「中古品」ではなく「再生品」 - ブランスリー電子版

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業界アンテナ/2008年3月号

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「中古品」ではなく「再生品」

エルファの井出辰彦社長(右)と江口春紀さん(左)
不況になると、どの業界でも中古品の市場が活況を呈すというが、製パン業界はどうか。今回は、製パン中古機械の販売業者にスポットを当て、エルファの井出辰彦社長に、同社の業務内容や、製パン中古機械市場の現況などについて聞いた。



商品はそれ自体が「営業マン」

ショールームには、仕上がった様々な製パン機械が並んでいる。
―――エルファさんは、仕上げた商品のことを「再生品」と呼んでおられますね。
井出 弊社は、古くなった製パン機械を完全に分解して、一つひとつの部品をチェックし、ベアリングは無条件で全て交換し、摩耗している部品は全て新しいものと交換し、再び組み立てる、という作業を行っています。
 ですから、「中古品」ではなく「再生品」と呼んでいます。
 たまに「軽く掃除する程度でいいから、安く売ってほしい」というお客様もいるのですが、そういった場合にはお断りしています。あくまでも、徹底的に整備、再生してから販売することに徹しています。
―――お値段の目安はありますか。
井出 おおよそですが、新品の30〜40%といったところです。半年間の保証も付けています。
―――徹底した整備・再生にこだわる理由は何ですか。
井出 弊社で再生された商品はそれ自体が「営業マン」です。弊社のお客様であるベーカリーのオーナーの方々は30代の方が多く、みなさん仲の良い仲間を10人くらいはもっています。
 店をオープンしたときにお祝いを兼ねて集まった仲間が弊社の商品を見て、よし自分も「エルファ」にするぞ、となって弊社を訪問して下さっています。口コミは大きな力ですね。そんなわけで手間をかけることは惜しみません。
―――中古機械の仕入れはどうされているのですか。
井出 いろいろですね。店を閉めたベーカリー様、とか、仲介業者とか。理想を言えば、開業15年とかいうベーカリーから業務拡張による設備の入れ替えで、不要になった機械を安く売却して頂くのが最も良いと思うのですが、なかなかそうもいきません。売上不振で閉めた店の設備などの場合にはなんだか可哀相で、安く買い取るということが難しくて困ります。
 仕入れでは機械本体よりも、それを再生するための部品の方がコストがかかります。特に電気関係部品などは、分解してチェックすると、傷んでいるものが多く、そうした部品は全て新らしいものと交換します。
 中古機械をばらして、再生しているといろいろなことがわかってきます。例えば同じメーカーの同じ型のオーブンでも、作られた年代によって出来が違いますね。例えばA社のこの形式のオーブンで、この時期に作られたものは、造りが頑丈で性能も良いので、高く引き取れるといったことがあります。逆に、同型式のオーブンでも、それより新しい年代に作られたものは、造りがきゃしゃになっていたりして、安い引き取り値しか付けられないということもあります。
―――ひとつの製品が仕上がるまでにどれくらいの時間がかかりますか。
井出 再生に必要な時間は、機械の状態に大きく左右されます。ベテランの職人が1
人で整備する場合で考えますと、3段オー
ブンで3〜4週間、60コートミキサーで10日間位ですね。
―――一時、PSE法の本格施行で、中古業者が打撃を受けるなどと、報道されましたが、その影響はいかがでしたか。
井出 PSE法は、外国製品の排除を目的に施行されたとも言われていましたが、本来は家庭用の電気製品についてその安全を期するために施行をすることになっていました。我々が扱う商品でも、スライサーを始め、ホイロ、ミキサー、モルダー、ドウコン、冷蔵庫などの製パン機械の多くが対象となっていました。私共は通産省産業局にPSE法に基づく製造工場としての届け出をして、完成テストを行い、「PSEマーク」も貼っています。
 昨年11月に法改正がなされ、旧電気用品取締法に基づく「甲種電気用品」のマークがある電気用品はPSEマークが不要になりました。
―――最近の製パン製菓用中古機械市場の景気はいかがですか。
井出 本当のところは景気が良くなっているのか、いないのか、何もわかっていないですね。ただこんな小さな業界でも競争は激しくなっていると思います。製パン機械全体の中でみれば、中古機械の販売実績は微々たるものだと思います。リサイクルという観点からみれば少しは世の中の役に立っているのかな、とも思いますが、この微々たる地位は、そう変わらないと思いますね。
―――エルファさんの強みは何ですか。
井出 最初にも申し上げましたが、弊社は仕入れた中古機械は、全て例外なく、徹底的に分解して整備し、再生品として仕上げています。会社本来のやり方としては、勝手に見込みで再生し、展示室に陳列し、それをお客様に見て頂いて購入して頂くとい
う形をとっています。現在、展示室はお客様にお見せできるものが少なくてお客様に申し訳なく思っています。
 中古品と再生品は違います。弊社の再生品は、全て購入して頂いてから10年は使える品物です。単なる中古品とは全く違うものです。そのことをお客様に理解して頂けたときは、とても嬉しい気持ちになります。
 私は、とにかく弊社の展示室に足を運んで頂き、実際に自分の目でご覧になって下さい、とお客様に伝えています。

 エルファ 1988年12月設立。電気オーブン、ガスオーブン、ドウコン、ホイロ、ミキサー、モルダー、パイローラーなど、あらゆる製パン機械を扱う。社長の井出辰彦氏は、ある製パン機械メーカーの技術責任者を長年務め、製パン機械に精通している。問い合わせの電話番号は、042‐985‐1860。







原価計算女王
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