創作パン - パンマルシェ - ブランスリー電子版

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お店拝見/2003年11月号

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創作パン - パンマルシェ

パンマルシェは、コープかながわ片倉店内にある。
かぼちゃのいとこ煮をパンにするとどうなるか?わかめの酢の物をパンにするとどうなるか?そんな問いに答えてくれるベーカリーが、神奈川県横浜市にあった。その名は「パンマルシェ」。オーナーの吉田伸さんは、和洋中の様々なレストランで、気に入った料理に出会うと、
それを「パンという空間」で、表現してしまう。彩り豊かな創作パンが同ベーカリーの売りものだ。

神奈川県横浜市神奈川区片倉1-16-3コープかながわ片倉店内
電話045-491-0084
営業時間 午前10時〜午後9時



ひとつの料理をパンに凝縮、スタッフとレストラン巡り


かぼちゃのいとこ煮をパンで再現したパンプキン甘納豆


「炭フード」について伝える雑誌をかかげ、話題を提供。
 「天然酵母のパンがさらに一般的になって、もっともっと多くの人に食べてほしい。作る人がもっと増えてほしいと思います」
 パンマルシェの吉田伸オーナーはこう話す。
 4年前、神奈川県横浜市のコープかながわ片倉店内に店を構えた。それまでは、同じ神奈川県の長津田でおよそ25年間、ベーカリーを営んでいた。「『安全・安心』をコンセプトにしたパン」がコープかながわの条件だった。
 かぼちゃペーストは、かぼちゃを蒸して作る。抹茶パウダーは、自分で選んだ抹茶と粉糖を調合して作る。カスタードクリームも自分で炊く。
 こうしたことは、吉田さんの商品開発に取り組む姿勢から導き出された必然の結果でもあった。
 「スタッフを連れて、よくレストランに行くんですよ。いろいろな料理を目と舌でじっくりと味わっていると、そこからヒントが飛び込んでくることが多いですね」
 例えば、「パンプキン甘納豆」(1本380円、ハーフカット200円、レシピを10ページに掲載)。日本料理のかぼちゃのいとこ煮をパンで表現した商品だという。かぼちゃのペーストをたっぷりと練り込んだ生地に、金時豆を巻き込んだもので、同ベーカリーのロングセラーだ。
 「気に入った料理があると、それをパンという食べのもの中で完結させたものが作りたくなるんですよ」と吉田さんはいう。
 日本料理のわかめの酢の物をパンで表現した商品もある。商品名は「ごまわかめ」。わかめを戻して、白ゴマといっしょに生地に練り込む。「わかめでも、水がきれいな海のものでないとだめです。ウチは、三陸沖でとれたわかめを使っています」(吉田さん)
 「よく、寝る前にゆったりとしているときにひらめく、などといいますが、私の場合は、『さあ、新商品を考えるぞ』と自分を奮い立たせたときに具体的な新商品は浮かんできますね。そのときのための引き出しをどれだけ持っていられるかが大切なのではないでしょうか。引き出しは、仕事中ではなく、オフのときに増えていくことが多いと思います」
 最近商品化して人気なのが、木炭の微粉末を少量生地に配合した「炭フランス」(3個で200円)。味や食感には影響はないという。「炭には体の中の不要物を排出する作用があるそうです。話題のひとつとして、とり入れています」(吉田さん)



基本的なパンと創作パン、お互いが引き立て合っている。

製造スタッフ3人と吉田さん(左から2人目)。


製造日限定の商品がいつ作られるかを、ボードを使ってわかりやすく伝える。
 パンマルシェの品揃えは、合計で約100品目。製造日限定の商品も多く、店内の壁に今週と来週の製造品目の予定が表で掲げられている。
 前述の「ごまわかめ」や「パンプキン甘納豆」などは製造日限定の商品だ。毎日作る基本商品と製造日限定の商品、季節限定の商品がうまくかみ合っている感じだ。
 「人気商品は」と聞くと吉田さんは「やはり山型食パンですね。それとフランスパンがよく出ます。卸販売のものも含めて、1日30キロは仕込みますよ。バターロールもよく売れています」。
 毎日食べる基本的なパンがどんと構えているなかに、吉田さんのアイデアで生まれた「創作パン」がちりばめられている―パンマルシェに入るとそんな感じを受ける。



