「ここでしか買えない」ということが大事 - オセアンブルー - ブランスリー電子版


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お店拝見/2007年12月号

2023年11月18日から、発行から1年を経過した記事は、会員の方以外にも全文が公開される仕様になりました。


「ここでしか買えない」ということが大事 - オセアンブルー

外観は、ブルーを基調としたデザインで、爽やかな印象だ
住所:神奈川県平塚市夕陽ヶ丘2-10
電話:0463-21-8669
営業時間:午前9時〜午後7時
定休日:水曜日



10年かけて一つの結果を出したい

右から恵美夫人、橋本高広さん、恵美夫人の姉の本名さん。


店内は、プライスカードやライトの傘などにブルーのアクセントをきかせている


コッペ形のダッチブレッドに粗挽きソーセージをはさんだ「窯出しソーセージドッグ」


売り場の一角にはキッズコーナーも
 神奈川県平塚市、JR東海道本線・平塚駅南口を出て、整備された広い通りを歩くこと約10分。鮮やかなブルーが印象的な店舗が右手に見えてくる。今年6月にオープンしたベーカリー、オセアンブルーだ。オーナーの橋本高広さんは、最近まで日本菓子専門学校で製パンの専任教師を務めていた。教師時代に、パンの国対抗の国際コンクール、ベーカリーワールドカップの日本代表選手に選ばれ、飾りパン部門で、腕をふるった経験もある。
 「自分の店を持ちたいとずっと思っていました。30代も半ばに差しかかり、10年かけて一つの結果を出すとしたら、ちょうどいい時期だと思ったんです」
 橋本さんは穏やかにこう語った。
 店を構える場所は、日本菓子専門学校でいっしょにパン作りを教えていた恵美夫人の実家がある平塚と最初から決めていた。まず、物件探しは、恵美夫人の同級生の家が不動産業を営んでいて、いい物件が出たらすぐに教えてくれるように頼んだ。最初に紹介された物件は、大掛かりな電気工事が必要なことが分かり、結局2件目の物件に決まった。大きな通りに面していて、車での来店客にも対応できる立地だった。
 製パン機械関係は概ね、中古で揃えた。フランスパンオーブンのボンガードが使いたくて、同オーブンを日本で輸入販売する業者に、中古品を何とか調達してもらった。ほかの機械もすべて同業者にコーディネートしてもらった。
 オープン時の品揃えはおよそ40品目。オープンからほぼ5カ月が経ったが、その間、顧客からの声をとり入れて、品揃えはかなり変化したという。
 「ハード系は思っていたよりは売れています。食パンはもう固定客が多くなっています。菓子パンと焼き込み調理パンは全体的に多くの人が求めているようなので、品揃えを徐々に増やしてきました。もうかなり、この地域の人が求めるものを反映した品揃えになってきたと思います」と橋本さん。
 客単価は約800円と高い。価格を気にせずに買っているように見える人も多いという。また、贈答用にパンを購入していく客も目に付くという。男性客が多いのも特徴だ。



パンの専門家としての提案

自家製酵母と石臼挽き小麦粉を使った「プティカンパーニュバゲット」(160円、左)、同じ生地にくるみを練り込んだ「プティノア」(160円、右手前)、かぼちゃの種、ひまわりの種、オートミールなどを練り込んだライ麦パンの「メアコーンブロート」(380円、ハーフ190円、中央奥)、オレンジピールやくるみなどが入った「パンオフリュイ」(320円、ハーフ160円、右奥)


子供を抱いた客にはスタッフが注文を聞いてパンをトレーにのせる。


右から「マヨネーズコーンフォカッチャ」(140円)、「きのこフォカッチャ」(180円)、「バジルフォカッチャ」(180円)


「パン ド ミ」(1斤240円」は、すでに多くの固定客がついているという。


スイート系のパンの中でも人気が高い「レーズンバンズ」(110円)


栗をたっぷりと使用した期間限定商品の「マロンまろん」(200円)
 店内は、中央の平台がなく、広々とした感じだ。
 「最初は、平台を置いていたのですが、ベビーカーで子供を連れていらっしゃるお客様が多く、そのまま入って楽に買い物が出来るようにと、中央のスペースを広くしたんです。子供を抱いたお客様には、スタッフがトレーを持って、希望のパンをとって差し上げることもあります。その意味でうちは、セルフと対面の中間ですね」(橋本さん)
 パンの専門家として、店の方からの提案も欠かせないと、橋本さんは考えている。
 「うちなりにこういうパンもやっていきたい、という思いもあるんです。お客様の選択肢にはまだないパンをこちらから提案していきたいということです。やはり、ハード系のパンですね。そのためには、食べ方の提案をしないといけないと思います。今はまだ出来ていないのですが、ゆくゆくは、パンと共に食べる食材も販売したいと思っています。それと、お客様がパンをいつ食べるのかについても気をつかっています。ハード系のパンだったら、お昼に買って、翌日食べるとしたら、本来の美味しさを味わっていただけないということになってしまいますから」(橋本さん)
 顧客からの要望で品揃えに加える商品についても、その中に橋本さんなりの主張をさりげなく盛り込むようにしている。例えば、調理パンの「窯出しソーセージドッグ」は、コッペパンではなく、コッペ形のダッチブレッドを使用して、ジューシーなソーセージの食感と、表面がカリッとしたダッチブレッドの食感を対比させる、といった具合だ。
 「やはり、『ここでしか買えない』ということが大事だと思いますから」と橋本さん。
現在の日商は、7〜8万円で、土日は10万円近くになることもあるという。常駐のスタッフは、橋本さんと恵美夫人の2人。この他、恵美夫人の姉の本名有紀さんらが、販売のパートとして忙しい時間帯に入る。恵美夫人は、製造と販売を臨機応変に兼務する。
 売り場面積はおよそ10坪で、厨房がおよそ18坪の広さだ。
 「幸いにして、店舗面積が37坪と広いので、将来的にはカフェなんかも出来たらいいなと思っています。8坪ほどのスペースが今は事務所になっていますが、このスペースで充分カフェが出来ると思うんです」(橋本さん)



店は、人なり

取材メモ オセアンブルーのパンは食べると、ていねいに作られていることが伝わってくる。どのパンをとっても、平均点以上だ。店舗は店名の「オセアンブルー」(オーシャンブルーのフランス語)が示すとおり、鮮やかなブルーを基調としたデザインで、とても親しみやすい雰囲気だ。パンの質の割りには、店の敷居は低く、気軽に入れる感じだ。「パンは人なり、店は人なり」というが、橋本さんと恵美夫人の人柄までもが伝わってくるようで、好感が持てた。



原価計算女王
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