新体制で新たなるスタート - ホシノ天然酵母パン種 - ブランスリー電子版

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業界アンテナ/2006年7月号

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新体制で新たなるスタート - ホシノ天然酵母パン種

川又研三・ホシノ天然酵母パン種新社長(右)と星野益男顧問(左、前社長)
パン種メーカーの老舗、ホシノ天然酵母パン種が、包餡機やパン成形ラインなどの大手メーカー、レオン自動機に買収され、新体制での業務を開始した。新社長には、レオン自動機取締役の川又研三氏が就任し、前社長の星野益男氏は顧問に就任した。今後も、これまでの業務を継承し、生産体制や販売体制に全く変わりはないという。

ホシノ天然酵母パン種
町田本社・工場:

東京都町田市小野路町2278-3
電話042-734-1399 



従来の体制を、そのまま継承する

ビール酵母からおこした「ホシノビール酵母パン種」


小麦粉と混ぜ合わせて、ルバン種を作る「ホシノ小麦粉種(赤)」
 ホシノ天然酵母パン種を傘下におさめた理由について、レオン自動機の林啓二社長は「当社には、創業当時から、『日本の伝統的な和菓子をはじめ、世界各地に継承されてきた伝統的なパンや文化を後世に伝え、発展させるための食品機械を開発し、社会貢献する』という基本的な考え方があります。ホシノ天然酵母パン種は、日本のパン文化の発展に貢献しており、当社の方針と一致します。種の生産体制や販売体制など、これまでホシノ天然酵母パン種が築き上げてきたものをそのまま継承していく所存です」と話した。
 ホシノ天然酵母パン種は、最近の約10年間で、売上をおよそ4倍に伸ばし、2005年3月期の売上は約3億3100万円、当期利益は約5700万円だ。この優良会社を売った理由はどこにあるのか。
 この点について、星野益男・前ホシノ天然酵母パン種社長(現顧問)は「後継者がいないことと、私の健康上の問題がありました。多くの熱心なお客様にご迷惑をおかけしないためにも、パン業界に精通した信頼のある会社に引き継いでもらうことが、最も望ましいと判断しました。レオン自動機さんは、ストレスフリーの分割機などを製造販売されていて、ホシノ天然酵母パン種のお客様と顧客層が重なる部分が多いし、共同で製パン講習会を行ってきて、レオン自動機の技術の方々には、ホシノ酵母のよさを充分に理解していただいています。総合的に考えて、レオン自動機さんに引き継いでいただくのが最良と判断しました」と説明した。



リテールの商品差別化の一助に

林啓二・レオン自動機社長(前列右)、星野益男・ホシノ天然酵母パン種顧問(前列左)、川又研三・ホシノ天然酵母パン種社長(後列)


創業当時からのロングセラー「ホシノ天然酵母パン種」
 ホシノ酵母は、国産小麦粉で起こした種に、有機栽培米から作る「もろみ」を加えることで、他にはない独特の旨味を醸成するパン種だ。食パン用や菓子パン用、フランスパン用など用途に応じて様々な種を製造している。
 最近では、「ホシノ小麦粉種」や「ホシノ・ルバンスターター」など、小麦粉に加えて発酵させ、ルバン種を作るための製品も開発し、折からの「種ブーム」にものって、新たな需要を掘り起こしつつある。
 ホシノ天然酵母パン種の小林幹央取締役は「ホシノ酵母は、その安定性に定評があります。生産体制も、特定の技術者の勘や経験に頼るということはなく、しっかりと確立されていますので、新体制になったからといって、ホシノ酵母の品質が変わるようなことは一切ありません」と話す。
 また、川又社長は「食の安全とおいしさの両立、食の伝統の継承が、親会社のレオン自動機の基本思想です。これまで人間がやっていた技を、その本質を損なうことなく、機械でできるようにして、余った労力をもっと創造的な仕事に振り分けていただく、ということです。その精神はホシノ天然酵母パン種においても変わりません。リテールベーカリーが個性を出すためのお手伝いができればと考えています」と話す。
 「パン種の販売先は現在はリテールが中心ですが、変更はありませんか」との質問には、「ホシノ商品の良さを最もうまく表現して下さっているのはリテールの皆様です。変更はありません」と明確に答えた。  今後の展開については「親会社のレオン自動機は、実演場を全国に持っています。これを利用して、さらに多くのリテールベーカリーの方々に、ホシノ酵母の良さを知っていただきたいと考えています。講習会をシステマチックに、今より多くやっていけたらと思っています」(川又社長)。
 レオン自動機の海外販売網を活用して、海外にホシノ酵母を販売することも視野に入れているという。
 また、ホシノ酵母を使ったピザ生地の製造販売にも力を入れていくという。
 「一味違ったピザとして、現在、レストランに販売していますが、今後さらにこの分野も強化していきたいですね。レオン自動機では、ピザの成形機を販売していて、これを売り込むこともできますし」(川又社長)。



ホシノ天然酵母パン種の歩み

 ホシノ天然酵母パン種は、1951年、「ホシノ天然酵母パン種研究所」として東京都世田谷区尾山台でスタートした。1982年に、東京都町田市に移転。
1990年、有限会社ホシノ天然酵母パン種を設立。1998年には、神奈川県秦野市に新工場を設立し、生産体制を大幅に強化した。
 創業以来のロングセラーである「ホシノ天然酵母」のほか、「ホシノ天然酵母フランスパン種」「ホシノ天然酵母菓子パン種」「ホシノ丹沢酵母パン種」「ホシノ天然酵母ぶどう種」「ホシノビール酵母パン種」など、用途に応じて様々なパン種を製造販売している。
 最近では、小麦粉と混ぜてルバン種を作るための、「ホシノ小麦粉種(ホシノ・ルバン)赤」や、生種を作らずにそのまま小麦粉と合わせて、ルバン種が作れる「ホシノ・ルバンスターター」などを市場に投入し、イーストのパンだけを作るベーカリーでも、その製造スケジュールを変えることなく、簡単にホシノ酵母のパンを導入できるようにした。
 また、ホシノ酵母を使ったピザの生地玉の製造もスタートさせ、レストランなどへ販売している。
 同社は、消費者の自然志向を着実にとらえ、需要を掘り起こしてきた。また、ユーザーが安定した品質の種を常に使用できるよう、様々なシステムを開発。
 2005年3月期の売上高は約3億3100万円。2006年3月期の売上高は約3億5300万円。
 今年4月14日、レオン自動機と、「企業買収に関する社員特分譲渡契約」を締結し、今年4月28日に、レオン自動機が事実上その経営権を取得した。2007年3月末日には、レオン自動機の100%出資子会社となる。
 レオン自動機は「ホシノ天然酵母パン種は、リテールベーカリー向け天然酵母の販売に強固な基盤があり、当社がパン成形機の販売拡大をするに当たって、相乗効果が期待できる」としている。



原価計算女王
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