電話でパンを予約して買いに来る顧客が多い - パンの家 ラ・ママン - ブランスリー電子版

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お店拝見/2001年3月号

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電話でパンを予約して買いに来る顧客が多い - パンの家 ラ・ママン

ラ・ママン外観


予約済みのパンはカーテンを閉めた棚にとり置きしておく。


予約した顧客が来店すると、すぐに出して手渡す。
 東京都国分寺市本町2-23-2、電話042-325-5107、営業時間 午前10時〜午後6時30分、定休日 日曜、祭日
 パンの家 ラ・ママンは、地域の人たちに密着したベーカリーだ。「おいしくて安全なパンを提供すること」を使命とし、地域の人たちにラ・ママン流のパンを地道に提案してきた。その甲斐あって、今では多くの固定客を獲得。電話でほしいパンを予約して買いに来る顧客も多い。

 「おいしくて安全なパンをみんなに提供したい」
パンの家 ラ・ママンの渡邉博美代表理事は気負いなくこう話す。
 同ベーカリーは、生活クラブ生協のメンバーが集まって、1989年に設立した。「自分たちが食べているおいしくて安全なパンを、もっと多くの人に食べてもらいたい」というのが、ベーカリーを始める動機だった。
 地域に密着したベーカリー運営を常に心掛け、かなりの度合いで成功している。それは、パンの予約の電話が多いことからも、うかがい知ることができる。
 渡邉代表理事は「1日20〜30件の予約の電話があります」と話す。
 同店では、約60〜70品目を製造販売しているが、いずれの製品も、基本的に1日1回焼き上げて、店に出す。焼き上がり時間が違う複数のパンがほしい顧客は、そのうち、最後に焼き上がるパンの時間に合わせて来店し、それ以前に焼き上がるパンについては「〇個ほしいので、とり置きしておいてください」といって電話をしてくるのだ。
 とり置きのパンを置いておく棚も準備されている。入店して左手の陳列棚の上2段には、カーテンが付いていて、予約でとり置きになったパンは、そこに置いてカーテンを閉め、客からは見えない状態にしておく。予約した顧客が来たら、そこから出して渡す。
 「カーテンがあると、中に何があるか知りたくなるお客様もいるようで、そっと開けてみて、どうしてもほしいパンがあると、それをトレーにのせる人もたまにいます。そういう時は事情を話して、戻してもらうんです」と渡邉代表理事は苦笑い。
 曜日限定で焼くパンもある。
「ブドウ酵母パン」は、月曜日の午後にしか焼かない製品。レーズンからおこす自家製の酵母で作るパンだ。
 「ミネラルミックス」はブール型の食事パンで、月、水、金の各曜日の午後に焼き上げる。有機栽培のキヌアやきびなどを生地に練り込んだ製品だ。
 こうした製造日限定のパンには、固定客がきっちりとついていて、焼き上げる個数の多くは、電話による予約で売れてしまうという。
 これまで、地道に提案し続けてきた成果といえる。



おいしくて安全なパンを地域の顧客に提供する

ラ・ママン店内


渡邉博美代表理事


自家製の焼きプリン
 ラ・ママンの「おいしくて安全なパンを提供する」という姿勢は、数々の人気商品を生み出した。
 例えば、同店の人気商品の一つである「かぼちゃドーナツ」。かぼちゃペーストを包んで揚げたドーナツに、青大豆の黄粉をまぶした商品で、黄粉の黄緑色が鮮やかだ(詳細は商品のページ参照)。「一人で10個、20個予約するお客様もいます」と渡邉代表理事。
 「胚芽パン」という山形食パンも人気商品のひとつ。予約して買いに来る顧客も多い。
 このほかにも、「きんぴらごぼう」や「おさつくん」など多くの人気商品がある(詳しくは次ページ参照)。

自家製焼きプリンも人気
 ラ・ママンでは、自家製の焼きプリンも販売している。卵や牛乳などの材料にこだわった蒸し焼きのプリンで、同店のロングセラーのひとつだ。
 カラメルソースももちろん自家製だ。

ゆとり持って仕事に励む
 同ベーカリーは、「ワーカーズコレクティブ」と呼ばれる経営形態だ。生活クラブ生協のメンバーが集まり、共同出資で事業を行うというもので、ベーカリーのほか、弁当製造販売や、高齢者向けの食事宅配、惣菜製造販売など様々な業種で、多くのメンバーが活躍している。最近ワーカーズコレクティブ協同組合を設立し、現在、ベーカリーだけで7団体が事業を行っている。「利益を追求する団体ではなく、おいしくて安全なものを地域の人たちに提供するのが目的」(渡邉代表理事)だ。
 ラ・ママンは、製造が常時7人の体制で、比較的ゆったりとした作業スケジュールで仕事をしている。全員が家庭を持つ主婦で、仕事と家庭を両立させている。
 売り場面積は約8坪、製造スペースはおよそ12坪。平均日商は約12万円という。
 規模からして、製造スタッフが多めだが、それぞれが仕事以外の生活も大切にし、余裕も持って働ける体制にしているのだという。
 すべてのスタッフが生き生きと仕事をしている。
しかし、渡邉代表理事は「利益追求が目的ではないといっても、店を維持していくためには、売上を伸ばさなくてはなりません。今後は、保育園などへの外販にも力を入れていきたいと考えています」と話す。



