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| 基本を極める。地道にライ麦パンを提案する。 - マインベッカー |
 シンプルで重厚な感じがするマインベッカーの店構え。 ここ3年ぐらいで、ようやくドイツパンが売れるようになってきた。 住所 千葉県市川市新井1‐6‐7 電話 047-358-3700 営業時間 午前9時30分〜午後7時 定休日 日曜日、第1第3月曜日
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| 「夕食にパンを食べてもらいたい」 |
 小豆(甘納豆)を包んンで焼き上げたユニークなライ麦パン「ボーネンブロート」  くるみとレーズンを生地に練り込み、表面にごまをたっぷりとまぶした「フロッケンセサム」。  ライ麦パンにサワー種は欠かせない。 ドイツパンで有名な店が千葉県市川市にある。その名を「マインベッカー」。東京メトロ東西線・南行徳駅から歩いて約20分の場所。様々なデニッシュ類などが並ぶショーケースの後ろの陳列棚に、「フォルコンブロート」(535円、ハーフカット273円)、「ベルリーナラントブロート」(336円、ハーフカット178円)、「ボーネンブロート」(577円、ハーフカット274円)、「フロッケンセサム」(630円、ハーフカット273円)などのライ麦パンが並んでいる。「ボーネンブロート」は小豆が入ったライ麦パン。「フロッケンセサム」は、クルミとレーズンが入っていて、表面にはごまがびっしりとまぶしてある。 「ここ3年ぐらいで、ようやくライ麦パンが売れるようになってきました」。 オーナーの宮崎章さんはこう話した。 取材日は土曜日で、記者の目の前で、棚にたくさん並んでいたライ麦パンが次々と売れていった。 「週末は特にライ麦パンを買いに来られるお客様が多いんですよ」(宮崎さん)。かなり遠くから、決まって週末にライ麦パンを買いに来る客も多いのだという。 「ウチは対面販売なのですが、お客様にライ麦パンについて地道に説明してきたことが少しずつ実ってきたのだと思っています。『6枚切りの厚さにスライスしてください』と頼まれることもあるのですが、そんなときは、『厚くスライスするとぼそぼそしておいしくないので、7ミリぐらいに薄くスライスして、クリームチーズを塗り、さらにルバーブのジャムをのせて食べるとおいしいですよ』なんていう風にご提案させていただくんです」(宮崎さん) 顧客を集めてパン教室を2カ月に1回程度の頻度で開いているが、その際の昼食には、ライ麦パンと簡単な料理を出して、食べ方の提案を行っている。 「夕食にパンを食べてもらいたい」と宮崎さんはいつも考えている。
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| 旬の果物や野菜を使ったデニッシュも充実 |
 馴染み客を笑顔で迎える容子夫人。  デニッシュの品揃えも充実。左から、「オランジュプルンダー」(178円)、「カスタードプルンダー」(168円)、「洋なしのプルンダー」(189円)、イタリアントマトをトッピングした「A・Cミラン」(168円)  自家製のけしの実ペーストを巻き込んで焼いた「モーンプルンダー」(198円)  「フランスアンパン」(左、136円)と「ビーフカレー」(右、157円)  パンの窯出しをする宮崎章さんの目は鋭かった。 マインベッカーは9年前の1996年5月14日、オープンした。宮崎さんは、あるベーカリーで15年間、パン作りの修業を重ねた。そのベーカリーは、菓子パンが主体だったため、「本格的な食事パンもマスターしたい」と考え、ハード系のパンで有名なあるベーカリーでさらに一年、修業を積んだ。そして独立。 千葉県市川市の実家が明治時代から続く酒屋で、酒屋からベーカリーへの商売変えという形でスタートした。「近くに、酒のディスカウントショップが次々とできて、酒屋でやっていくのは難しくなっていたので、特に反対はありませんでした」と宮崎さんは振り返る。 オープン当初から3年ぐらい前までは、ライ麦パンはあまり売れなかったという。売上の柱はデニッシュや菓子パン、食パンだった。 マインベッカーでは、デニッシュをおよそ10品目作っている。自家製のけしの実ペーストを巻き込んで焼き上げる「モーンプルンダー」(198円)以外は、すべて、旬のフルーツや野菜などを使った季節限定商品。取材時は、オレンジスライスをトッピングした「オランジュプルンダー」(178円)や、シュークリームのような「カスタードプルンダー」(168円)、洋梨をトッピングした「洋なしのプルンダー」(189円)、イタリアントマトをトッピングした「A・Cミラン」(168円)などが、ショーケースに色鮮やかに並んでいた。 菓子パンは、クリームパン(126円)やチョココロネ(136円)、あんぱん(126円)など約5品目。「私はなぜかクリームパンが大好きなんです。菓子パンは自分が好きな商品だけを作っています」(宮崎さん)
