ベーカリーにとってネットは? - ブランスリー電子版

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特集/2003年10月号

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ベーカリーにとってネットは?

IT化の進展に伴って、ベーカリーでもホームページ運営するケースが増えてきた。パンの通販のツールとしてだけではなく、有効な販促手段として活用しているベーカリーが多い。顧客のストレートな声が聞けるのもホームページの魅力になっている。



顧客のストレートな声が聞ける。経費がかからない販促手段 - ウチキパン

ウチキパンのホームページ


商品を紹介するページ


「お客様の声」のページ
 ひとりひとりに丁寧な対応
 115年の歴史を持つ神奈川県横浜市元町の老舗、ウチキパンがホームページを立ち上げたのは約2年前のこと。ネット通販や「ウチキパンくらぶ」などの企画を打ち出し、地道に運営している。
 ホームページ運営を担当するウチキパン社長夫人の打木和子さんは「経費をかけないで、お店のPRができるのがホームページのいい点だと思います」という。
 ホームページでは顧客と和子さんの間でさまざまなやり取りが行われる。中心的な企画の一つはやはり、ネット通販だ。ネット通販に適していると判断した商品約50品目がネットでの販売対象。大きなイベントに出すパンがほしいと、一度の注文で、100万円以上のパンを注文した人もいたという。
 しかし、打木さんは「普段のネット通販の売り上げはそれほどでもない」と控えめだ。
 パンのネット通販でよく問題にされるのが価格に対して、送料が割高に感じられることだが、ウチキパンでは、全国一律で540円とし、送料の一部を負担している。
 打木さんは「今ぐらいの注文量なら、わたしがほかの仕事をこなしながらできますが、売り上げがさらに増えた場合、人件費の問題が出てくると思います」と話す。
 一般的な「買い物かご」の仕組みを導入している。打木さんは「買い物かごの仕組みがないと不便だと思って、月数千円でレンタルできるサービスを利用しています」という。商品一覧などから、パンの写真と説明が掲載されているページを表示させて、買いたい商品を選び、必要事項を入力して注文内容を送信する仕組みだ。
 注文を受けると注文内容の確認メールが自動的に注文主に送られるが、打木さんは、それとは別にすべての注文主に、お礼のメールを送っているそうだ。「ひとりひとり、文面も変えて出しています。手間はかかりますが、注文していただいた方にしたら、その方がうれしいと思いますから」
 ネットを介してパンを購入した顧客には500円ごとに1ポイントをつけて、30ポイントで、ウチキパン特製のマグカップをプレゼントしている。打木さんは「メルマガをやりたいと思っていますが、なかなかそこまで手がまわらないのが現状です」と話す。

 ホームページは有効な広告塔
 「ウチキパンくらぶ」は、「ウチキパンが好きな人」の集まりで、ホームページから簡単に入会できるようになっている。申し込むと、会員証が送られてきて、ウチキパンまで出向いてパンを買う際に5%の割引が受けられる。
 打木さんは「ネットでのパンの購入者は、例えば埼玉とか千葉とか、比較的近県に住んでいる人が多いようです」というが、そのことは、ウチキパンくらぶ入会者のコメント読むとよくわかる。
 実は、入会の申し込みをしてもらう際に、同ベーカリーについての感想を書き込んでもらい、掲載許可をもらった感想文について、ホームページで公開しているのだ。
 「(9月)14日に初めて、ウチキパンさんへ行くことができました。噂通りとっても、おいしくて、沢山買って帰ったのですが、もうありません。こちらからではなかなか行けませんが、次は通販でお願いしようと思っています。みーんな美味しかったのですが、プリンブレット!!最高!です」とは埼玉県北足立郡在住の人から感想だ。頻繁には行けない場所に住んでいる人が、ホームページからパンの注文ができることを知って、ネット通販の固定客になるケースが多いのだ。
 ネット通販は、実店舗だけの場合来店頻度が少なかった人のパン購入頻度を上げる効果があるといえる。
 ホームページの効果は、ネット通販だけではない。実店舗での営業をさまざまな側面からバックアップする効果も大きい。
 ウチキパンのホームページでは、平日のパンの焼き上がり時間を掲載し、アピールしている。また、地元商店街の行事などさまざまなイベントの告知板としての機能も果たしている。
 「歴史」のページでは、115年の歴史を誇るウチキパンの変遷を詳しく説明。打木さんは「ウチは宣伝が下手なんですよ。近くに住んでいても、意外と私どものことを知らない人もいますし、地道に宣伝をしていくことはとても大切なことだと思います。その意味でホームページは有効な販促手段です。お客さまのストレートな声が聞ける利点もあります」。
 なるべく早い時期に、同ベーカリーの全商品の写真と説明文を掲載したいと、打木さんは考えている。「店でお客様全員に細かく商品説明するのは、むずかしいですら」。