売れています! - 内麦の胚芽を配合して作る

胚芽パン


胚芽クロワッサン


胚芽ベーグル
胚芽パン(上)
 北海道の製粉会社、江別製粉の「ハルユタカブレンド」という内麦粉と、内麦の胚芽を配合して作る山型食パン。材料はこのほか、「洗双糖」という精製する前の状態の砂糖と、天塩、ホシノ酵母。
 ミキシングは、縦型ミキサーでL3分ML2分と控えめ。捏ね上がった生地は、一晩(12〜15時間)じっくりと熟成させる。250グラムに分割した生地を、小さ目の食型に2個入れる。ホイロは、あまり高くない温度でじっくりと長めにとる。焼成時には、蒸気を注入。高めの温度でじっくりと焼き上げる。蒸気を入れることでボリュームが出て、皮がパリッと仕上がるのだという。1斤350円で、1日およそ20斤売れるラ・ママンの人気商品ひとつだ。

胚芽クロワッサン(中)
 胚芽パンの生地で作るクロワッサン。1個130円。かなり上品な味。
 三つ折り3回。折り込み油脂は、四つ葉の無塩バターを使用。折り込みに際しては、常に生地温度を5度Cに保つ。ホイロは、折り込んだバターが溶け出さないように低めにする。

胚芽ベーグル(下)
 同じく胚芽パンの生地で作る。1個130円。
 生地を80グラムに分割し、約30分間ベンチタイムをとる。棒状に延ばして、リング状に成形。この時、一方の端を平らに延ばしておいて、もう一方の端を包み込むようにすると、くっつけた部分が離れないという。
 ホイロは、30度C60〜70%1時間。ホイロ後に片面につき3秒ずつ合計で6秒間、煮立ったお湯に浮かせる。その後直ちに窯へ投入。上火210度C下火200度Cで12〜15分間焼成。湯通しするので蒸気は注入しない。



売れています! - 自家製きんぴらごぼうを包む
きんぴらごぼう
 きんぴらごぼうをバターロールの生地で包んで焼き上げた製品。1個130円。
 きんぴらごぼうは完全自家製。ごぼうをささがきにして、砂糖、酒、しょう油を加えて炒める。35グラムに分割した生地で、きんぴらごぼう30グラムを包み、ホイロをとって焼成。ホイロ前に上面にはさみで小さなカットを入れる。 ホイロ後、塗り卵をして、カットを入れた部分にマヨネーズを絞って焼成する。
 「フィリングのきんぴらごぼうがおいしく」(記者)、ラ・ママンの人気商品のひとつだ。

売り出し中です! - 見た目にもさつま芋!
おさつくん
 バターロール生地でさつま芋ペーストを包んで焼き上げたパン。ホイロ後に表面にピケローラーで小さな穴をあけ、さつま芋の芽を表現。焼成後にココアパウダーをふりかけて、さつま芋についている泥を表している。1個110円。
 さつま芋ペーストは、材料などを確認した上で、出来合いのものを仕入れているが、それにラ・ママン独自の加工を加えている。砂糖、牛乳、卵、バターなどを加えて、加熱しながら練っているのだ。やはり、フィリングを包んだパンは、フィリングの味で商品価値がほとんど決まってしまう。

売れています! - 顧客に調理パンを作ってもらう!
パーカー
 顧客に自分で調理パンを作ってもらおうと開発したパン。楕円形に延ばした生地を2つ折りにしで焼いたものだが、焼成後も簡単にはがれるようになっており、そこに様々な具材をはさんで食べることができる。1個60円。
ラ・ママンでは、このパンにコロッケなどをはさんで、調理パンとしても販売している。
 バターロールの生地50グラムを楕円形に延ばして、半分の面積にハードマーガリンを薄く塗る。マーガリンを塗った面を内側にして、2つ折りにし、ホイロをとって焼成。焼き上がった状態でも2つ折りにした部分はくっついていない。
 「『このパンどうやって食べるんですか?』『中に何か入っているんですか?』などとお客様によく聞かれるので、中に何か具材をはさんで食べてくださいと、説明しています。お客様とコミュニケーションをとるいいきっかけになっていますね」と渡邉代表理事はいう。

原価計算女王
原価計算女王
最近売れ出しました! - 天然酵母と内麦で作るフランスパン
フランスパン
 「最近フランスパンの売上が少しずつ増えています」と渡邉代表理事はいう。
 「ハルユタカブレンド」80%とチホク20%を配合。そのほかの材料は、天塩とホシノ酵母。バゲット230円、クッペ170円など。
 ミキシングは、縦型ミキサーでL7分ML2分。発酵はオーバーナイトで、12〜15時間。バゲットとバタールは350グラム、クッペは200グラム、ミニクッペは100グラムにそれぞれ分割する。ベンチタイムを1時間とったあと、それぞれの形に成形。ホイロは、30度C75%1時間。焼成は、蒸気を注入して、上火、下火とも210度C25分。
 自家製ガーリックバターを塗って作るガーリックフランスもある。


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