記事の閲覧
| <<戻る | 写真をクリックすると拡大写真が見られます。 |
| お店拝見/2001年2月号 |
2023年11月18日から、発行から1年を経過した記事は、会員の方以外にも全文が公開される仕様になりました。
| パン作りへの追求心と顧客サービスが一体化。夫婦の連係プレイが武器 - ブランジェ・アプレ | |
|
埼玉県北葛飾郡松伏町ゆめみ野4-1-17、電話0489-92-0290、営業時間 午前9時〜午後7時 月曜定休
ブランジェ・アプレは、製造と販売の呼吸がぴったりと合ったベーカリー。三石佳男オーナーが情熱を傾けて仕込み、成形し、ホイロをとったパン生地を、博美夫人が心を込めて焼成して店頭に並べ、販売する。夫婦の連係プレイで店を盛り上げている。 「とにかく、ほかのパン屋さんがやっていないことをやらなくては、生き残っていけません」 ブランジェ・アプレの三石佳男オーナー(31)は、こう力説する。ほかのパン屋さんとは、同じ地域にあるベーカリー4店のことだ。 三石オーナーの「おいしいパンを作ることへの情熱」は相当なもの。例えば、「メロンパン」。ビスケット生地をかぶせたあとすぐにざらめ糖をふりかけ、ホイロをとる。ざらめ糖は焼成後も表面に残り、食感的にも視覚的にも独特の商品に仕上がっている。ひとつ100円で、1日50個程度売れる同店の人気商品のひとつ。 炊いたご飯を練り込んだパン生地で、肉味噌や野沢菜の漬物などを包んで白焼きにした「ごはんぱん」も三石オーナーの自信作。生地にご飯を練り込むというアイデアは人から教わったものだが、肉味噌や野沢菜などのフィリングは独自に開発した。肉味噌は、牛挽肉やごま油、玉ねぎ、しいたけなどから作る完全自家製。 野沢菜は、出来合いの漬物を火にかけて油を浮かせたあと、お湯で洗う。そのあと、しょう油、酒、みりんなどを加えて炒め、独自の味に仕上げる。 ごはんぱんは、引きが適度に強く、もちもちとした食感が特徴で、手の込んだフィリングとの相性もいい。 |

| 博美夫人がパン焼成を担当 | |
|
同店は、オーブンが売り場の奥に設置されている。パンの窯入れと窯出しが、店内の顧客の目の前で行われるのだ。作業をするのは、博美夫人で、三石オーナーが仕込み、成形してホイロをとった生地を、オーブンに投入して焼き上げる。「〇〇パン焼き上がりました」と明るく大きな声で顧客に呼びかけながら、手際よく店内の棚に陳列する。
売り場の演出も、博美夫人が取り仕切っている。「インテリアは、暖かい感じを出したかったので、オレンジ系の色でまとめました。床のタイルもオレンジ系にして、陳列棚はすべて木製にしました」と博美夫人。 三石オーナーは、埼玉県の有名ベーカリーなどで修業を積み、パン作りに対する追求心を身に付けた。 博美夫人は大手べーカリーレストランで働いた経験を持ち、顧客サービスなどを学んだ。 三石オーナーのパン作りに対する情熱と、博美夫人の顧客に対するサービス精神が一体となっていることが、同店の最大の武器だ。 |

| 近くにスーパーができ、日商落ちたが、再び盛り返す | |
|
ブランジェ・アプレは、2000年10月12日にオープン。売り場面積は約5坪。製造スペース約6坪。
スタッフは三石オーナー、博美夫人、博美夫人の母親の洋子さん、アルバイトの女性の4人。 三石オーナーが仕込みから成形、ホイロの工程までを担当、博美夫人は、窯入れ・窯出しと販売を担当する。洋子さんはサンドイッチ製造とパンの製造、販売の補助を、アルバイトの女性は販売を担当する。 競合するベーカリーが3店ある状態での船出だったが、日商最低ラインは軽くクリアする好スタートを切った。「これまでの最高日商は19万円でした。とにかく忙しかったですね」と三石オーナーはいう。 ただ、2000年12月に、近くにスーパーのいなげやができた直後は、売上がかなり減ったという。同スーパー内のベーカリーと競合したのだ。 三石オーナーは、「他店がやっていないことをやらなくては」との思いを一層強くし、「お客様に喜ばれるパン作り」に一心不乱に励んできた。その甲斐あって、現在は平均日商約10万円で落ち着いているという。 三石オーナーは「オープン当初は、ものめずらしさもあってかなりの来店客がありました。今は、オープン当初来てくれた人のうちの固定客になった人たちと、口コミで知ったと思われる新しいお客様が買いに来てくれます。新しいお客様は一定の割合で増えているようです」と分析する。 ブランジェ・アプレは、街道沿いの立地で、すぐ近くには住宅街が広がる。ただ、同店がある場所は、まだ宅地開発されておらず、すぐ回りに住宅はあまりない。鉄道の最寄駅までは、車でおよそ15分の距離。車での来店客がほとんど。 品揃えは、60〜70アイテム。客単価は約800円と高い。平均日商はおよそ10万円と健闘している。 (次ページへ続く) |

