全員が自分の役割を熟知して、試合の進行状況を把握し、最も適した行動をとる - ブーランジェリークーロンヌしんかしわ - ブランスリー電子版

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お店拝見/2006年5月号

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全員が自分の役割を熟知して、試合の進行状況を把握し、最も適した行動をとる - ブーランジェリークーロンヌしんかしわ

売り場は天井が高く、ゆったりとした空間だ。中二階があって、様々な調度品が置かれている。
住所 千葉県柏市新柏4‐12‐9
電話 04‐7163‐6620
最寄り駅 東武野田線・新柏駅
最寄り駅からの距離 徒歩15分
営業時間 午前6時30分〜午後7時
定休日 月曜日
店舗面積 35坪(製造スペース25坪、販売スペース10坪)
品揃え 約110品目
客単価 960円
日商 平日46万円、土日90万円
スタッフ 15人(製造8人、販売常時平均7人)



暇な時間帯にいかにして動きを出すか

温かみを演出した店構えが、街並みの中で、ひときわ目立つ。


中央に大きな平台があって、売れ筋商品が並ぶ。品出しをするスタッフの動きは機敏だ。
 「スタッフそれぞれに役割を与えて、任せるところは任せ、指示を出すところは指示を出す。各スタッフの良さが最大限に発揮できるように調整する。私の役割はそんな感じです」
 昨年12月にオープンした「ブーランジェリークーロンヌしんかしわ」の店長、鹿野大介さんはこういって目を輝かせた。
 スタッフは、製造が社員6人、パート2人。販売は平均して常時7人。土日は日商90万円を売り上げ、売り場も厨房も戦場と化す。
 「15人のチームで大接戦の野球の試合をしているようなものですね」
 鹿野さんはさしずめ、プレーイングマネージャーだ。「全員が自分の役割を熟知し、試合の進行状況を常に把握し、その時々で最も適した行動をとる」というのが鹿野さんの理想形だ。レジは2台。最も忙しい土日の昼時には、1台のレジに3人がつく。販売の残りの1人が品出しを担当。それでも間に合わない場合は、製造スタッフが何人か売り場に出る。誰が出るかは、チームワークでその場で瞬時に決まる。一人一人が常に状況を把握しながら動いているので、阿吽の呼吸で配置場所がそのつど決まっていくのだ。迷いが出たときだけ、鹿野さんが指示を出す。
 平日のアイドルタイムであっても、各スタッフは動きを止めない。品出しや棚の商品の整理、並べ替えなどを行う。製造と販売の垣根を取り外し、パンを作って顧客に手渡すまでのすべてのことに全員が関心を持つ。
 「忙しいときにはスタッフに活気があって当然ですが、比較的暇なときにどうやってスタッフの動きをキープするかが、大切だと思うんです」と鹿野さんはいった。



購入したパンを「切ります、温めます」

店の前に設けられたオープンテラスは、常連客の憩いの場所になっている。


看板の前で、店長の鹿野大介さん。


石窯のコーナーに「切ります。温めます」と掲げられていた。


入店してすぐに看板商品の「こだわりカレーパン」と「パリパリ豚まん」が陳列されていた。
 ブーランジェリークーロンヌでは、顧客とのコミュニケーションを図るために、様々なサービスを実施している。
 そのひとつが、パンを食べやすい大きさにカットして提供することだ。要望があれば、さらに少しだけオーブンに入れて温めて提供する。
 同ベーカリーには、30席が設置されたオープンテラスがあって、購入したパンをそこで食べる客が多く、そうした客からパンを食べやすい大きさにカットしてほしいという要望が多いという。
 1日30人程度は、「カットしてください」といってくるという。
 パンをカットするのは、売り場に面して設置された石窯の前にある作業台だ。作業台の前には、石窯で焼き上げた様々なパンを陳列するコーナーがある。
 カットしている間は、顧客と会話を交わす絶好の機会になっている。
 「欠品カード」も顧客とのコミュニケーション実現のための有効なツールだ。
 名刺の大きさのカードに、欠品していた商品の名前を書き込んで顧客に渡し、次に来店したときにその商品を20%引きで販売することを約束する。
 遠くから来店して、「〇〇パンがほしくてきたのに本当に残念だ」などと嘆く客に、スタッフが誠意をこめて謝りながら、そっと欠品カードを渡す。欠品カードは各スタッフが持っていて、それぞれの裁量で渡していいことになっている。
 「『今日はもう全部売れてしまいました。すみません』だけで済ませてしまうより、『この商品は人気があるので、3時には大体売切れてしまいます。午前中だったら、必ずありますから』とか『もし、絶対に買いたいというときは前もってお電話をいただければ、とっておきます』などと説明して、そっと欠品カードを差し上げる方が、お客様の印象は絶対にいいと思いますから」と鹿野さんは説明してくれた。
 顧客が持つトレーにも常に注意を払っている。
 例えば、子供連れの顧客が、片手で子供の手をひいて、もう一方の手でトングとトレーを持っていたら、スタッフが手を差し伸べ、トングとトレーを持って、顧客にかわってパンをとってまわる。また、トレーにパンがたくさんのっていたら、「お預かりいたします」といって、新しいトレーを渡す。
 「常にお客様の立場に立って考え、気遣いを怠らないように、自分にもスタッフにも言い聞かせています」と鹿野さんはいった。



