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| お店拝見/2001年3月号 |
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| 職人のプライドと顧客を思う謙虚さをあわせ持つ - パンドォル
千葉県流山市江戸川台西2−33、電話0471-52-8599、営業時間 午前10時〜午後7時 日曜、第3水曜定休
洒落たヨーロッパのパン屋さんーーそんなイメージのパンドォルは、東武野田線・江戸川台駅近くの閑静な住宅街にひっそりとたたずむ。松本弘之社長のパン職人としての強烈な主張と、顧客ニーズに応えようとする謙虚な姿勢のバランスのよさが、同ベーカリーを成功へと導いている。 |

| 5坪で日商30万円!ライ麦パンも好調な売れ行き | |
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パンドォルは、食パンとハード系パン、ドイツパンなどが品揃えの中心。5坪の小さな売り場で、顧客と対面で販売する。店の広さの割に、平均日商がおよそ30万円と、かなり多い。
パンドォルでは、「フルーツナッツライ」や「フォルコンブロート」などのライ麦パンが比較的よく売れるという。 以前は売れなかった。松本弘之社長は「ある人から、『菓子パンなどの日本人になじみの深いパンも作って、顧客に対する店の信用が確立してからでないと、自分の主張はなかなか受け入れてもらえない』とアドバイスされました」と当時を振り返る。さらに2年程前に、ライ麦パンを厚さ約1センチにスライスして、4枚セットで包装して店に出したところ、徐々に売れ出したという。 松本社長は「量が多いと1回で食べきれないと考えました」と話す。こうした発想は、対面販売で交わす顧客との会話の中で湧いてきたものだ。「特に高齢の方などは食べる量も少ないし、なるべく新鮮なパンを食べてほしいですからね」と松本社長はいう。 食パンについても同様。パンドォルでは、基本的に食パン類はすべて半斤単位でも販売している。 食パン類はイギリスパン(1斤240円)、黒ゴマを練り込んだ「セザムバイヤン」(同)、ハードトースト生地から作る「ゴールデントースト」(同)など、品揃えが豊富だ。しかし、「いわゆる食パン生地」を使用した食パンはない。角食(1斤220円)にもイギリスパン生地を使用している。この辺に松本社長のパン技術者としての主張が見え隠れする。 「ハード系、食パン、ドイツパンなどの食事パンを合わせると、売上の5〜6割を占めます」と松本社長はいう。 開店当初は、日商2〜3万円 パンドォルは、1989年にオープン。開店当初は、日商2〜3万円と苦しい日々が続いた。「半年ぐらい立った時点で売上が伸び始めました」と松本社長は振り返る。 顧客の要望に応える形で、オープン当時は作っていなかった菓子パンやサンドイッチなども品揃えに加えた。徐々に売上げも伸びていった。 |

| 対面販売で顧客と会話、手間かけて丁寧なパン作り | |
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パンドォルは、対面でパンを販売している。最も忙しい時は、販売スタッフ2人がそれぞれ1人の顧客の注文を聞き(同時に2人の注文を聞くことになる)、パンを個包装して、レジのスタッフに渡す。
レジスタッフは、注文を受けたスタッフが取って個包装したパンを受け取り、手提げ袋にまとめて入れて顧客に渡し、精算する。レジは陳列棚に向かって左手にあり、顧客は注文を終えると左に進んで、精算することになる。顧客にとっては、注文を受けてもらう順番が守られているという安心感がある。12時からの1時間は、来店客が最も多い時間帯で、店の外に長い行列ができる。 松本社長は、対面販売を導入した理由について「お客様とのコミュニケーションがとりやすい点に着目しました」と話す。顧客と交わす何気ない会話のなかから、顧客が求めていることを敏感に察知するのだ。 さらに「より衛生的であることも対面販売にした理由です」と松本社長。 |

| 顧客のパンの食べ方を探る
パンドォルは、「毎日でも買いに来てもらえるベーカリー」を目指す。そのためには、顧客が、買ったパンをどうやって食べているかを知る必要があり、対面販売はこの点で、セルフ方式より優れている。
「ライ麦パンは、以前はブロックの状態で販売していました。おいしいけれど、量が多すぎるとか、家ではうまく切れない、などの声を聞き、それじゃあ、薄くスライスして、4枚セットで売ってみようということになったんです」と松本社長はいう。 |

