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| お店拝見/2001年1月号 |
2023年11月18日から、発行から1年を経過した記事は、会員の方以外にも全文が公開される仕様になりました。
| 顧客第一主義を徹底させる - パン工房クーロンヌ新守谷店
茨城県北相馬郡守谷町松前台2-9-2、電話0297-46-1626、営業時間 午前6時30分〜午後7時 木曜定休
パン工房クーロンヌは、顧客の視点に立ってパン作りをするベーカリーだ。顧客は焼いてから時間がたったパンより、焼きたてのパンの方がいいはずだから、焼きたてを提供する。帰りの車の中で、コーヒーが飲めたら喜ぶはずだから、コーヒーを無料で提供する。田島浩太社長の、顧客の立場でものごとを考えられる想像力が、同店の最大の武器だ。 |

| 顧客が、時間がたったパンを買おうとしたら、焼きたてと交換 | |
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パン工房クーロンヌは、顧客に焼きたての温もりを提供しようという姿勢が徹底している。例えば、同ベーカリーで最も人気が高い「本熟カレーパン」(100円)。1日240個売れる人気商品で、毎日10数個ずつ20回程度揚げるが、揚げ上がるたびに、スタッフが「カレーパン焼きたてです」と大きな声で言いながら、製造スペースから売り場に運んでくる。
揚げ上がった時に、前に揚げた商品が残っている場合は、揚げたてを顧客に買ってもらうために、古い商品の手前に並べる。レジに並んでいる顧客のトレーに、古いカレーパンがのっていると、スタッフが声をかけて、揚げたてと交換する。 田島社長は「お客様は、カレーパンをトレーにのせてレジに並んでいる時に、揚げたての同じ商品が製造スペースから出てくるのを見れば、揚げたてが欲しいと絶対に思うはずです。だから、揚げたてと交換させてもらうのです」と話す。 前に揚げたカレーパンは、廃棄するのではない。田島社長は「ある程度時間がたって冷めた時は、前に揚げたものも、その次に揚げたものも価値は同じになります。だからその時は一緒に並べて販売します」という。理にかなった考え方だ。 |

| コーヒーの無料サービスも実施
コーヒーの無料サービスも、顧客の視点に立って思いついたアイデアだ。同店では、入り口を入ったすぐ右手に、コーヒーサーバーと紙カップを置き、セルフサービスで顧客に無料提供している。田島社長は「車で買いに来る人が多いので、帰りに車の中で飲んでいただけるし、パンの焼き上がりを待っているお客様にも飲んでいただけるんです」と説明する。
コーヒーサーバーの隣には、コーヒー豆が置かれ、こちらの方は販売している。コーヒーを無料でサービスする経費をコーヒー豆の販売で埋め合わせることができれば、それで充分なのだという。 パンの試食提供にも力を入れている。新商品を出した時はもちろん、顧客にとってあまり馴染みがないと思われるパンについては、すべて試食用に小さく切ったものを、手前に置いている。 「お客様は、パンを見て興味を持った時に、買う前にどんな味なのかを知りたいと思うはずです。お客様が望むことはすべて実行します」と田島社長は淡々と話す。 |