ハード系の売れ行きが予想以上に好調
カレーパンは、1日には500個売れる

牛ばら肉と牛筋肉を使った自家製カレーフィリングを包んで揚げた「こだわりカレーパン」


豚まんの具をフランスパン生地で包んで焼成し、さらに春巻きの皮で包んで揚げた「パリパリ豚まん」


50センチぐらいの長さのソーセージに、フランスパン生地を巻いて焼き上げる「ソーセージフランス」


ルバン種を配合し、香りを大切にした「食パン」


店内は、客が動くスペースが広く、ゆったりとパンを選べる。
 ブーランジェリークーロンヌは、屋根の傾斜する面がそのまま天井になっていて、広々とした空間を実現している。中二階のような場所があって、様々な調度品を飾り、楽しさを演出。中央に大きな平台を配し、その周りを陳列棚が囲む。奥には石窯が設置され、その前の陳列台は、石窯で焼くハード系のパンなどが並ぶ「石窯パンのコーナー」になっている。
 別の一角にはフルーツなどを使った生ジェラートを販売するコーナーもあった。この生ジェラートは、毎日製造し、その日のうちに販売するという。
 パンの陳列棚や陳列台には様々な商品が並んでいた。
 「こだわりカレーパン」(160円)は、牛ばら肉と牛筋肉を使った自家製カレーフィリングを包んで揚げた商品で、多い時は1日500個以上売れる超人気商品だ。1回に12個ぐらいずつ、多い日は、1日40〜50回は揚げるという。
 「パリパリ豚まん」(160円)は、豚まんの具をフランスパン生地で包んで焼成し、さらに春巻きの皮で包んで揚げる。1日200個程度は売れる人気商品だ。
 「食パン」(1斤200円)も人気だ。シンプルな配合だが、ルバン種を配合することで、コクと風味を出した商品だ。保水性が高いのも特徴という。1日3斤棒で50本は焼くそうだ。
 石窯で焼くハード系のパンも人気が高い。「バゲット・カンパーニュ」(220円)は、ライ麦粉を20%配合。小麦粉から起こすルバン種をベースにオーバーナイト発酵で作る。積極的な提案が功を奏し、予想以上に売れているそうだ。
 パン・ド・セーグル、バゲット・カンパーニュなどの生地にナッツやドライフルーツなどを練り込んだ商品がハード系の売れ行きの牽引役になっている。
 「フルーツライ」(320円)は、パン・ド・セーグルの生地に、アーモンドやくるみ、レーズンなどを練り込んだ商品で、人気が高い。
 バゲット・カンパーニュの生地に、フィグとオレンジピールを練り込んだ「フィグオランジュ」(200円)も人気商品のひとつだ。
 50センチぐらいの長さのソーセージに、フランスパン生地を巻いて焼き上げる「ソーセージフランス」(250円)は、「生地を薄くして、ソーセージの味を楽しんでもらおうと考えた」(鹿野さん)商品。
 鹿野さんは「当店は、ハード系のパンがとてもよく売れるんです。石窯で焼くと皮がパリッと薄く仕上がりますね。中身は、もちもち感が強くなるように思います。旨味と風味が特別に違います」と話していた。



バゲット・カンパーニュ
ライ麦粉を20%配合。小麦粉から起こすルバンも20%入れる。積極的な提案が功を奏し、とてもよく売れているという。

【配合%】
グランクロア(フランスパン用粉)……80
ナチュラル(ライ麦粉)………………20
ゲランドの塩………………………2・3
水……………………………………70モルト………………………………0・2
ルヴァン・リキッド……………………20
インスタントイースト………………0・2
【工程】
ミキシング………………L3分M10分
捏ね上げ温度…………………24度C
フロアタイム………………1時間30分
分割……………………………240グラム
ベンチタイム…………分割後一晩冷蔵
成形…………………………バゲット形
ホイロ………28度C75%1時間10分
焼成……………………………上火240度C下火210度C22分(スチーム注入)

フルーツライ
パン・ド・セーグルの生地にアーモンド、くるみ、レーズン、オレンジピールなどを練り込んだ商品。

【配合グラム】
グランクロア(フランスパン用粉)…1446
ナチュラル(ライ麦粉)……………620
ゲランドの塩…………………………48
水…………………………………1404
モルト………………………………4・1
ハチミツ………………………………62
ルヴァン種(TA160)……………413
インスタントイースト………………4・1
アーモンド…………………………600
くるみ………………………………600
レーズン…………………………600
オレンジピール……………………500
レモンピール………………………100
【工程】
ミキシングL3分M10分(アーモンド、くるみ、レーズン、オレンジピール、レモンピール投入)L2分、捏ね上げ温度24度C、フロアタイム1時間30分、分割250グラム、ベンチタイム→分割後一晩冷蔵、成形ナマコ形、ホイロ28度C75%1時間30分、焼成上火240度C下火210度C25分(スチーム注入)

原価計算女王
原価計算女王
フィグオランジュ


バゲット・カンパーニュの生地にフィグとオレンジピールを練り込んだ商品で、食べやすくハード系の普及に一役買っている。

【配合グラム】
バゲット・カンパーニュの生地2キロに対して
フィグ………………………………600
オレンジピール……………………200
※フィグは、赤ワインに砂糖を加えたものに漬け込んで使用する。
【工程】
ミキシング……………………L3分M10分(フィグ、オレンジピール投入)L2分
捏ね上げ温度…………………24度C
フロアタイム………………1時間30分
分割……………………………150グラム
成形…………………………ブール形
ホイロ………28度C75%1時間30分
焼成……………………………上火240度C下火210度C22分(スチーム注入)


2023年11月18日から、発行から1年を経過した記事は、会員の方以外にも全文が公開される仕様になりました。

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