インターネット通販の可能性を探る - ブランスリー電子版

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特集/2005年8月号

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インターネット通販の可能性を探る




森のパン屋tuk−tuk

森のパン屋tuk−tukのウェッブショップトップページ


人気の「カレンズ&くるみ」を紹介するページ


「玄米キッシュ」を紹介するページ


夏限定の「とうもろこしパン」を紹介するページ
岩手県岩手郡雫石町長山林ノ沢179-3
電話 019-693-1385
http://www.rakuten.co.jp/tuk-tuk/

岩手県岩手郡雫石町の森のパン屋tuk−tuk は、今年1月にパンのインターネット通販を始めた。ネット通販最大手の楽天市場に出店したのだ。

プレゼント企画で、人を集める
出店の目的は、「冬場対策」だった。
 同ベーカリーは、人里離れた森の中にあって、冬になると雪が降り積もり、顧客が来店できなくなってしまうのだ。
インターネット通販は、商品の写真と説明文を出しておけば売れるというものではない。売上を伸ばしていくには、それなりの働きかけが必要だ。
 同ベーカリーオーナーの藤澤博子さんは、「プレゼント企画」を行った。20日間ぐらいの期間を設定して、サイト閲覧者に参加を募り応募してもらう。応募する条件は、パンを2000円分以上注文すること。注文のパンの発送は、プレゼント企画の期間が終わるまで待ってもらう。
 応募者の中から抽選で何人かに商品券をプレゼントする。実際には当選者には、パンの注文金額から商品券の額を引いた額を請求し、注文のパンを発送する。当選から漏れた人に対しては、パンの注文金額をそのまま請求し、パンを送る。
 出店からまもなく、このプレゼント企画を実施したところ、20日間で3500人から応募があったという。
 プレゼント企画には、パンを買ってもらい、店を知ってもらうということ以外に、もうひとつの目的がある。
 「多くの人に足跡を残していただくことで、新商品が出たときや、何かイベントを実施する際などにお知らせのメールを出すことができるんです。メルマガの読者を多く獲得することはとても重要なんですよ」。藤澤さんはこう説明してくれた。
 「共同購入」という方法もある。
 ある商品について、購入者を募って、何個以上注文があったときはいくら、何個以上はいくら、という具合に、注文数に応じて価格を決めるという方法だ。
 注文数が多くなればその分、価格も安くなるという仕組み。
 「共同購入は月に1、2回実施しています。出す商品によっても違いますが効果は大きいと思います」(藤澤さん)

「それでもほしい」という人のために
 森のパン屋tuk-tukは、店名が示すとおり、岩手県岩手郡の森の中にあるベーカリーだ。
 小麦粉は、岩手県産のナンブ小麦だけを使用。酵母は、藤澤さん自身がレーズンから起こしたものを使っている。
 「ふわふわしたパンよりもしっかりとした食感の食事パンが好き」という藤澤さんが作るパンは、周りにそのようなパンを販売する店が少ないこともあって、かなり広い範囲から多くの人が買いにやってくる。
 ただ、冬になると雪が降り、顧客が来店したくても来店できなくなってしまうことがしばしば。このことが、インターネット通販を始めた理由だった。
 「インターネット通販の場合は、お客様に届くのは早くて発送した翌日です。また、送料もかかるし、不利なことも多いのですが、それでもほしいといってくださる方も多いんです」
 現在、ネット通販では、およそ30品目を販売。人気トップ3は、パイ生地の底に、有機玄米と古代米を炊いて敷き、その上に夏野菜のラタトゥーユとチーズをのせて焼いた「玄米キッシュ」(189円)、夏限定の「とうもろこしパン」(105円)、カレンズとくるみを練り込んだ「カレンズ&くるみ」(504円)だそうだ。
 藤澤さんは「当店の場合は夏がとても忙しくて、ネット通販に割ける時間が限られてしまいます。いまは、冬に備えて、いろいろとネット通販の企画を考えているところです。パンは買う人の好みでその価値が決まります。好みのパンが近くに売っているとは限らないと思います。その意味でインターネット通販を利用すれば、日本中から自分の好みのパンを探して買うことができます。そこが優れたところだと思います」と話している。



PAIN D'ARTISAN Nicolas

パンダーチザンニコラのホームページのトップページ


ネット通販のパンを紹介するページ。


杉山さんはブログで、日々の思いを綴っている。


通販に対する取り組み姿勢について説明しているページ。
茨城県水海道市渕頭町2988-103
電話 0297-23-0025
http://www11.ocn.ne.jp/~nicolas/