天然酵母パンに特化した。手間はかかるが、味が出る

人気商品の「山型食パン」。窯から出ると、粗熱がとれるまでの間、棚の最上段に並べられる。


デニッシュの一部は、冷蔵ショーケースに陳列されている。
 4年前、コープかながわ片倉店内への出店と同時に、それまで営んでいた長津田の店舗は閉じた。「自分の力を集中させる意味でも、1店舗に絞った方がいいと考えました。どちらかが片手間になってしまうと思ったんです」と吉田さん。
 新たなスタートに伴って、酵母をホシノ酵母に一本化した。吉田さんは「天然酵母パンというと特殊なものと考える人もいるかも知れませんが、私がそこにこだわる理由は、じっくりと発酵をとることによって、パンがおいしくなると考えているからです」という。
 さらに「酵母も材料のひとつなわけで、それを使ってどうパンを作るかで価値が決まるわけです。同じ材料を使っても人によって作るパンは様々です。天然酵母パンが今よりさらに一般的になって、腕を競い合えたらいいなと思っています」。
 パンマルシェは、横浜市営地下鉄・片倉町駅下車徒歩およそ5分の場所にあるコープかながわ片倉店内にある。スーパー全体のレジを出たところにある典型的なインストアベーカリー。売り場は約8坪。製造スペースが約9坪。製造スタッフは吉田さんのほかに男性が4人いる。販売は女性のパート数人が主に担当。前日仕込みのパンと当日仕込みのパンをたくみに組み合わせて、できる限り頻繁にパンが焼き上がるように工夫している。



日本料理のかぼちゃのいとこ煮がヒントに!

パンプキン甘納豆
 パンプキン甘納豆
 かぼちゃと金時豆の組み合わせが、セールスポイントのパン。日本料理のかぼちゃのいとこ煮からヒントを得た。かぼちゃはペーストにして生地に練り込む。金時豆は生地に巻き込む。一つ380円。ハーフカット200円。
【配合%】
強力粉 100
砂糖 5
塩 1・8
▼かぼちゃペースト 20
水 56
ホシノ酵母食パン種(生種) 8

【工程】
ミキシング L2分M7〜8分、
捏ね上げ温度 20度C、
一次発酵 22度C85%12〜16時間、
分割 400グラム、
ベンチタイム 1〜1時間30分、
成形 (1)生地をのばして、上面にバターを塗り広げ、金時豆をちらす(2)ロールして棒状にし、縦にカットして、2つ編みにする(3)縦長の発酵かごに上新粉をふり、[2]を収める。
ホイロ 32〜35度C85%2時間30分、
焼成 上火180度C下火190度C28分

 ▼かぼちゃペースト
【作り方】 かぼちゃを蒸して、皮を剥き、すりつぶす。皮は別の商品のトッピング用に使う。

クリームチーズとレーズンのクリームがポイント!

レーズンチーズサンド
 レーズンチーズサンド
 フランスパンの生地をコッペ形に成形して焼き上げ、背割りして▼レーズンチーズクリームをサンドする。レーズンチーズクリームのさわやかさが印象的。簡単にできて、よく売れる商品のひとつ。卸販売も含めて1日70個程度売れるという。
 ▼レーズンチーズクリーム
 【配合グラム】
クリームチーズ 2000
グラニュー糖 200
ラム酒漬けレーズン 450

 【作り方】
(1) クリームチーズとグラニュー糖をビーターですり合わせ、軽く泡立てる
(2) [1]にラム酒漬けレーズンを加えて混ぜ合わせる

原価計算女王
原価計算女王
おぐらと抹茶で和のハーモニーが響く

おぐらまっ茶パン
 おぐらまっ茶パン
 焼き上がってから小倉クリームを注入して、抹茶パウダーをふりかける。鮮やかなグリーンが売り場に華を添える。ひとつ150円。
 【配合%】
強力粉 80
薄力粉 20
砂糖 20
塩 1
ホシノビール酵母(生種) 10
バター 10
水 52

 【工程】
ミキシング L2分M5〜6分、
一次発酵 22度C85%12〜16時間、
大分割 1600グラム、
折り込みバター 250グラム、3つ折り3回、
最終生地厚 3ミリ、
成形 約2センチ×15センチの短冊形にカットして、ホーンかんに巻きつける。
ホイロ 28〜30度C70%2時間30分〜3時間、
焼成 上火230度C下火200度C8〜9分

 ※練り込み用のバター10%は、砂糖20%とすり合わせてやわらかくし、ミキシングの最初から投入する。
 ※焼成後、小倉クリームを注入し、▼抹茶パウダーをトッピングする。
 ▼抹茶パウダー
【作り方】 抹茶パウダーと粉糖を半々の割合で混ぜ合わせる。

「きめが細かくてソフトで味わい深い」と評判

バターロール
 バターロール
 きめ細かな内層が特徴のバターロール。ホシノビール酵母パン種を使用。
 【配合%】
強力粉 90
薄力粉 10
塩 1・5
砂糖 15
ホシノビール酵母(生種) 10
バター 10
水 52〜53

 【工程】
ミキシング L2分M5分(仕込み水温度=15度C)、
捏ね上げ温度 20度C、
一次発酵 22度C85%12〜16時間、
分割 50グラム、
ベンチタイム 1時間〜1時間30分、
成形 らっきょう形に成形して伸ばし、奥からロールする(通常のバターロールの成形)、
ホイロ 32〜35度C85%2時間30分、
焼成 上火230度C下火200度C7〜8分


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