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2023年11月18日から、発行から1年を経過した記事は、会員の方以外にも全文が公開される仕様になりました。
| 10人中3人が購入してくれればいい - ブレッド&サーカス |
 店内は、クラシカルなイメージで、趣のあるハースブレッドが所狭しと並んでいる。 住所:神奈川県足柄下郡湯河原町土肥4-2-16 電話:0466-62-6789 営業時間:午前11時〜午後6時 定休日:木曜日、日曜日
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| 自分の好みだけでは作っていない |
 ゆでたじゃがいもを練り込んだ「ポテトクラウン」  販売はセルフ方式。レジでは、顧客にパンの食べ方などをさりげなく提案している  様々なパンが並ぶ陳列棚。上段中央の大きなパンは「ポテトクラウン」  パンを包装する店長の寺本康子さん 神奈川県湯河原町のブレッド&サーカスは、もともとは喫茶店だった。店長の寺本康子さんが作って出していたパンの評判がよく、2年前に店を改装して、ベーカリーとしてオープンした。 JR湯河原駅を降りて約5分ほど歩くと、白い壁に真っ赤な窓枠が映える店構えが目に飛び込んでくる。鮮やかなブルーのテントと相まって、原色を使ったカラフルな抽象画のようなイメージ。 しかし、ドアを開けて中に入ると雰囲気は一変する。店内は、濃い茶色の重厚感溢れるアンティーク家具のような什器が並び、クラシカルなイメージだ。 陳列されたパンは、サイズが大きいハースブレッドが多く、焼き色はかなり濃い。 「うちは熱狂的なお客様が多いんですよ。北海道から買いに来ていただけるお客様もいるんです」と店長の寺本さんはいった。 「自分の好みだけでパンを作っているわけではありません。お客様の要望を100%満たして差し上げなければなりません。お客様に買っていただいて初めて意味があるわけですから」 同ベーカリーのパン、そして店の雰囲気には、強烈な個性がある。寺本さんは「10人中3人においしいといっていただければ十分なんです」ともいった。 寺本さんは、食を自ら楽しみ、自分の味覚を信じ、価値観を共有できる多くの固定客のことを常に考えながら、日々パン作りに励んでいる。
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| ていねいに心をこめて作られたパン |
 石臼挽ライ麦粉と全粒粉を使った「リアルカンパーニュ」。かすかな酸味があって、深い味わいがあり、同時にすっきりとしている。  熱湯でこねた種を一晩ねかせて使用した「パンドミ」  しゃりっとした食感と豊かな風味が印象的な「グラマラススコーン」  マカダミアナッツなどもトッピングしたマフィンの「クリームチーズとあんず」  「リアルカンパーニュ」の外観は素朴な感じだ  デイズムスターターという特殊な種を使用した「デイズム」  「デイズム」の内相は目が詰まっている  重厚な陳列棚に、様々なパンが並ぶ店内 売り場に並んでいるパンは、どれもていねいに心をこめて作られたことが伝わってくるものばかり。 「リアルカンパーニュ」(600円、ハーフカット300円)は、石臼挽ライ麦粉、石臼挽全粒粉、無漂白小麦粉、塩、酵母が材料。ライ麦粉、全粒粉の配合量は、ともに10%程度だ。かすかな酸味があって、深い味わいがあり、同時にすっきりとしている。 「ポテトクラウン」(1280円、ハーフカット640円、4分の1カット320円)は、ゆでたじゃがいもを練り込み、仕込み水にじゃがいものゆで汁を使用。ざっくりとした大きな気泡が特徴。野菜料理にも、スープやシチューにもよく合うという。 「パンドミ」(380円、ハーフカット190円)は、小麦粉、バター、塩、砂糖、脱脂粉乳、サワークリーム、酵母、イーストが材料。 熱湯でこねた種を一晩ねかせて使用。子供に人気があるという。 「クリームチーズとあんず」(240円)は、クリームチーズとあんずを使用したマフィンで、マカダミアナッツなどもトッピングしている。 「グラマラススコーン」(240円)は、石臼挽き全粒粉、オートミール、ドライフルーツ、ナッツ、オレンジ、塩、グラニュー糖、サワークリーム、牛乳、バターが材料。しゃりっとした食感と豊かな風味が印象的なスコーン。 「デイズム」(480円、ハーフカット240円)はデイズムスターターという特殊な種を使用。その他の材料は、石臼挽小麦粉、塩、デバームなど。 目が詰まったパンで、独特の酸味があるが、とても食べやすい。同ベーカリー一押しの自信作だという。 同ベーカリーは、寺本さんと、夫の五郎さんの2人でパンを作る。売り場約6坪、厨房約8坪の小さなベーカリーだ。
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奥底から「品格の光」
取材メモ 「自分の好みだけで作っているわけではない」と寺本さんはいった。一方で、「10人中3人がおいしいといって買っていただければ充分です」ともいった。よく焼き込まれた大きなハースブレッドたちは、その奥底から「品格の光」のようなものを発しているように思えた。時々厨房から顔を出す夫の五郎さんの独特の雰囲気もいい。ドアの向こうの厨房で、何かものすごいものを創造しているのではないか、と思わせるオーラがあった。「熱狂的なファンが多い」という寺本さんの言葉が重なった。
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