輸入業務用あん 事情 - ブランスリー電子版


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業界アンテナ/2007年1月号

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輸入業務用あん 事情

日本人に馴染み深い製パン製菓材料のひとつに小豆あんがある。パンや和菓子に多く使用されるが、洋菓子にも使用されるようになった。日本でのあんの年間消費量は、35万�鼎砲盖擇屬箸いΑM�入あんもその中の9万�鼎鮴蠅瓩襦C羚颪任△鵑鮑遒蝓�日本に輸入して販売するという、製造から販売までの一貫した品質管理に取り組む、東京国際貿易の正山四郎社長に話を聞いた。



「物づくり」の前に「人づくり」

取材に応じてくれた東京国際貿易の正山四郎社長


2006年に竣工した新工場
 ――あん作りで、最も大切にしていることは何ですか?
正山 食品は安全であることが最も大切です。私どもは、原材料である豆の栽培の部分から、徹底した品質管理を行っています。近年、トレーサビリティーとかポジティブリストの厳正化など色々話題になっておりますが、弊社は20年前に製あん事業に着手した時から、すでに原料管理の重要さを理解し、実践してきました。しかしながら口で言うのは簡単ですが、実践するのは容易なことではありません。
 ――具体的にはどんなことをされているのですか?
正山 農産物である以上、土壌が安全でなければなりません。重金属や、有害な化学物質が含まれていないかを、専門の調査機関にチェックさせます。また、農薬は、どうしても必要なとき以外は極力使わないようにします。当然日本の基準に適合するものに限定していることは言うまでもありません。
 ――中国で、原材料を栽培し、調達しているとのことですが、具体的にはどのような方法で行っているのですか?
正山 中国政府の機関である「農業部」が管理する農場と契約して、こちらが望む品種をこちらが望む栽培方法で作ってもらいます。毎年、農場に私が出向いて、農場の長だけではなく、実際にそこで働いている農民たちに直接お願いします。まずは握手から始まり、日本から持っていった例えば「人形焼」をみんなに振舞って「中国で作った豆を原材料にして、私たちが作ったあんこで、こんなにおいしい商品ができるんですよ」と話しかけます。「一生懸命作ってもらえれば、安心して食べられるあんこができるし、あなたたちの生活もよくなりますよ」と誠心誠意伝えるんです。
 豆など栽培していただく農産物は、種まきから収穫、出荷までの過程をきちんと記録に残すために、表を渡して、そのつど書き込んでもらうようにします。なんといっても、農民の方々との信頼関係を築き上げることが大切なんです。
 ――中国で日本の消費者が求める基準で農作物を作るのは大変なことなのではないでしょうか。
正山 ひとつには、ある程度の規模以上の大規模な農場と契約することがポイントだと思います。規模が大きければ、機械も揃っているし、それこそ、土壌の管理や肥料の管理などもやりやすいのです。必要な農機具も、農場が購入して、農民に貸し出すこともできます。中国では、農業政策を担当する中央の機関の下に、各省、各県に局があって、実際にはその局が、その地方の農業政策を担当しています。そうした仕組みを理解して、順序だててことを進めていくことが大事なんです。局の人たちとフランクに話せる環境作りもとても大切になってきます。
 ――中国に進出した日本の企業の人たちから、中国の人たちは、日本人のように一生懸命に働いてくれないという声を聞きます。
正山 日本人はとても礼儀正しく、細かなところに気がつき、とても質の高い仕事をします。私はそんな日本人の気質を、中国の人たちにも見習ってほしいといつも考えています。私どもはこのほど、中国・北京市に新工場を竣工しました。創業当初から数えて4つ目の工場となります。玄関を入ってすぐ左手に、大きな従業員食堂があるのですが、そこは従業員たちの憩いの場であると同時に、礼儀作法を教える場でもあるんです。人間としての礼節を身につけた人でなければ、決していい仕事はできません。
 ――具体的にはどのような指導をされているのですか。
正山 例えば、「ごはんを山盛りに盛るのはやめましょう」というように小さな礼儀作法から教えていきます。「ごはんがたくさん食べたいなら、1膳目が食べ終わってから、また2膳目をよそリましょう」ということなんです。「食事中に大声で話さないようにしようとか、脱いだスリッパはきれいに揃えておきましょう」。そんな基本的なことを、誠心誠意教えていきます。
 「物づくりの前に、まず人づくり」です。仕事だけではなく日常の生活マナーにおいても意識を変えてもらうことが丁寧な物づくりにつながると思います。
 私どもの新工場の従業員食堂は、壁がガラスばりになっていて、工場に来るお客様から見えるようになっています。言いかえれば、従業員食堂は、従業員の礼儀作法習得の成果を皆様にお見せする場所でもあるんですよ。
 ――新工場についてもう少し聞かせてください。
正山 環境に配慮しました。例えば、工場排水の処理設備に1億5000万円から2億円をかけています。処理した水は風呂の水として使えるぐらいきれいです。HACCPのシステムも積極的に導入し、徹底した品質管理に取り組んでいます。
 新工場には、大規模な開発室を設けました。私たちが扱う原材料は、小豆、緑豆、金時豆、青エンドウ豆、栗、かぼちゃ、さつまいもなどさまざまです。こうした原材料から、生あん、高級粒あん、甘納豆、粉末あんなど、さまざまな製品を生産しています。
 今後は、あんに関連する製品だけではなく、ほかの食品も手掛けたいと考えています。世界中に製品を販売する食品の総合メーカーを目指しているんです。

正山氏は、東京国際貿易のほか、国内販売の東京国際産業の代表者。中国では、製あん事業の北京京日東大有限公司をはじめ、天然調味料の製造会社、日本式レストランチェーンを展開する会社など合計9社を独資や合弁で経営しており、各社の総経理を務める。
 日本で販売するあんについては、北京京日東大有限公司が製造した製品を、東京国際貿易が輸入し、東京国際産業が販売するという流れだ。
 2006年に稼動を開始した中国・北京市の新工場は、敷地面積7万平方メートル、延べ床面積が8万5000平方メートル。従業員数は580人。生産ライン数は22で、年間生産能力は7万�邸�あんの生産工場としては世界一の規模という。







原価計算女王
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