地で、敷地面積はおよそ270坪。18台を収容する駐車場を完備している。店舗面積は約70坪で、厨房が約40坪、売り場が約20坪。
 店舗の外壁は薄いクリーム色で、どこかヨーロッパの石造りの家屋をイメージさせ、通りの雰囲気を盛り上げるに充分だ。
 入り口の脇には、20席ほどのオープンカフェのスペースがあり、無料サービスのコーヒーと共に、購入したパンが食べられるようになっている。
 売り場に入ると、サンドイッチなどを調理するオープンキッチンが目に飛び込んでくる。スタッフらが、パンをカットして、具材をはさんだり、カレーパンを揚げたりと、大忙しで、活気に溢れていた。 厨房と売り場を仕切るのは、パンの陳列台だけで、売り場から、パンを作る様子がよく見える。大きな石窯がパンの陳列棚のすぐ脇に設置されていて、客の目の前で、パンの窯入れと窯出しが行われる。焼き上がったパンはすぐに近くの陳列台に並べられ、販売される。祭りの出店で、商品を作りながら販売しているといった趣だ。
 設備的には、氷温冷蔵庫を3台導入し、低温長時間発酵を多用している。また専用の発酵機を使い、ルバン種を安定的に管理し、ほぼすべてのパンに配合している。
 「ルバン種を入れると、パンに味わいが出ます。それと、しっとり感がかなり長持ちするようになります」(松島さん) 



人材育成に大きな力を注ぐ

売り場のすぐそばに設置された大きな石窯は、迫力満点だ。石窯で焼かれたパンは、すぐに手前の陳列台に並べられる


売り場は面した通りに沿って横長の形で、中央の平台と両側の陳列台が平行に設置されている


奥の厨房と売り場を仕切るのはパンの陳列台だけで、客と同じ空間でパンを作っているような感じだ


オープンキッチンは、スタッフらが、パンをカットして、具材をはさんだり、カレーパンを揚げたりと、大忙しで、活気に溢れていた
 松島さんは「人が育ってくれなければ、新たに店を出すことはできません」と話す。
 同ベーカリーでは、人材育成に大きな力を注いでいるという。
 「これまで、色々なことをやってきました。パン製造のバイブルといわれる本を与えて読ませ、その本の章ごとに、テストを実施していたこともあります。私が問題を作り、週に1回、仕事が終わった後、学校のテストみたいにして行うんです。合格点がとれなかった者は、1週間後の次のテストまでに、合格するまで毎日追試を受けさせました」(松島さん)
 現在は、ジャパンベッカーマイスター協会の製パン技術者検定を積極的に受けさせているという。
 「検定試験は3泊4日で行われます。目標があると、大きな励みになっているようです。それと、他のベーカリーの人たちとの交流も刺激になっているようです」と松島さんはいう。
 同ベーカリーの大きな魅力のひとつであるオープンキッチンについても、様々な試行錯誤を続けてきた。
 「オープンキッチンを始めたのは、2号店の四季彩館からでした。最初は、お昼の時間帯だけ稼動させることを目標にしました。そして、調理パンの販売量が少しずつ伸びてきて、徐々にオープンキッチンの稼働時間を長くしていったんです。商品が売れれば、必然的に、作る量も増えて、スタッフの動きが活発になり、活気が出てくるんです」(松島さん)



活気溢れる店内に様々なパンが並ぶ

低温で20時間発酵をとって深い味わいを出した「バゲット・ルネッサンス」


頻繁に揚げて、揚げたてを徹底的に訴求している「自家製カレーパン」


アールグレイの葉を練り込んだ「紅茶のパン」


くるみパン生地でカマンベールを包んだ「カマンベールチーズ」


調味液に漬け込んで焼いたベーコンをサンドした「炙りベーコンのバゲットサンド」


大きなメンチカツをはさんだ「ジャンボメンチカツバーガー」


くるみパンの生地にくるみ入りのビス生地をかぶせて焼成した「くるみメロンパン」
 「もあ石窯館」の品揃えはおよそ80品目で、様々なパンが所狭しと陳列されていた。商品によって、容器を変えたり、陳列場所の高さを変えたりと、陳列方法にも工夫を凝らしている。すべては、顧客の気持ちを高揚させ、商品に手を伸ばしてもらうためだ。
 「石窯チーズケーキ」(137円、8ぺージに写真)は、ケーキクラムを敷いて、チーズケーキ生地を流して石窯で焼成する。1日300個は売れる人気商品だ。
 「バゲット・ルネッサンス」(315円)も石窯で焼成。低温で20時間発酵をとって深い味わいを出した商品。
 「ジャーマンフランク」(179円、8ぺージに写真)は、大きなフランクフルトを、ポテトと粒マスタードと共に焼き込んだパンで、カンパーニュの生地を使用。販売数量は、1日約200個だ。
 「くるみメロンパン」(158円)は、くるみパンの生地にくるみ入りのビス生地をかぶせて焼成したメロンパンで、同ベーカリーが行ったアンケートで、「くるみパンとメロンパンが合体したパンがあったらいい」という要望があったことから商品化した。
 「カマンベールチーズ」(168円)は、くるみパンの生地でカマンベールチーズを包んだ商品。
 「ジャンボメンチカツバーガー」(294円)は大きなメンチカツをはさんだ商品で、使
用するキャベツは、農家との契約栽培のものを使用している。
 「紅茶のパン」(168円)は、アールグレイの葉を練り込んだ生地にクレームダマンドをトッピングした商品。
 「炙りベーコンのバゲットサンド」(315円)は、調味液に一晩漬け込んで焼いたベーコンを、レタスやオニオンスライスなどと共にサンドした商品で、パンは、「バゲット・ルネッサンス」を使用。
 「自家製カレーパン」(147円)は、自家製のカレーを包んだカレーパンで、頻繁に揚げて、揚げたてを徹底的に訴求している。
 「自家製カスタードのクリームパン」(137円、8ぺージに写真)は、自家製のカスタードを包んだ、ソフト感が売りもののクリームパンだ。
 同ベーカリーは、現在、土日で1日約1000人、平日で約700人の来店があり、客単価は900円前後という。

ひとつの理想形

取材メモ もあ石窯館は、石造りの家屋のような外装で、道行く人たちの心を高揚させる。中に入ると、外観からイメージした通り、とても活気があって楽しい雰囲気に満ちている。厨房の配置や、製パン機械の配置、オープンキッチンのオペレーション、陳列方法の工夫、焼きたての追求・・・。繁盛のための必要条件をひとつひとつ確実に実現させた、繁盛ベーカリーのひとつの理想形だ。

原価計算女王
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