「アメリカのCVSフードサービス業界」分析 - 高橋秀尚の海外情報 - ブランスリー電子版

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海外情報/2003年10月号

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「アメリカのCVSフードサービス業界」分析 - 高橋秀尚の海外情報

 躍進する米コンビニのフードサービス
 今や現代人にとってコンビニエンスストアの存在は不可欠であろう。先日もあるテレビ局のインタビューで十代の女性が「もしコンビニが無くなったら、あたし死んじゃう!」とまで言っているのには驚いた。またアメリカの情報誌を読んでいると「コンビニ」という和製英語がそのまま登場しているのにも驚かされた。日本におけるコンビニエンスストアは品揃え、顧客サービスなどアメリカ本国を凌ぐほどに充実しているのは確かである。
昨年度におけるアメリカCVS業界の売り上げ総額は2900億ドル(34兆8000億円)、店舗総数は13万2400に達する巨大市場に発展し、伸び率は2・7%であった。
 そこで注目されるのがいわゆる「フードサービス」と呼ばれる業態の躍進である。なぜならば従来のべーカリー業界の強力なライバルであるからだ。おそらく日本においてもCVS業界における願客情報の分析能力はベーカリー業界のそれより数段まさっていると言えよう。
 先日もある会合で筆者が参加者に「CVS店舗で一番売れているものは何ですか?」とお尋ねしたところ、いろいろな商品名をあげた答えをいただいた。そこで筆者は「CVSで一番の売れ筋はコンビニエンス(利便性)という商品です。つまりベーカリーを含めて他のお店が閉まっている夜間でもオープンしている利便性を今日の顧客は求めているのでしょう」とお話したのだが、「はあ、物事ってそのように考えるのですね」というのが参加者の感想であった。

 最新のコンビニ業界、フードサービス事情
 アメリカCVS業界は毎年独自の展示会を開いている。またNACS(全米コンビニエンス ストア協会)という組織があるが、先日行なわれた市場調査資料を含んだ最新のコンビニエンス業界フードサービス事情をお伝えしよう。
 (1)CVSのフードサービスの顧客像は?
どのような商売でも自分の店に来て商品を買ってくれるお客の実体を知る事が重要である。
 ◎10代の顧客でフードサービスを求める割合
男性 29%
女性 19%

 ◎20才以上の願客でフードサービスを求める割合
男性 16%
女性 14%

 つまり最もフードサービスを求めているのは十代の男性で、その割合はほぼ3人に1人という事が分かる。
 (2)CVS店舗で購入したフードサービス商品を、どこで食ペるか?
 ◎10代は?
車の中で 71%
自宅で 56%
学校、職場で 16%
買った店で 20%

 ◎20才以上
車の中で 66%
自宅で 35%
学校、職場で 12%

 (3)フードサービス商品の調達は?
店舗内で 89%
店鋪外で 11%

 (4)フードサービス商品を調達(作る)するのに必要な設備、什器顆は何か?
この設問は極めて興味が持たれる。つまり、その回答内容を知る事でフードサービスの内容を知る事が出来る(複数画答)。
コーヒーメーカー 97%
電子オープン 94%
ドリンク ディスペンサー 84%
エスプレッソ、カブチーノ メーカー 74%
ホットチョコレート メーカー 64%
フローズン ドリンク メーカー 60%
デリ スライサー 52%
画転式グリル 47%
ディープ フライヤー 46%
ナチョス サーバー 45%((注)ナチョスはメキシコのファーストフード)
ピザ関連設備 41%
グリル用設備 40%
べークオフ用設備 37%
ポップコーン用設備 32%
ソフト アイスクリーム用設傭 32%
ホット ドツグ用設備 24%
フルーツドリンク用設備 17%
グリドル(鉄網) 17%
プレッツェル ウォーマー 13%
ブロイラー 15%
ロティセリー 9%