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| 厨房は、きれいなのが当たり前。 |
 ショーケースにはたくさんのパンが並んでいた。  顧客と話す宮崎さんと容子夫人。宮崎さんも、店頭に出て、接客することが多いそうだ。  貝殻の形をしたクリームパン「シェルクリーム」。アーモンドクリームとカスタードクリームが入っている。バターを折り込んだフランスパン生地を使用。  たっぷり入ったクルミと、モチモチした食感が特徴の「ヌス・ブロート」(大399円、小210円)。生地はラード入りフランスパン生地を使用。  チーズを包んで焼いた「ケーゼブロート」(右、283円)」と「あらびきポークソーセージ」(左、1本262円、ハーフカット136円)。  レジ台の下に、宮崎さんがドイツで買ってきたイースターのうさぎのミニチュアが飾られている。子供へのアピール度抜群。  売り場は、床、天井、陳列棚、ショーケースなどがすべて木製で、重厚な感じを受ける。 「基本的なことを手を抜かずにしっかりと行い、それを毎日欠かさず続けていくことに尽きると思っています」 宮崎さんは、自分のパン作りについてこう話した。そして「まず第一に掃除です」。 同ベーカリーでは、祭日になると「厨房見学会」と称して、顧客に厨房を見学してもらう。1週間ほど前から店頭に貼り紙を出して告知し、希望者先着10人に午前9時ごろの窯入れから、10時半ごろの仕込みまでの間、厨房に入ってもらって、見学してもらうのだ(同業者は対象外)。「業界の人には、『厨房がきれいですね』とよく言われますが、厨房見学会では『きれいですね』と言われたことはありません。一般のお客様にとっては、食べ物を作るところはきれいなのが当たり前なんですよ」 宮崎さんは掃除が好きなわけでは決してないという。 「1日でもサボると、そこからすべてが崩れてきてしまいます。欠かさず続けることが最も大事なことです。それは掃除だけではなく、すべてのことにいえることだと思います」 宮崎さんは、駆け出しの頃、朝、職場に行くのが嫌でしかたがなかったことがあるという。 「ある日、1本電車を見送ったことがあったんです。すると次の日から1本目ではなく2本目の電車に乗るようになってしまいました。絶対に崩してはいけない一線というものがあることを、この時に体感しました」
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| 製パン各工程を数字で完全に管理する。 |
 厨房は20坪と広い。整理整頓が徹底されていて、隅々までぴかぴかに磨かれていた。  素早い手つきで卵を割り入れる宮崎さん。  カンパーニュのラスクの「ロトスツヴィーバック」(126円)などのラスクなどが並ぶ棚。  取材日はちょうどオープン9周年の日で、鉢植えの花を来店客にプレゼントしていた。  手前のショーケースのところで注文を聞き、販売スタッフがパンをトレーにとり、奥のレジで清算する。 「パンの製造で気をつけていることはありますか」との質問に宮崎さんは「ミキシングや一次発酵、ホイロなどの各工程での温度などをすべて表に書き込みながら仕事をしています」。 例えばミキシング時の水温や粉の温度、捏ね上げの温度などを、すべての生地について表に書き込みながら仕事をしているというのだ。「タイマーもたくさん用意しています。ホイロや焼成の時など、少し早めにセットしておいて、タイマーがなったら生地の状態やパンの焼け具合を確認しながら作業を進めていくんです」 材料の計量は、前日にすべて行い、小麦粉や塩などの材料ごとに別々にタッパーに入れて、生地ごとにタッパーをまとめておく。ひとつの生地について、使用する材料の数だけタッパーを用意することになる。そして次の日に実際に仕込む前に、もう一度すべての材料を計量する。 「一度計量してあるのですが、確認の意味でもう一度量ります。疲れていると計量が正確でないときもありますしね」(宮崎さん) こうしたことは、宮崎さんにとって自分を律する手段でもあるのだという。「自分を怒ってくれる人は誰もいません。ともすると『これぐらい大丈夫だろう』という油断が生まれてしまいます。それが積もり積もってある日気づいたら大きな違いになってしまった、ということがないように、いつも気を引き締めています」(宮崎さん)
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