茨城県水海道市のPAIN D'ARTISAN Nicolas(パンダーチザンニコラ)は、約1年半前にインターネット通販を始めた。基本的に月に一度行う「限定セット」が、人気を呼んでいる。

イーストを減らして発酵を長く
 「パン好きで、インターネットをやっていて、好きなパンをネットで購入する人たちは、思っていたよりずっと多いことがわかり、びっくりしています」。パンダーチザンニコラオーナーの杉山洋春さんはこういって、目を輝かせた。
 最初は、ネット通販には消極的だった。「パンは生鮮食品だし、店まで買いに来ていただくのがベストだと思っていました」(杉山さん)
 「遠くて中々買いに行けないので、送ってほしい」とう要望があっても、「最もいい状態でパンを手渡したいので」と断っていた。しかし、「送ってほしい」という要望があまりにも多く、ついにホームページの中に通販用のページを作った。
 「通販できない商品と、何とか通販でも大丈夫かな、という商品があると思い、いろいろと検討しました」
 現在、同ベーカリーがネット販売している商品は、リュスティック(200円)、ベルリーナラントブロート(350円)、パン・ド・カンパーニュ(800円)、フォルコンブロート(450円)などのハード系のパン、「ウィークエンド」(700円)、エンガティーヌ(220円)などの焼き菓子などおよそ25品目。
 日がたっても品質が劣化しづらくするために、イースト量を減らして発酵時間を長くするなど、実店舗で販売する商品とは製法を少し変えている商品もある。少しでもいい状態でパンを食べてもらいたい、という杉山さんの思いは強い。
 頼まれても、ネット通販は行わない商品もある。デニッシュとクロワッサンがそうだ。「箱に入れて送ると、表面のばりばり感がなくなってしまうからです。それがデニッシュとクロワッサンの命だと思っていますから」(杉山さん)
 このことは思わぬ効果をもたらした。ネット通販のリピーターが、どうしてもデニッシュ、クロワッサンがほしいといって、実店舗まで買いに来てくれることが少なくないのだ。
 杉山さんは「インターネットには、パンが好きな人たちのコミュニティーがたくさん存在します。そうした人たちの多くは、ホームページを持っていたり、ブログをやっていたりして、ご自分でパンについてのいろいろな情報を発信し、交換しています。そして情報はものすごいスピードで伝わります。私も、そういう人たちのサイトを覗いて、参考にすることもあります」という。
 インターネット上で情報をやりとりするパン好きの人たちは、パンと同時に、パンを作る職人にも興味がある。杉山さんは、自分のホームページの掲示板やブログなどで、そうした人たちとのコミュニケーションを小まめに図っている。メールでのやり取りも多い。その上で、そうした人たちが実店舗に来店すれば、直接話をする。
 こうしたコミュニケーションのプロセスを経て、同ベーカリーのファンは増えてきた。

月1回の「限定セット」が人気
 同ベーカリーには、これらの商品のほかに、販売期間を限定した「限定セット」があり、人気を集めている。1回ごとにセットの内容が変わり、価格は2000〜3000円だ。製造して発送する期間を4日間設けて、最初の発送日から2日前までの1週間で注文を受ける。最低で50セット、多いときだと100セット以上の注文が入る。
 杉山さんが次の「限定セット」用の商品として考えているのは、様々なドライフルーツを使ったパンだ。「めずらしいドライフルーツが手に入ったのでそれを使って、面白いパンができないかと、現在検討中です」
 杉山さんにとって、毎回、限定セットとして出す商品を考えるのは、大変だが、同時にとても楽しくもある。
 同ベーカリーのネット通販の顧客は、その多くがリピーターで、限定セットを、毎回買い続けている人も少なくない。
 杉山さんは「インターネットでパンを買う人が多くなってきた理由の一つに、買う側がパンの保存方法を工夫して、日にちがたってもパンをおいしい状態で食べる方法が普及したということがあると思います。冷凍保存する方法にしても、いろいろ工夫されているみたいです。焼き戻しの技術がどんどんパン好きの方の間で発達していますよ」と話す。
 杉山さんが考えるインターネット通販の利点は、まず、商圏が広がること。「ウチは半径500メートル以内にお客様はほとんど住んでいませんから」
 また、注文生産なのでロスがなく、少なからず売上に貢献すること。さらに、実店舗とは違った意味で顧客とのコミュニケーションを深められることだ。「面と向かってはいえないこともメールでのやり取りだと素直に言える場合が多いんですよ」





原価計算女王
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