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| ヨーロッパの伝統的なパン食文化を日本に根付かせることが使命と自負 - ブランジェ浅野屋軽井沢旧道店 |
 軽井沢銀座の通りにあるブランジェ浅野屋軽井沢旧道店。独特の赤のテントに「BOULANGERIE ASANOYA」の白い文字が、道行く人たちの目をひきつける。  販売はすべて対面で行う。販売スタッフは、15人と多く、ショーケースの各所に立って、顧客の注文を聞く。 避暑地で有名な長野県軽井沢のベーカリーといえば、ブランジェ浅野屋。軽井沢町に3店舗あるが、最も歴史が古い昭和15年創業の軽井沢旧道店を取材した。 住所 長野県北佐久郡軽井沢町大字軽井沢738 電話 0267-42-2149 営業時間 午前7時〜午後9時(冬は午前8時〜午後6時) 定休日 1月から3月までは水曜日、それ以外は無休 最寄り駅 JR長野新幹線・軽井沢駅(徒歩で約30分) 店舗面積 約65坪(製造スペース約30坪、販売スペース=イートインスペース含む=約20坪、レストランスペース約15坪) 品揃え 約80品目 客単価 1000円 スタッフ 32人(製造10人、販売15人、レストラン7人)
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| 石窯ベーカリーのパイオニア的存在 |
 店舗の入り口脇には、フランスパンやライ麦パンなどが、飾りパンとして陳列されていた。  売り場の奥に設置されたスペイン製の大きな石窯で、主にハード系のパンを焼く。  販売は、チーフの柳沢留美子さんが総指揮をとる。 ブランジェ浅野屋軽井沢旧道店は、軽井沢の中心地、軽井沢銀座の通りにある。歴史を感じさせる重厚な店構えで、独特の赤のテントに「BOULANGERIE ASANOYA」の白い文字が、道行く人たちの目をひきつける。 通りを歩く人たちは、避暑地にふさわしく、カジュアルな服装で、開放感に溢れている。 店内は、外光を少しだけとり入れているが、基本的には、内部に設置された様々な光源からの光で独特の空間を演出していた。 同ベーカリーのセールスポイントは、売り場の奥に設置されたスペイン製の大きな石窯だ。導入したのは1986年で、石窯ベーカリーのパイオニア的な存在だ。 顧客の目の前で、「フルーツライ」や「パン・ド・セーグル」など、主にハード系のパンが焼かれ、焼き上がるとすぐに、ショーケースや陳列棚などに運ばれてくる。 同ベーカリーチーフの柳沢留美子さんは「石窯で焼いたパンは、皮がパリパリ、中はもっちりとしていて、とてもおいしいですよ」と目を輝かせた。 販売はすべて対面で行う。ショーケースはL字型に設置されていて、かなり長い。販売スタッフは、15人と多く、各スタッフがショーケースの各所に立って、顧客の注文を聞く。 販売スタッフ間の連係プレイも絶妙だ。それぞれに担当箇所が割り振られていて、自分の担当の場所で注文を聞き、トレーに商品をのせ、レジまで運び、レジ担当のスタッフに渡す。顧客の注文の品が離れた場所にまたがっているときは、最初の注文の品を聞いたスタッフが、商品をのせたトレーを別のスタッフに渡し、トレーを渡されたスタッフが次の注文を聞く場合もある。スタッフどうしの阿吽の呼吸がものを言う。 販売効率ではセルフ方式より劣る対面販売を堅持するのは、顧客との会話の中で、ヨーロッパの食文化を提案したい、という深い思いからだ。
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| 別荘族や観光客で賑わいをみせる |
 別荘族や観光客で賑わう店内。30歳代、40歳代の女性が最も多いという。  「カレンズライ」(左)、ヴァイツェンミッシュブロート」(中央)など。  「パン・ド・セーグル」(左)、「いちじくと木の実のパン」(中央)など  パンの陳列ケース越しに石窯が見えるようになっている。 ブランジェ浅野屋は、1933年、東京・麹町で、輸入食品店として創業した。1940年に、常連客の別荘が多かった長野県軽井沢に出店し、パンも製造販売するようになった。 「ヨーロッパの伝統的なパン食文化を日本に根付かせること」を使命として営業してきた。現在は、東京・四谷の本店、東京・銀座の松屋銀座店を展開するほか、軽井沢に、旧道店のほか、2店舗を展開している。 柳沢さんは「お客様は食についての造詣が深い方が多く、こちらが勉強を常にしていないと、お客様から質問されたときに、きちんと答えられません」と話す。 別荘地の立地とあって、1年の売上の変動傾向が、一般的なベーカリーとはかなり違う。 1年の最初の売上のピークは、ゴールデンウィークだ。そして、7月頃から再び忙しくなり、7月後半から8月いっぱいは、猫の手も借りたいほどの繁忙期になる。 1月から3月にかけては、軽井沢の人口が半分に減り、売上も半分程度になるという。 顧客の年齢層は、30歳代、40歳代の女性が最も多いという。柳沢さんは「別荘のお客様が一番多いですね。それと、観光地でもあるので、観光客の方もたくさんいらっしゃいます」。 同ベーカリーは、新しい製パン技術をとり入れることにも熱心だ。 毎年、ヨーロッパなど海外から独自に講師を招いて、勉強会を開き、製造スタッフの技術向上に努めている。