 (5)フードサービス部門での利益率は?
人件費 28%
その他の費用 17%
荒利益率 55%
純利益率 39%

 (6)フードサービス部門が持つ各種の付帯サービスは?
店内飲食スペース 81%
電話による事前注文 62%
ファクスによる注文 43%
ケークリング(仕出し) 41%
店先での飲食設備 24%
ドライブ スルー(注)車に乗ったままで商品を注文し、別の窓口で受け取るシステム 22%
ホーム デリパリー(宅配) 18%
インターネットでの注文 5%

 (7)CVSに出店する全国ブランドのフードサービス チェーン
[1]Subway 35%
[2]Hot Stuff Pizza 24%
[3]Baskin Robbins 18%
[4]Krispy Kreme 18%
[5]Blimpie 15%
[6]TCBY 15%
[7]Smash Hit Subs 15%
[8]McDonalds 12%
[9]Taco Bell 12%
[10]Pizza Hut 9%
[11]Popeyes 9%
[12]Wendys 6%
[13]Arbyes 3%
[14]Dunkin Donuts 3%
[15]KFC 3%

 これらのチェーンによって提供される主要メニュー群はサブマリン サンドイッチ、ピザ、メキシカン、ハンバーガー、ホットドッグ、ドーナツなどアメリカ人が好む定番商品である。
 (8)フードサービス部門での主要メニュー導入率(複数回答)
 ◎朝食用
[1]サンドイッチ、ピザ、ブリトー 61%
[2]マフィン、ベーグルなど 56%
[3]アントレ 47%

 ◎昼・夕食用
[1]デリ・サンドイッチ、サラダなど 76%
[2]ケーキ、クッキー類 75%
[3]ホット サンドイッチ 74%
[4]ホット ドツグ 73%
[5]コールスロー、サラダ 68%
[6]スープ類 65%
[7]ブレッド、ロール 60%
[8]チキン 58%
[9]ホット サイドディシュ(フライなど) 58%
[10]ハンバーガー 57%
[11]コールド アントレ 50%
[12]ピザ 40%
[13]メキシカン 38%
[14]ホット アントレ 33%



大手フードサービスがコンビニに出店、ビジョンが明日の成功をもたらす

 コンビニにおけるフードサービスの存在意議
 以上の資料からコンビニエンスストアにおけるフードサービスの存在意議は何かを考えてみよう。
 (1)CVS業界における販売競争は激化するばかりであるが、他チェーンとの特質化をはかるべくフードサービス部門のアップスケール化を試みている。一方で販売員に課せられる店内作業の複雑化を避ける意味で、前述のような全国的に名前を知られたチェーンと提携して既存の商品供給システムを導入し、安定した商品供給を実現させている。
 (2)店内飲食サービスは日本では今なお見る事が出来ないアメリカ独特のものだが、これは日本のCVSがひたすら販売効率を追求する結果であり、考え方の相達によるものであろう。筆者が見る限りでは日米のCVS店舗面積はほぽ同じである。ちなみにアメリカのCVSにおけるフードサービス部門の占めるスペースは約65平米とされる。
 (3)既に24時間オープン体制を確立しているCVSであるが今後さらに激化するであろう同業他社との競合に打ち勝つには、やはり店内飲食サービスの導入が日本においても積極的に検討されよう。
 (4)一方で24時間稼動体制の飲食業種が増加する事で、既存のベーカリー業界はさらに不利になる事が危惧されよう。そのための明確な対抗手段は何かを早急に考えておく必要がある。
日毎に変化するライフパターンを把握し、的確な願客対応が出来なければ、明日のビジネスは存在しないであろうとアメリカの識者は警鐘をならしている。




アメリカのCSVチェーンとして有名なサークルケイ店レジ付近のスナップ。各商品群が整然と配置されている。


これがフードサービス部門の対応設備のひとつで、コールドドリンクのディスペンサー。

いわゆるレジ周り商品を注意深く観察することにより、最新の商品トレンドが読み取れる。


ベーカリー商品もシンプルな仕入れ商品は、やはり不可欠。






このようなホットサンドイッチは
高利益を生み出すためのアイデア。



原価計算女王
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