| 無駄にしません! - 余ったバゲットを利用 | |
|
メープルフレンチトースト 余ったバゲットを利用して作る商品。両端を落としたバゲットを3等分し、3等分したひとつひとつをさらに横に2等分する。バゲット1本が6つに切り分けられることになる。卵、バター、砂糖を混ぜ合わせた液体に浸して、クラムの面を上にして天板に並べ、上火210度C下火200度Cのオーブンで、約12分間、うっすらと色がつくまで焼成。粗熱をとって、上面(クラムの面)にメープルフィリング30グラムを塗る。その上に粉糖をふって出来上がり。バゲットが余った時だけ作るが、作れば作るだけ売れるという。1つ130円。
|

| 売れています! - ビスケット生地にざらめ糖かける | |
|
メロンパン よく見ると、黄色い表面に白い小さな粒状のものが無数に見える。ビスケット生地をかぶせたあとにふりかけたざらめ糖だ。視覚的にも、食感的にも同製品にインパクトを与えている。1個100円。
ビスケット部分の食感は、「サクサク」と「しっとり」の中間ぐらいの感じ。パン生地は、菓子パン生地だが、イーストの配合量が少なめだ。40グラムのパン生地に30グラムのビスケット生地をかぶせる。ビスケット生地をかぶせたらすぐにざらめ糖を上面にふりかける。ホイロは1時間30分ぐらい。 ビスケット生地の配合(グラム)は、▼食卓マーガリン800▼上白糖1100▼コンデンスミルク100▼バニラエッセンス=キャップ1杯▼全卵(Lサイズ)14個分▼バイオレット(薄力粉)2000。 作り方は、(1)食卓マーガリン、上白糖、コンデンスミルク、バニラエッセンスをビーターで軽く立てる(2)[1]に全卵を少しずつ加えながら、さらにビーターをまわす(3)最後に薄力粉を加えて、さっくりと合わせる。 |
| 普及に努めています! - 吸水多くし、しっとり感出す | |
|
フランスパン ブランジェ・アプレのフランスパンは、中身がかなりしっとりしているのが特徴。三石オーナーは「給水が69%と多いのが理由です」と話す。「生地をよく熟成させることもしっとり感の秘訣」とも。中力粉を2種類ブレンドして配合しているというが、「具体的な配合は企業秘密です」と三石オーナー。ミキシングはL5分。バゲットが200円、バターフィセルが140円など。
販売量も少しずつではあるが増えているという。「お客さんに興味を持って食べていただけるようなフランスパンを作っていきたいですね」と三石オーナーはいう。 |
| 売れています! - ご飯をパン生地に練り込む | |
|
ごはんぱん 肉味噌や野沢菜、ひじきの煮物などのフィリングを、炊いたご飯を練り込んだ生地で包み、ホイロをとって白焼きにした製品。生地はホシノ酵母で長時間発酵させる。「ごはんぱん」だけあって、フィリングは、そのままご飯のおかずにもなるものばかりだ。パンは、ほどよく引きが強く、もちっとした食感が特徴。「肉味噌」が150円、「野沢菜」と「ひじき」が130円。
生地の配合(%)は、▼Sドサンコ(内麦粉)100▼砂糖6▼塩1・5▼ホシノ酵母(生種)7▼水54。 ミキシングは、L3分(ご飯投入)M2分。ご飯を投入する前に生地の一部を取り分けて、プレーンの天然酵母生地として、山形食パンなど用に使う。捏ね上げ温度は24度C。発酵は12時間と長い。55グラムに分割して、肉味噌や野沢菜などのフィリングを包む。焼成は、上火210度C下火200度C10分。 肉味噌フィリングの配合(グラム)は次の通り。 ▼牛あい引肉500▼ごま油大さじ2杯▼長ねぎ1本▼玉ねぎ(中くらいの大きさのもの)2個▼竹の子の水煮1本▼しいたけ8個▼しょうが1かけ▼だし入り味噌大さじ5杯▼しょう油大さじ5杯▼上白糖大さじ4〜5杯▼日本酒大さじ5杯▼コチュジャン小さじ1杯▼コーンスターチ大さじ1杯半 作り方は…。(1)まず、ごま油で、長ねぎ、玉ねぎ、竹の子の水煮、しいたけ(いずれもみじん切り)を炒め、牛あい引を加えてさらに炒める(2)次に、だし入り味噌、しょう油、上白糖、日本酒、コチュジャンを混ぜ合わせて、[1]に加えさらに炒める(3)しょうが(すりおろし)を[2]に加えてさらに炒める(4)コーンスターチを水で溶いて[3]に加える |
| 工夫しています! - 店内演出にも工夫凝らす | |
|
焼き菓子 アーモンドクッキーやラスクなどは、入り口右手の3段の陳列棚に並べる。実はこれ、三石さん夫妻が、大型スーパーのガーデニング用品の売場で見つけたプランター用のラック。売場の演出を担当する博美夫人が「ウチの売場におもしろい」と、購入したものだ。
|
| 無駄にしません! - 余った生地を利用して作る | |
|
ころころチーズ ごはんぱんの生地を仕込む時にご飯を練り込む前に、山型食パンなど用として取り分けたプレーンの天然酵母生地の余りを利用して作るパン。余った生地は「老麺」としても使うがそれだけだと消化しきれないのだという。
生地を15グラムに分割して、さいの目チーズ10グラムをフィリングとして包む。ホイロ前に粉チーズをふりかける。1個30円。平台に置いておくとすぐになくなってしまうという。 |
2023年11月18日から、発行から1年を経過した記事は、会員の方以外にも全文が公開される仕様になりました。