| 当たり前のことを当たり前に続ける
パンドォルは、基本的に改良剤などは一切使用せず、無添加のパンを作っているが、そのことを顧客に積極的には訴求しない。「おいしくて安全なパン」を作ることは、ベーカリーとして当然のことと考えているからだ。
しかし、材料や製法にはかなりこだわっている。 小麦粉は、試行錯誤を重ねた結果、様々な種類のものをブレンドして配合しているパンが多い。 「パンは発酵食品ですから、生地の発酵には相当気を使っています」と松本社長。基本的にミキシングはアンダーで、生地をあまりつなげない。 発酵をじっくりとり、生地を充分に熟成させる。小麦粉が発酵して醸し出す味と香りをいかに引き出すかを常に考えているのだ。 「改良剤などを使えば、パンの出来上がりは安定します。パンチやホイロを出すタイミングの幅もかなり広がります。しかし、それではパン職人の存在意義がなくなってしまいますから」という松本社長の言葉からは、当たり前のことを当たり前に続けることの難しさとすごさが、ひしひしと伝わってくる。 ◇ パンドォルは、東武野田線・江戸川台駅から徒歩3分の距離。周りには閑静な住宅街が広がる。品揃えはおよそ100アイテム。 売り場面積約5坪。製造スペースは、約12坪。 製造スタッフは、松本社長を含めて5人。 販売は7人でローテーションを組む。通常は2人。繁忙時は4人。 同ベーカリーでは、製造スタッフも交代で販売を担当する。 |
| 売れています! - 一工夫でライ麦パンが好調! | |
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フルーツナッツライ(上)
くるみ、アーモンド、カレンズ、いちじくなどを贅沢に練り込んだライ麦パン。セサミケース3斤型で焼く。1センチ厚のスライス4枚セット(280円)が好評。包装して脱酸素剤を入れて販売している。 【配合%】▼強力粉(ヨット)70▼ライ麦粉(ナチュラル)30▼天塩1・8▼生イースト3▼水59▼くるみ20▼アーモンド半割10▼カレンズ35▼いちじく20▼プルーン20▼ドライチェリー10▼オレンジ10▼シナモン0・3▼カルダモン0・1▼ホワイトラム3・4 【工程】ミキシングL4分ML2分(フルーツ、ナッツ類投入)L2分、捏ね上げ温度26度C、発酵30度C70%40分、分割2194グラム、ベンチタイム10分、成形・なまこ型、ホイロ30度C70%1時間、焼成上火180度C下火200度C1時間5分(スチーム注入) ※フルーツ、ナッツ類を投入する前に、生地を400グラムとって別にしておく(1キログラム仕込みの場合)。それを薄く延ばし、なまこ型に成形したフルーツ、ナッツ入りの生地を包んで、型に入れる。フルーツ、ナッツ類が焦げないようにするため。 ※フルーツ、ナッツ類は、ホワイトラム、カルダモン、シナモンと混ぜ合わせて1晩ねかせる。 フォルコンブロート(中) ライ麦粉65%配合の本格的ライ麦パン。くるみとグリーンレーズンを練り込む。同じく1センチ厚のスライス4枚セット(280円)が好評。 【配合%】▼フランスパン用粉(リスドォル)35▼中挽きのライ麦粉(ミッテル)15▼前処理したソフグレイン(ソフグレイン25%を水25%でふやかしたもの)50▼天塩2▼生イースト2▼サワー種50▼水30▼くるみ20▼グリーンレーズン20 【工程】ミキシングL7分、捏ね上げ温度27〜28度C、分割3360グラム、成形=なまこ型に成形して3斤棒の型に入れる。ホイロ38度C80%30分、焼成上火210度C下火210度C1時間30分〜1時間40分(スチーム注入) ※発酵はとらない。 [サワー種配合%]▼ライ麦粉(ナチュラル)25▼水25▼アクティブサワー0・2▼生イースト0・1 [サワー種工程]ミキシングL5分、発酵16時間 |
| 売れています! - けしの実を巻き込んで編む | |
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モーンプルンダー
パリッとしたクロワッサンの食感、全体の甘さの中に光るけしの実のほのかなにがさが印象的。1個160円。 クロワッサンの生地を幅30センチ、長さ50〜60センチ、厚さ3ミリに延ばし、けしの実ペーストを一面に塗り広げる。ロールして、縦に2等分し、2つ編みにする。天板にのせてホイロをとって焼成。焼成後粗熱が取れたらフォンダンをかけて、適当な大きさに切って販売。ホイロは、27度C70%1時間30分。焼成は、上火220度C下火150度C40分。 焼成時は、天板を2枚重ねた状態にし、生地の底面に熱が加わり過ぎないようにする。 けしの実ペーストは、出来合いのものに独自の加工を加えて使用。加工方法は「企業秘密」(松本社長)だ。 |
| 売れています! - デニッシュのモンブラン | |
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モンブラン
モンブランといっても洋菓子ではない。デニッシュに大きな栗をトッピングした製品だ。1つ150円。 デニッシュ生地を10センチ角、3ミリ厚にカットし、パンドリーナ型に入れる。ホイロをとった後、錘を入れたプリンカップをのせて焼成する。 焼成後、カスタードクリームと生クリームを混ぜ合わせたものを絞って、マロンの甘煮をトッピングする。 この製品は、いちごやブルーベリー、フランボワーズなどトッピングを変えて、モンブランを含め4品目のバリエーションを製造販売。4品目合計で、1日60個程度売れるという。 |
| 売れています! - 外はぱりぱり、中身はしっとり | |
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ゴールデントースト
ハードトースト生地で作るパンドォルの人気山形食パン。1斤240円。 【配合%】▼強力粉(ゴールデンマンモス)80▼フランスパン用粉(リスドォル)10▼内麦粉(平安ストレート)10▼ドライイースト0・6▼天塩2・1▼ミネラルシュガー2▼ラード2▼モルト0・2▼ビタミンC10ppm▼水67〜68 【工程】ミキシングL5分M1分30秒(ラード投入)L3分M1分30秒、捏ね上げ温度24〜25度C、発酵28度C70%3時間(2時間の時点でパンチ)、分割210グラム×2、ベンチタイム30分、成形、ホイロ30度C70%1時間30分、焼成上火220度C下火230度C40分(スチーム注入) |
| 売れています! - 年季の入ったカレーフィリング | |
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カレーパン
ポークの挽肉をたっぷりと使った自家製カレーフィリングを包んだカレーパン。1個200円。 パンドォルには、カレー専用の鍋がある。作ったカレーは、1日ですべてを使わずに、1部を残しておく。それに具材を加えてさらに煮込み、翌日使うのだ。この作業を毎日行っている。コクが違う。 このカレーフィリングを、ハードトーストの生地で包んでホイロをとり、焼成。 |
2023年11月18日から、発行から1年を経過した記事は、会員の方以外にも全文が公開される仕様になりました。

















