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| ものづくりには、工程ごとにポイントがある - ベルアルプ |
 東京・巣鴨の地蔵通り商店街にあるベルアルプ。 住所:東京都豊島区巣鴨4-14-17 電話:03-3915-3324 営業時間:午前7時〜午後7時30分 定休日:日曜日
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| 看板商品にあぐらをかいてはならない |
 店の前には、看板商品の「赤ちゃんのおしり」ののぼりが立ててあった。  不動の看板商品の「赤ちゃんのおしり」。ソフトフランスの生地を使用し、中にはカスタードクリームが入っている。  じゃがいものハーフカットが3つのった「明太ジャガ」。明太ペーストとじゃがいものシャキシャキ感の相性が抜群。  デニッシュ生地のタルト台に、生クリームとマンゴークリームを絞った「マンゴークリームタルト」 東京・巣鴨の地蔵通り商店街に、30年近く店を構える小さなベーカリーがある。店名は「ベルアルプ」。もともとは、革製品の職人だった地引弘道さんが、ていねいに心をこめてパンを作り続けてきた。 「ものづくりには、その製造工程の中に、押さえるべきポイントがあるんですよ。それが見えてくれば、常に100点満点とはいかなくても、常に80点以上の製品は作れるんです」 地引さんは、穏やかな表情でこう話した。「具体的にですか。そうですね。例えばミキシングでのポイントは、生地の捏ね上げのタイミングです。生地が『今だよ』というサインを一瞬だけ出してくれるんですよ。その瞬間を見逃さずに、ミキサーを低速に切り替えて、あとは最後の仕上げに1分程度まわしてミキサーを止めるんです。『今だよ』というサインは、生地の香りの変化です。これは生地の種類によってすべて違うのですが、長い間やっていると、生地ごとの『今だよ』の香りがわかってくるんですよ。それが、ミキシングでの押さえるべきポイントなんです」 同ベーカリーには、不動の看板商品がある。1日平均200個は売れる「赤ちゃんのおしり」という商品だ。ソフトフランスの生地を丸めて、割り箸で中央にくぼみを付け、上新粉を振ってホイロをとり、焼成する。焼成後にカスタードクリームを充填して仕上げる。価格はひとつ125円。 発売したのはもう20年近く前で、超ロングセラーとなっている。マスコミにも何回もとり上げられ、遠方からわざわざ買いに来る人も多いという。 しかし、地引さんは「常にいっていることは『赤ちゃんのおしり』にあぐらをかいてはならないということです。看板商品があるということは、とてもありがたいことです。しかし、うちみたいな小さな店の場合は、看板商品を作るだけで精一杯になってしまい、その他の商品がおろそかになってしまわないように注意しなければならないんです」と自らを戒める。
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| アイデア溢れるパンが並ぶ店内 |
 レモン味のあんを包んだ、爽やかな味の「レモンあんぱん」  色素を使わない昔ながらの製法で作った「昔のメロンパン」  オーナーの地引弘道さん  素揚げしたなす、キーマカレーフィリングなどをサンドした「なすキーマカレー」  ブール形のパンをくり抜いて、ベーコン、ポテトサラダなどを入れた「サラダボール」 「赤ちゃんのおしり」以外にも、3坪ほどの小さな売り場には、様々なアイデア商品が並んでいる。 「明太ジャガ」(150円)は、じゃがいものハーフカットが3つのったユニークな商品だ。楕円形にのばしたハードロール系の生地に明太ペーストを絞り、半分にカットしたじゃがいもを3つトッピングして、マヨネーズを絞って焼成する。じゃがいものシャキシャキ感と明太ペーストがよく合う。 「マンゴークリームタルト」(140円)は、デニッシュ生地を焼いたタルト台に、生クリームをトッピングし、さらにマンゴークリームをたっぷりと絞った商品。マンゴークリームの上にはマンゴーの果肉をトッピング。夏向けの商品で、「冷やして食べるとさらにおいしくなります」とPRしている。