商品について広く知ってもらえるじわじわと効果が上がってくる - ベーカリーの声

 ホームページを持つベーカリーおよそ100件にメールでアンケートを依頼したところ、12軒から回答があった(有効回答数11)。以下に質問内容と回答を掲載する。

 Q1ホームページはどのように役立っていますか?
 ■本当にパンの好きなお客がネットで調べてパンを買いに来ること。24時間365日お店の宣伝ができること。自分の店の良いところをアピールできること。お客様から苦情、要望などがメールでくること。札幌市のベーカリー
 ■お客様、取引先様へ商品の紹介ができる。情報提供ができる。お客様からの問い合わせ窓口としての機能、企業イメージアップなど。名古屋市のベーカリー
 ■当店のオリジナル商品を広く知ってもらえる。商品の注文や問い合わせを受けることができる。愛知県のベーカリー
 ■新規メニューの告知。福岡市のベーカリー
 ■お店の知名度を上げるのには非常に効果があります。テレビや雑誌などの場合一時的にはお客様が急増しますが、ホームページはじわじわと効果が上がっていくようです。自分の店のよいところをアピールできること。お客様から苦情、要望などがメールでくること。東京都のベーカリー
 ■移動販売なので、出店場所の変更やイベント出店時の告知、新メニューや期間商品の販売告知などに有効です。埼玉県のベーカリー
 ■自分のパンの特徴、心しているところをお客様に訴えることができる。千葉県のベーカリー
 ■ネットのなかった時代の商店のお客様のエリアは半径500mぐらいと言われておりました。その意味合いでは日本国中がエリアと言える時代になりました。店の存在をアピールできるし、個別の商品の告知もできます。東京都のベーカリー
 ■今のところ まだ自己満足の世界です。パンの好きなお客様とのふれあいの場、いろんな意見が聞ける場といったところです。富山県のベーカリー
 ■自店のPRできて、通信販売の売上もとれます。お客様の声が聞きやすい(メールがよく来ます)。鳥取県のベーカリー
 ■新規顧客(法人)獲得に貢献しています。包材に書ききれない商品情報を消費者に提供できます。それに付随して信頼感UPします。岩手県のベーカリー

 Q2ホームページを運営していく上で大変なことは何ですか?
 ■毎月の新商品を考え店に出すこと。それを克服するためにいろんな本を読んだり、市内のパン屋さんをまわったりします。1年に何回か本州にも行きます。札幌市のベーカリー
 ■ホームページ掲載情報が多岐にわたっていることから、社内各部門の協力が必要です。各部門の担当者とのコミュニケーションを強化し、連携を密にとっている。名古屋市のベーカリー
 ■頻繁に更新していくこと。最新の情報をページにのせていけるように努力しています。愛知県のベーカリー
 ■新規メニューの写真撮りなど。福岡市のベーカリー
 ■更新作業が割と大変なことと、もう少し内容を充実させたい気持ちはあるのですが、なかなかそこまで手がまわりません。私がコンピュータを学ぶ暇がないためにホームページ運営やメールの管理を息子が代行しているので、質問などに迅速に対応しにくい点もあります。内容に関しては、ホームページを見て下さる客層が幅広いため、誰にもわかるようにと考えると言葉づかいや説明がやたらと長くなって逆に読む気が起こらなくなる恐れがあり、簡単にしすぎても誤解を生むことになってしまい、バランスの取り方が難しい。東京都のベーカリー
 ■こまめに更新する事が大変です。無理はせずに、時間の取れる時に更新するようにしていmす。埼玉県のベーカリー
 ■こまめに更新をしてお客様との距離をおかない工夫をしています。千葉県のベーカリー
 ■アクセスのUPが基本。やはり、HPを見てもらえなてはどうしようもありませんから。アクセスUPのために更新や情報の提供をしなくてはなりません。東京都のベーカリー
 ■業者に委託していますので特別には・・。富山県のベーカリー
 ■生産性の悪さ!鳥取県のベーカリー
 ■更新が大変だが、この問題はなかなか解決されない。岩手県のベーカリー

