ベーグルと共に歩む - ふじもと - ブランスリー電子版

2026年10月21日に公表されたPHPの脆弱性(CVE-2026-109618、CVE-2026-109619)については、いずれも対策を完了しています。

ブランスリーアーカイブ(創刊号からの全記事)
記事の閲覧
<<戻る写真をクリックすると拡大写真が見られます。
業界アンテナ/2006年6月号

2023年11月18日から、発行から1年を経過した記事は、会員の方以外にも全文が公開される仕様になりました。


ベーグルと共に歩む - ふじもと

ベーグルについて語る藤本恵子会長
ベーグル輸入販売のパイオニア、ふじもとは、「このすばらしい商品を日本にしっかりと根付かせたい」と、これまで、地道に普及活動を続けてきた。そしていま、ベーグルは、ブームをはるかに超えたところで、しっかりと日本人の食生活に根をおろした。

ふじもと
東京都品川区南大井3-28-3蜂乳ビル1階
電話03-5763-8821



16年前に、ベーグルに出会った

ベーグルの原型に近いという「クーペルス」のベーグル


東京・品川区にあるふじもとのベーグル専門ショップ「The Bagels」
ふじもとが最初にベーグルを扱ったのは、いまから16年前のことになる。前会長の藤本利宏さん(故人)がある食品関係の展示会で知り、そのおいしさに感動したのが始まりだった。
「今までになかった味、素朴で小麦粉のおいしさが存分に引き出されている」と思った。
 そのベーグルは、アメリカのペトロフスキー社のベーグルだった。ユダヤ系アメリカ人が興したベーグルメーカーだった。
ペトロフスキー社の幹部が、ふじもとの事務所にはるばる訪ねてきた。同幹部らは一様に感動していた。
 「それまで5年間、日本のいろいろな会社に売り込んでいたんだそうです。でも、『日本では売れない』とことごとく断られていたんだそうです」と、前ふじもと会長の夫人で、現会長の藤本恵子さんはいった。
 当時、日本には、日本在住のアメリカ人が経営するフォックスベーグルがあったが、ベーグルはまだまだ一般的なパンではなかった。
 ふじもとは、ペトロフスキー社の日本の総代理店になった。
 ふじもとの考えは、「目先の利益にとらわれず、ベーグルを理解してくれる人を
多く育てていきたい」ということだった。



初めてパイロットショップを出した

玉ねぎとポピーシードが入った「オニオン」。ペトロフスキー社の焼成冷凍の製品。
 1993年に原宿の竹下通りに、初めてパイロットショップを出した。「とにかく、お客様の反応が知りたいという思いでいっぱいでした」と藤本会長はいう。
 ただ、客層が、若すぎたのと、場所柄、一元客が多かったことがあって、「食事のパン」としてはとらえてもらえなかった。
 「ベーグルを理解してくれる人たちを育てていく」という目的は完全には達成できなかった。
 しかし、竹下通りから一歩奥に入ったところに住む地元の人たちが、常連客になってくれた。
 「生まれ育った場所がこんなになってしまって、竹下通りには絶対行きたくないと思っていましたが、あなたのお店ができたので久しぶりに出てきたんですよ」などと声をかけてくれた。
 「分かっていただける人は確かにいる、という実感を得ることができたのは大きな収穫でした」と藤本会長は話した。



ベーグル専門店が相次いで登場

ローストした玉ねぎを練り込んだ「オニオン」。ペトロフスキー社の冷凍生地を店舗で焼成。
 ふじもとは、ある大手スーパーから、べーグルを販売したいので、卸してほしいと頼まれたことがあった。しかし、断った。
 「全国で販売すれば、その量もかなり多くなったわけですが、その当時のスーパーのパン売り場の状況を考えたときに、『まだ、べーグルを本当に理解してもらえる状態ではないと考えたんです」(藤本会長)
 1994年に東京・広尾にショップを出した。今度は商品と客層がマッチした。評判が評判を呼び、多くの固定客がついた。テレビや雑誌などのメディアの取材が相次いだ。ベーグルの認知度も少しずつ上がっていった。話題の食品として注目を浴びるようになった。
 ふじもとは、1999年に、東京・有楽町のデパート内にも店を出した。
 この頃から、大手コンビニチェーンがべーグルを商品化したり、べーグル専門店が相次いで登場するなどして、べーグルの認知度が急速に高まっていった。



ベーグルの原点回帰

シナモンとレーズンが入った「シナモンレーズン」。メイプルリーフ社の製品。


数多くのベーグルが、ベーグル専用のショーケースに並ぶ。
 「シンプルで、乳製品や卵を使わないので、健康志向にマッチしたことが大きかったと思います。でもそれだけではここまで普及はしなかったと思います。ご存知の通りべー
グルは生地を湯通しして作るわけですが、そのときに、たんぱく質が甘みに変わります。また、一般的なパンとは違う、べーグルの独特の食感が日本人に好まれたのでしょうか。加えて、海外旅行が一般的になり、アメリカのべーグル文化を体験した人たちが増えたことも理由のひとつでしょう」
 藤本会長は、日本でのべーグル普及の理由についてこんな風に話してくれた。
 「ただ、最近は、アメリカでさえ、機械化が進み、湯通しの工程をスチームを生地にかけることで代用したりして、製法が多様化しています。私たちから見ると『これはちょっと』というべーグルも多く見られるようになりました」とも話す。
 ふじもとは、ペトロフスキー社以外にも、カナダのメイプルリーフ社から、ふじもと仕様のべーグルを輸入するようになった。
 また、日本に自社工場を持ち、「クーペルス」というブランドのべーグルも製造している。
 「クーペルス」は、ユダヤ人の食べ物であるべーグルの原型に近いもので、食べ口はかなりハードなタイプで、昔から伝わる伝統的な製法で作っているという。
 「ベーグルも、その普及と共に、味や食感がかなり多様化してきています。そんなときだからこそ、私達は、より原型に近いハードタイプのベーグルを自社工場で作り、提案していきたいと考えました」
 現在、ふじもとは、多くの食品店やレストランなどに焼成冷凍や冷凍生地の形で、ベーグルを販売しているほか、東京・品川区、JR京浜東北線・大森駅近くにベーグル専門ショップを構える。また、インターネットショッピングモールの楽天に店を構え、インターネット通販も行っている。

原価計算女王
原価計算女王

2023年11月18日から、発行から1年を経過した記事は、会員の方以外にも全文が公開される仕様になりました。

今月の公開記事

  1. POLINの高性能オーブンを日本市場へ 。450℃の焼成力と緻密なヒーター制御 - スズキ産業の下河拓磨社長
  2. 見やすい売り場と旬の味で、地域が誇れるベーカリーへ - アリマベーカリー
  3. 「ちいかわ」の世界観を表現したパンと店づくり - ちいかわベーカリー
  4. 掲載から1年を経過した記事は、会員の方以外にも全文を公開しています。
    ブランスリーアーカイブ
ブラ立ち読み
(記事の無料メール配信)
詳細はこちら