季節感の演出に全力注ぐ。固定客を飽きさせない店作り - ラ・フーガス - ブランスリー電子版

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お店拝見/2001年1月号

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季節感の演出に全力注ぐ。固定客を飽きさせない店作り - ラ・フーガス

入り口脇にシュトーレンについての説明を掲げ、普及に努めている


シュトーレンはレジ前に並ぶ


トナカイのそりに乗ったサンタクロースを飾りパンで表現
 ラ・フーガスは、四季の旬の素材を活かしたパン作りに励み季節感を打ち出すことで、固定客の支持を得ている。季節ごとに厳選した素材を、トッピングやフィリングに使った商品の開発に余念がない。顧客を飽きさせないために何をしたらいいかを常に考え、店内ディスプレイにも力を注ぐ。定番商品にも全力投球。そうした努力の積み重ねが、店に活気を与えている。

 東京都世田谷区梅丘1-21-2、電話03-3429-0121、営業時間 午前7時30分〜午後8時15分 火曜定休
 ラ・フーガスは、シーズンごとに、季節感を打ち出した様々な商品を店頭に並べる。2000年春には、「菜の花とたけのこのキッシュ」(180円)や、アスパラをブリオッシュ生地に巻き込んだ「アスパラブリオッシュ」(150円)などを商品化し、人気を呼んだ。
同年夏は赤と黄色のパプリカ、なす、トマトなどをカレー味に炒めたものを、ホイロ後にトッピングして焼成した「夏野菜のクロワッサン」、スパイスを利かせたカレーフィリングとプチトマトをハーフカットしたものを包み、コーンフレークをまぶして揚げた「焼きカレーパン」などを製造販売した。
年末の現在は、シュトーレンの販売に全力を注いでいる。
 ラ・フーガスの仁札正男社長が、季節感にこだわるのには理由がある。同社長が目指すのは、梅丘の住人に永く愛されるベーカリー。「毎日でも買いに来てもらうには、飽きがこない店作りをすることが絶対条件です」という仁札社長にとって、季節感を打ち出した商品は、「願ったりかなったり」の商品なのだ。
 普通の新商品を出した場合、すべてが定番商品になるわけではない。「新商品は定期的に出したいと考えています。ウチは、そんなに広い店ではないので、新たに新商品を投入しようとすると、どうしてもいくつかのアイテムをやめざるを得ません。動きの悪い商品をやめることになるのですが、そうすると少数ながらその商品のファンの方が残念がるんです」と仁札社長はいう。
 それに比べて、季節限定の商品は、季節が過ぎて製造販売を中止しても、自然に顧客に受け入れてもらえるというわけだ。「1年たって同じ季節がやってきた時までのお楽しみ、ということになるんです。同じ製造販売の中止でも、売れないからとう消極的な理由ではなく、また来年のお楽しみ、という積極的な理由になるんですよ」と仁札社長は話す。



ディスプレイも季節感大切に!

 季節感の演出は商品だけではない。店内ディスプレイにも努力を怠らない。現在は、トナカイのそりに乗ったサンタクロースの飾りパンや、同じく飾りパンのクリスマスツリーなどで、クリスマスの雰囲気を演出している。雪は綿で表現。入り口脇には、本物のクリスマスツリーを置いている。
 同店は、クリスマスシーズンには、シュトーレンのPRに全力を注ぎ、1999年のシーズンには合計で700個を販売するまでに、同商品を育て上げた。地道に普及活動を続けてきた成果だ。



定番商品は、店の土台。品質安定が、最大関心事

カレンズをふんだんに使ったノア・カレンズ


計り売り商品のプチクロワッサン
 季節感を打ち出した商品開発も、品揃えの大部分を占める定番商品がしっかりしていて、初めてできることだ。仁札社長は、パン製造で最も気を使っていることは、と問われて「製品の品質の安定です」と答える。「そのためには、月並みですが、手を抜かないでていねいに作ることが大事です」と話す。
 最も力を入れているのは、フランスパンや食パンなどの食事系のパンだ。フランスパンは、バゲット(230円)、バタール(同)、リュスティック(240円)、シャンピニオン(60円)など約7品目。年を追うごとに少しづつではあるが、着実に販売量が増えているという。
 食パンは、「パン・ド・ミ」(220円)、「角食」(同)の2アイテム。着実に売れる商品だ。
定番人気商品はまだまだある。
 「ノア・カレンズ」(ホール800円、ハーフカット400円)は、フランスパン用粉、強力粉、ライ麦粉、ギリシャ産カレンズ、くるみなどを配合し、自家製の天然酵母で長時間発酵させて作るパン。ミキシングは控えめ。カレンズは対生地で80%配合。カレンズの強い酸味とくるみのコクがベストマッチした商品。クラムには独特の香りがある。
 プチクロワッサンは、計り売りの人気商品。ハムを巻き込んだ「ジャンボン」とアンチョビを巻き込んだ「アンチョビ」の2品目で、大きな籠に入れてレジ前に陳列。ジャンボンは1グラム2・6円、アンチョビは1グラム3円。生地重量は12グラムぐらいだが、すべて同じにしてしまうと量り売りの意味がなくなるので、あえてばらつきを持たせている。
 このほか、クロワッサン生地を棒状にカットし、ツイストして結び、ホイロとって焼成する「パイドーナツ」(120円、商品のページ参照)や、半年ほど前に商品化し、販売に力を入れている「パン・リュスティック」(240円)なども人気だ。



客の顔を思い浮かべて仕事をする

 仁札社長は「パンは、顧客が食べる時の顔を思い浮かべて、作らなくてはならない」と考えている。同社長以外に5人いる製造スタッフにもそのことを徹底させている。
 そのためには顧客に接することが不可欠との考えから、すべてのスタッフに、販売も担当させている。また、販売スタッフは、顧客から聞いた同店の商品やサービスについての意見を、製造スタッフに伝えることを怠らない。
 「パンを作って、店の棚に並べ、お客様が手にとってトレーにのせ、レジで清算して家に帰って食べるまでのすべての段階に、注意を払わなくてはなりません」と仁札社長はいう。
 そうした意識をスタッフ全員が持って、初めて地域の住人に愛されるベーカリーになれるのだという。

原価計算女王
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