 Q3ホームページの運営費として、月々いくら使われていますか? また、初期投資はどれくらいでしたか?
 ■月に更新料として 1万5000円。ホームページ立ち上げに 35万円。札幌市のベーカリー
 ■月額50万円程度。初期投資額500万円程度。名古屋市のベーカリー
 ■月々約3000円。初期投資約30万円。愛知県のベーカリー
 ■プロバイダーの利用料は月々3000円程度ですが、もともとインターネット用に個人で利用しているものです。ホームページ設置に追加料金はかかりませんでした。パソコンはもとからありましたし自作ページですので、初期投資はほとんどありませんでした。必要な知識やスクリプトなどもネットで無料で手に入るものを利用しています。検索エンジンに登録するのも基本的に無料なのですが、YAHOO登録に関しては5万円支払ってビジネスエクスプレスを利用しました。東京都のベーカリー
 ■月々3000円から5000円。初期投資は特になし。埼玉県のベーカリー
 ■プロバイダーの費用と通信費のみです(2000円以内)。初期投資はソフト代1万円とヤフーの登録料5万円。千葉県のベーカリー
 ■運営費=ADSL接続費用として3750円。初期投資=PC・デジカメ・プリンターの購入費用として21万円。東京都のベーカリー
 ■毎月2万円。初期投資40万円。富山県のベーカリー
 ■月々5万円強、初期投資は20万円くらい。鳥取県のベーカリー
 ■自社での作成のため、初期費用は5万円以内。月々は5000円程度。岩手県のベーカリー

 Q4ネット通販だけの月商は?
 ■2〜3万円。愛知県のベーカリー
 ■1万円。福岡市のベーカリー
 ■最近の1年間のメールでの注文を集計すると月平均10万円はありますが、ネットを見てなのか他の媒体なのかは判断できません。東京都のベーカリー
 ■5〜10万円くらい。千葉県のベーカリー
 ■20万円ぐらい。東京都のベーカリー
 ■50万〜100万円。鳥取県のベーカリー

 Q5ネット通販のメリットは何ですか?
 ■お客様のご都合のよい時に(例えば夜中でも)注文を受けることができること。愛知県のベーカリー
 ■ほとんどなし。福岡市のベーカリー
 ■遠方のお客様でも非常に喜んでいただいている方がたくさんいらっしゃいます。これはネットなくしては実現できなかったことです。東京都のベーカリー
 ■全国のお客様と直接取引できること。ご試食後の感想を聞かせてもらえること。千葉県のベーカリー
 ■全国のお客様とつながりが出来る。東京都のベーカリー
 ■メールマガジン発行により、地元のお客様へのPRにもなる。鳥取県のベーカリー

 Q6ネット通販の難しさは何ですか?
 ■商品が届いてからの後払いをしているので、支払いをきちんとしていただけるか、心配な面はあります。パソコンがトラブルを起こしてしまうと、ネット通販が機能しなくなってしまうので、パソコンの状態をよく保つのに苦労しています。(ウイルスやその他のトラブルを避けるなど)。愛知県のベーカリー
 ■ネット通販の場合1000円程度の注文が割と多く、送料が割高に感じられてしまうと思います。また当店の場合代金は郵便振替による後払いにしていますが、ごく少数ですが何度も催促しないと支払われないケースが発生しています。取引量が増加すればこういった手間やロスは大きくなってくると思います。東京都のベーカリー
 ■どんどん新しいお店が出現するので、お客様の定着率が低いこと。千葉県のベーカリー
 ■数ヶ月先までの予約があり、パンの価格も高くて月商は数百万円のサイトもあると伺います。そこへは到達できそうにもない。自分の能力のなさかな? アクセス数の多い同業者のHPはメールマガジンなどを発行しています。これがアクセス数の多い原因なのかはわかりませんが、自分としてはそれも一因なのかなと思っております。東京都のベーカリー
 ■ホームページを出せば売れる! 毎日ページを更新すれば売れる! このような事は絶対にありません! 鳥取県のベーカリー

(Q4〜6はネット通販を行っていると答えた6軒だけが回答)



原価計算女王
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