同じタルト台に、クリームチーズをのせた「フロマージュケーキタルト」(140円)も人気。 「レモンあんぱん」(130円、レシピを13ページに掲載)は、レモン味のあんを包んだ菓子パンで、レモンスライスも入っていて、爽やかな味の商品だ。 「昔のメロンパン」(125円)は、オーソドックスな昔ながらの製法で作るメロンパンで、素朴な味が好評だという。ホイロ後に、皮生地の上にグラニュー糖をふって焼成する。 「なすキーマカレー」(240円)は、素揚げしたなす、キーマカレーフィリング、玉ねぎ、レタスなどをサンドしたサンドイッチだ。サンドイッチ類は、このほかにも、「アスパラサンド」(230円)や「サンド弁当」(395円)などユニークな商品が多い。しづ夫人が主婦の視点から、ていねいに作って販売している。 「サラダボール」(230円)は、ブール形の食事パンをくり抜いて、焼いたベーコンとポテトサラダを入れ、オニオン、ミックスチーズ、マヨネーズなどをトッピングして再び焼成する。具材を詰める前のパンを焼くときは、完全に焼き上がる一歩手前で窯から出しておく。 ベルアルプが、すっかり巣鴨の名物ベーカリーになった理由には、パンの品質の他に、心のこもった接客がある。 「ベテランの女性スタッフが家庭を持つ女性の目線で、親しみある接客をしてくれます」と地引さんは目を細める。
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子供に声をかける
取材メモ ベルアルプは、東京・巣鴨の地蔵通り商店街に深く根をはって、地道に営業してきた。オーナーの地引弘道さんは、暇さえあれば、「こんなパン、あんなパンも面白いのではないか」と考え、試作を繰り返している。パン生地と話ができる正真正銘のパン職人だ。そして、地引さんの妻、しづさんと、20年以上のキャリアを持つ女性スタッフが、多くの馴染み客と、地引さんのパンとの間をとりもって、いい形で店がまわっている。「子供の名前を覚えて、声をかけてさしあげると、お母さんは本当に嬉しそうな顔をするんですよ」と地引さんは、壁を指差した。そこには、子供の名前を書いたメモが、びっしりと貼られていた。小規模ベーカリーのひとつの理想形を見た気がした。
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| ベルアルプのレモンあんぱん |
加糖中種法でつくる製品。レモンスライスをはちみつに漬 けたものとレモン味のあんを包む。成形後、セルクルに入れてホイロをとるため、形もユニークだ。 【中種配合%】 強力粉‥‥‥‥‥‥‥‥70 上白糖‥‥‥‥‥‥‥‥3 全卵‥‥‥‥‥‥‥‥‥20 生イースト‥‥‥‥‥‥2 水‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥18 【工程】 ミキシング‥L3分MH1分 捏ね上げ温度‥‥‥25度C フロアタイム‥‥‥‥‥‥25 度C2時間〜2時間15分 【本捏配合%】 薄力粉‥‥‥‥‥‥‥10 内麦粉‥‥‥‥‥‥‥20 上白糖‥‥‥‥‥‥‥20 塩‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥1 生イースト‥‥‥‥‥‥3 イーストフード‥‥‥0・1 マーガリン‥‥‥‥‥‥10 酒種調味液‥‥‥‥‥20 【工程】 ミキシング‥L8〜13分MH3分(マーガリン投入)L3〜4分MH1分(生地はやや硬め) 捏ね上げ温度‥26〜27度C フロアタイム‥‥‥30〜40分 分割‥‥‥40グラム(分割後生地玉の状態で冷蔵保存して、翌日解凍して成形へ) 成形‥‥‥‥‥生地をのばして、▼レモンスライスのはちみつ漬けをのせて、さらにレモンあん40グラムをのせて包み、 セルクルに入れる ホイロ‥‥‥38度C70%1時間(ホイロ後塗り卵を施す) 焼成‥‥‥‥‥‥ ‥‥‥‥‥上火200度C下火180度C8分 ▼レモンスライスのはちみつ漬け 【作り方】 レモンのスライスを2〜3日、はちみつに漬け込む
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