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石窯で焼くライ麦パンやフランスパン。パンのある食卓を提案するレストランも
ハード系が中心の品揃えが好評 |
 店内の一角に陳列されたパリジャンには独特の風格があった。  「シェマリー」というレストランも併設されている。パンの売り場の奥がその入り口だ。  人気ナンバーワンの「フルーツライ」。オレンジピールやくるみ、アーモンド、レーズンなどが入ったライ麦パンだ。 ブランジェ浅野屋軽井沢旧道店の品揃えは、およそ80品目。店内のショーケースには、さまざまなパンが並んでいた。 「フルーツライ」(ホール1050円、ハーフカット525円)は、オレンジピールやくるみ、アーモンド、レーズンなどを練り込んだライ麦パンで、1日70〜80個は売れる同ベーカリーの人気ナンバーワンの商品だ。ライ麦粉は30%配合している。 「パリジャン」(347円)などのフランスパンも人気がある。「中身がやわらかくて、皮がパリパリで、とても好評です」と柳沢さん。 「ポテトフランス」(189円)は、フランスパン生地で、茹でて皮をむいたじゃがいもをまるごと包み、上面にカットを入れ、バターとマヨネーズをトッピングして焼き上げた商品だ。 「ティーブレッド」(315円)は、細かく刻んだアールグレイの茶葉を生地に練り込んで焼き上げた商品で、アールグレイの香りが食欲をそそる。練乳も練り込んである。 「ピティビエ」(315円)は、アーモンドクリームがたっぷりと入ったパイ菓子だ。 このほかにも、自家製のレーズン種を使った「パン・ド・カンパーニュ」(ホール1050円、ハーフ525円)や、カレンズをたっぷりと練り込んだライ麦パンの「カレンズライ」(462円)、フランスパン生地にガーリックバターをトッピングして焼き上げた「ガーリックフランス」(168円)など、さまざまなパンが所狭しと並んでいた。 パンの中身がわかるようにと、ショーケースには、こうしたパンのスライスがまとめて置かれた一角が設けられていた。
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| イートインとレストランも併設 |
 アールグレイの茶葉を生地に練り込んだ「ティーブレッド」  主だったパンのスライスがまとめて置かれた一角が設けられていた。  メープルシロップやクローバーハニーなどの輸入食品も販売している。 ブランジェ浅野屋軽井沢旧道店には、10席のイートインスペースも設置されている。購入したパンを食べられるほか、コーヒーやオレンジジュース、アイスティーなどのドリンク類も提供している。朝食を食べに来店する顧客も多いという。 また、「シェマリー」というレストランも併設されている。パンの売り場の奥がその入り口だ。 メニューは、「ビーフシチュー」「具だくさんスープ」「日替わりパスタ」の3種類。いずれもパンとサラダ付きで2100円だ。パンのある食卓の提案に一役買っている。
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| 顧客との会話の中で、二ーズを探る |
 アーモンドクリームがたっぷりと入ったパイ菓子の「ピティビエ」  フランスパン生地で、茹でて皮をむいたじゃがいもをまるごと包んで焼き上げた「ポテトフランス」  多くの人で賑わう店内。照明に工夫をこらし、独特の空間を演出している。  レストランの入り口脇にはワインがストックされたワインセラーがある。 対面販売の同ベーカリーでは、顧客と販売スタッフの間で様々な会話が交わされる。 柳沢さんは「お客様に好みのパンをお聞きしたりして、会話をしていると、お客様が当店に対して、どのようなパンを求めているかがわかってくるんです。それを製造の人たちに伝えて、お客様が求めているパンを提供できるように常に心掛けています」と話す。 毎年販売スタッフの新人が入ってくると、1週間の研修会を開く。まず、2日程度で、全商品の名前と値段を覚えてもらう。次に研修生どうしが、客と販売員になって、接客のシミュレーションを行う。 このほか、トレーの持ち方や、商品の包み方、予約の受け方、電話での応対の仕方などを具体的に教える。
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