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| (続)パン屋さん手帖(6)/2003年10月号 |
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| 第1章 販売について - 文・橋本泰之 | |
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今回はフェアーについて考えていきたいと思います。フェアーは、戦略的に行えば、いろいろな意味でベーカリーを繁盛へと導いてくれます。商品の普及に役立つし、売り上げも上がるし、商品開発のノウハウも提供してくれます。
橋本泰之 1956年横浜生まれ。新宿の専門学校を卒業後、銀座レストランみかわやに就職。その後センチュリーフーズ、モンタボーなどを経て、1996〜2001年、東京製菓学校教師。2001年10月、有限会社レーヴを設立、現在に至る。 |

| フェアーは計画的に行うべし、戦略のない値引きはタブー
フェアーと値引きの違いについて
今回はフェアーについて書いていきたいと思います。 まず、「フェアー」と「値引き」の違いをまとめたいと思います。 フェアーは顧客の満足度(CS)を高めるのが目的です。お店に来たお客様に楽しんで商品を選んでもらう事が大切です。フェアーによってお店を活性化して、マンネリ化を防ぎ、店舗に新鮮な風を入れる事が大切です。 一方、値引きは(1)お客様に還元する時(2)どうしても売上げが多く欲しい時期(3)商品のできがあまり良くない時(4)売れ残りそうな時、に行われる傾向があります。 しかし、この中で(3)と(4)はやってはいけない事です。「今日のパンは少し色が黒いから30円安く売ってよ」とか、「残りそうだから100円均一にしようか」とか、いろいろ事情はあると思います。 中には売れ残ったパンを次の日、袋詰めにして安く売るケースもあります。昔はよく見受けられました。 こうした売り方は、場当たり的で、計画性がなく、お客様全員に平等に還元できません。喜ぶお客様もいれば、いやな気持ちになるお客様もいると思います。 これに対して、(1)と(2)は「時期を決めてお客様に還元する事で売上げを伸ばす」ということを意味します。計画的に売り出しをしてお客様に還元するわけです。頻繁に行うのではなく、年間計画を立てて、実施するのなら、問題ないと思います。 フェアーと値引きの話に戻りますが、フェアーは新しい商品を提供するのが目的で、それによってお客様に喜んでいただき、お店の商品も活性化してマンネリ化を防止します。 値引きについては、時期を決めて計画的に実施しましょう。例えば、「開店何周年記念」とか「こどもの日記念」といった具合です。苦し紛れに場当たり的に行ってはいけません。安易に値引きをすると必ずその結果が店に帰ってきます。特にこれからは、顧客満足の観点からも、(3)と(4)の理由で値引き販売を行うことは避けるべきでしょう。いい商品を作り単品管理をしてロスを減らすようにすれば、場当たり的な値引きはなくなると思います。 |

| フェアーは、活性化へのあらゆる可能性を秘めている
年間スケジュールを決めて行う
フェアーについてさらに具体的に考えていきたいと思います。九つのポイントに分けて説明したいと思います。 (1)フェアーは年間スケジュールを決めて計画的に行います。まず年間で何回フェアーを行うかを決めます。 某大手製パンメーカーは、毎年春にパン祭りを実施しています。春は一番パンが売れる時期なので、値引きではなくお皿をプレゼントしたりして長期的展望で考えて行っているわけです。 近頃では、例えば医学的に花粉症にヨーグルトがいいというデータが出ると、花粉症の時期に「ヨーグルトフェアー」を行うなど、食品の機能性に着目した企画が増えてきました。「抹茶フェアー」なども同じです。 こうしたやり方は、ホールセールのパン屋さんやチェーン展開している焼きたてベーカリーでは一般的ですが、個人のパン屋さんではあまり見かけないのが現状のようです。 いずれにしても、フェアーは年間スケジュールを決めて計画的に行いましょう。 時期を決めて集中的に販売 (2)フェアーの商品は、センターテーブルの目立つ場所に目立つプライスカードを付けてたくさん並べましょう。フェアーの大きな目的のひとつは、商品を多く販売してお客様に食べていただくことですから、販売員も商品のアピールをしましょう。 (3)フェアー商品をみんなで協力して集中して販売しましょう。そうすることで、お店の活性化も進みます。フェアーは、スタッフ全員が商品について深い知識を得る絶好のチャンスです。フェアーが終わっても、お客様に説明しやすくなります。 フェアーで活性化を図る (4)フェアーのもうひとつの大きな目的は、客単価を上げることです。お客様に試食を提供し、商品説明をして一個でも多く販売しましょう。それにより売上げの活性化も進みます。お客様にとってフェアーの商品は試食しやすいですし、フェアーで試食してもらえば、普段のレジでの試食販売もしやすくなりますよ。 (5)フェアーに合わせてお店の衣替えもしましょう。例えばクリスマスの時はクリスマスツリーを飾ったり、ショーウインドウに飾りパンなどを置いたりして、雰囲気を出しましょう。フェアーを年間計画をもとに行えば、フェアーごとにお店の衣替えができることにもなります。 (6)フェアー商品の焼き上がり時間を決める事により、焼きたてで販売しやすくなります。 必ず日に3回以上焼きたてを出しましょう。せっかく活性化を目的にしてフェアーを行うのですから、焼き回数には気を付けます。 フェアー商品は絶対に切らさない (7)フェアーの時の鉄則があります。それはフェアー商品は絶対に切らさないことです。これが結構大切ですよ。 フェアー商品でも売れるものと売れないものがあると思いますが、少なくなった商品はすぐに補充しましょう。品切れはお客様に失礼です。あまり売れない商品もフェアー期間中は続けます。製造を中止するにしても、フェアーが終わってからです。 (8)先ほども話しましたが、多く残ったからといって値引きをしてはいけません。もし残ったら試食として提供しましょう。レジでの精算後にお客様に味を知ってもらうために、にプレゼントしてもいいと思います。値引きだけはしてはいけません。 なぜ売れないかがよく理解できる (9)フェアーが終わったら、商品の販売記録を調べて、よく売れた商品3〜4品は、その後も販売しましょう。これはとても大切なことです。これによって商品の活性化が進みます。 フェアーをうつことで、売れる商品と売れない商品の双方の特徴がわかってきます。フェアー商品は、たとえ売れなくても期間中は続ける意味がここにあります。売れない商品は再度手を加えて売れる商品に作り変えましょう。これが商品開発の基本だと思います。売れない商品の欠点を理解して、売れる商品の良いところを加えていくのです。フェアーをする事により商品を考える時間もできます。フェアーに全員が関われば、全員のスキルが上がります。皆さんも年間スケジュールを決めてフェアーを実施し、お店の活性化を図ってください。 |


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