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| いろいろ、エッセイ/2007年6月号 |
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| 価値に見合った価格 - 武市 多美夫(パンを売り続けてきた男)
いろいろ、エッセイ(6)
テレビで放送していたが10円まんじゅうが今流行っている。一口サイズで蒸し立て一つが10円。何社かが競合しており、各々の特徴を出すために各社は新製品開発にも力を入れている。 昨年大阪にある105円均一で急成長しているパン屋に行った。約140種類ほどのパン全てが105円で販売している。工房からは焼き立て出来立てのパンが次々に出てくる。 販売方法もユニークである。店のレイアウトも買い易く、なかなかお洒落な店である。併設のカフェで焼き立てパンとコーヒーを注文したが美味しかった。お客様の来店も次から次へ引っ切り無しである。ただ安いだけでは息の長い商売は出来ないが、特にロースカツサンドは105円とは思えない味とボリュームで十分満足できた。 全てが105円で、通常考え難い価格設定であるが様々な工夫と企業努力がなければ成功しない。 100円ショップが出現して話題を呼んだが、最近は1000円ショップがオープンしている。ワンコインに拘って安さをアピールしている。安かろう悪かろうではなく、安くて良質な製品で勝負している。その裏では流通コストの低減や大量仕入れによって低価格にし易いメカニズムがあるようだが並々ならぬ努力もあるようだ。 価格設定には色々な遣り方がある。マーケティングの資料によれば、コストに必要な利益を上乗せして設定する方法や、競合する商品の値段をもとに決める方法や、市場が受け入れ易い価格を調べて決定する方法や、エイヤーで決める方法などがある。 ある老舗の和菓子屋では新製品の価格を決める時は、10人の社員にいくらなら買うかを聞いて価格設定の参考にしている。決定したものが300円とすると、同じ物を食べても価格面の感じ方は200円と400円に別れるという。ここに価格設定の難しさがある。 最近友人が結婚をするのでマンションを探している。通勤や買い物に便利な駅の近くに住みたい希望があり不動産屋から物件を紹介して貰ったが、価格設定がどうなっているのか混乱しているとのことである。道路の左右の違いだけで価格が違うというのだ。日当たり具合で100万円から200万円の差が簡単につくと説明を受けたらしい。業界ではごく当然のことらしいが、価格設定の一例である。 価格は価値の数値化である、という定義があるようだ。欲しい人が価値に見合った価格で買ってもらう商売が一番望ましい。売り切るために夕方になると値引き販売する店があるが安易な値引きはすべきではない。価値を下げてしまうからだ。 お客様から「焼き立てで美味かった」と言われるのが嬉しい。価値を理解して頂けたと思うからだ。 お客様が価値に見合った価格で買われて喜ばれる。そんな商売をこれからも末永く続けて行きたいと願っている。 |




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