| 商品についての情報を詳しくわかりやすく表示 | |
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パン工房クーロンヌではすべての商品について、「甘さ度」と「添加物使用量度」を表示している。「甘さ度」は、0から5までの6段階、「添加物使用量度」は0から3までの4段階で表示。
例えば、「レーズンシュクレ」(100円)は、甘さ度3、添加物使用量度0、といった具合い。また、卵と牛乳を使用しているかどうかも、イラストを使って、すべてのパンについて表示している。プライスカードに卵と牛乳のイラストが印刷されていて、使っていない商品については、イラストにバツ印がついているのだ。 こうしたことも、「顧客が何を求めているかを常に考えることが大切」という田島社長の信念から実 行していることだ。 同店では、製造スペースと売り場をつなぐ場所に作業台を置き、天板で焼いたピザをカットしたり、焼き上がったパンを半分にカットしたりする作業を行っている。顧客にパンを製造しているという臨場感を感じてもらうのが狙いだ。 製造スタッフには、顧客の視線の中で顧客の声を聞きながら仕事をすることで、顧客を意識したパン作りを学んでいく。田島社長は「製造現場と売り場をつなぐ掛け橋です」と話す。 |
| 顧客に、喜びと感動を与える
同店の社是は「パンを通してお客様に喜びと感動を与える」こと。「ベーカリー経営において、無意味な非効率は絶対に避けなくてはならないが、お客様に喜んでもらうための非効率は進んで実行します」と田島社長はいう。
同社長はさらに、「社員全員が、パンを通してお客様に喜びと感動を与えたいと自然に思った時に、初めて価値あるベーカリーになれるのだと思います。雨の日にお客様が乗ってきた自転車のサドルを、自然にふけるような社員を育てるために、日々努力しています」と自らに言い聞かせるように話す。 こうしたことは、強制的にやらせても効果がなく、「先ず自分が率先してやることが先決」なのだそうだ。会社全体が、「お客様のために何ができるかを考えるようになれば、そうしたことになじめない社員は、自然に辞めていくのだ。 パン工房クーロンヌ新守谷店は、街道沿いの立地。売り場面積が約8坪、製造スペースが約20坪。品揃えはおよそ88品目で、平均日商は、平日で約28万円、土、日で約50万円という。 製造は社員4人、販売も4人。製造スタッフは、販売も担当する。 |
| 様々な新しいパンを提案 | |
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パン工房クーロンヌは、顧客が何を求めているかを常に考え、売れ筋の定番商品に力を注ぐほか、様々な新しいパンも提案している。パンの味や食感はもちろん、見た目のインパクトやネーミングの面白さなども追求し、顧客に喜びと感動を与えている。
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| 売り出し中です! - トマトの味と色が爽やか | |
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トマトブレッド ドライトマトと水煮のトマトを生地に練り込んだパン。オリーブオイルも練り込みイタリアンテイストを出している。ホールが280円。ハーフカットが140円。「お客様が、『今日は普段と違う食事を』と思って、パンを買いに来た時に買ってもらえるようなパンも必要です。日常のパンというより、非日常のパンですね」と田島社長。同店が販売に力を入れているパンのひとつ。
配合(%)は、フランスパン用粉(リスドオル)100、上白糖4、塩1・8、粉チーズ3、ドライトマト5、オリーブオイル6、バジル0・1、水50、水煮トマト(ホール)10、生イースト2。ドライトマトとバジルは1週間前から、オリーブオイルに漬けておく。ミキシングはL3分M3分(トマトが混ざるまで)。生地重量は240グラム。焼成時には、蒸気を注入。 |
| 感性が勝負です! - 店内演出に力を入れる! | |
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田島社長が自ら作ったバゲット、カンパーニュなどのハード系のパンと、松ぼっくり、りんごなどを配置して、店の雰囲気を盛り上げている。田島社長曰く。「私の自信作です!」=上の写真
取材時は、クリスマス直前だったので、店内は様々なグッズで、クリスマスの雰囲気を演出。こうしたグッズは、社員が持ち寄ったものだ。=下の写真 |
| 売り出し中です! - ひじきの煮物をパンで再現 | |
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大豆とひじきのパン 食パン系の生地に、大豆の水煮、ひじき、きな粉、黒ゴマを練り込んだパン。クーロンヌ天王台店で1日20個程度売れるという。1個100円と割安感がある。
配合(%)は、強力粉(カメリヤ)100、きな粉5・3、三温糖3・5、塩1・8、インスタントイースト1・1、黒ゴマ3・5、ひじき1・8、大豆26・3、水66・7、バター7。 ひじきは水でもどして、バター20グラムで炒めた後、塩、こしょうを絡める。 工程は、L3分M3分(バター投入)L3分M8分(ひじき、大豆、黒ゴマ投入)L3分、捏ね上げ温度26〜28度C、発酵1時間、分割150グラム、ベンチタイム30分、焼成時に蒸気注入。 大事にしています - 主力ではないが必要な商品 いちじくのケーキ いちじくとくるみを生地に練り込んだ焼き菓子。生地の配合はパウンドケーキに近い。ホールが400円で、ハーフカットが200円。ホールの生地重量は190グラム。田島社長は「ベーカリーにとってメインの商品ではないが、必要な商品」という。「焼きたてを追及していると、どうしても商品が手薄になる時間帯が出てきます。焼き菓子は、焼き上げてから1週間程度は販売できるので、商品が手薄になった時の品揃え強化に役立ちます」と話す。 配合(グラム)は、薄力粉(バイオレット)2000、ベーキングパウダー60、上白糖1360、無塩バター(ホイップ)1000、全卵16個分と牛乳の合計重量1500、塩20、ドライいちじく1000、アーモンドスライス(ロースト)100、くるみ(ロースト)1000。 いちじくはへたをとり、半分にカットし、沸かしたラム酒100グラムに漬して、一晩置く。アーモンドは、沸かしたラム酒50グラムに漬して、一晩置く。ベーキングパウダーと薄力粉はふるいにかける。 |
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