やっぱり、ベーカリーカフェ - ブランスリー電子版

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特集/2005年3月号

2023年11月18日から、発行から1年を経過した記事は、会員の方以外にも全文が公開される仕様になりました。


やっぱり、ベーカリーカフェ

「パンを温かい状態で食べてもらえる」「お客様の滞留時間が長くなる」
ベーカリーがカフェを併設する利点について、こんな声が聞かれた。
ベーカリーがカフェを導入するにあたって、カフェのオペレーションはベーカリーのそれとは違うことを認識し、ベーカリーとカフェのそれぞれが単独でも機能するような仕組みを作った時、初めて両者の相乗効果が期待できることが、今回の取材を通して浮かび上がってきた。



トゥルナージュ笹塚店


デザイン性に富んだ小さなビルの1階と2階がトゥルナージュ笹塚店。

入店して右手の2階まで続く大きな壁面に、マス目模様のように見える木製の大きな棚がいくつも埋め込まれている。

入り口の看板もしゃれた感じだ。

入り口には、ドリンク類とフードメニューが写真とイラストで紹介されている。

パンを購入してドリンクとともに店内で飲食したり、パンを買って帰ったり、料理とパンのセットを注文したりと、顧客はそれぞれの方法でトゥルナージュ笹塚店を利用している。(レジ前のスペース)

2階のカフェスペースからレジを臨む。

取材した日の「スープ de パン」のスープは、「ロールキャベツと野菜のスープ」だった。

カフェの厨房とレジ、そしてカフェスペースを行き来して大忙しの小山千利さん。

2階のカフェスペースは約10席。広さは約8坪。

階段をのぼると約10席ほどのカフェスペースがある。

デニッシュ類も豊富だ。�萓犬離僖ぅ鵑肇�リームチーズを混ぜ合わせてトッピングし、焼き上げた「パインデニッシュ」(220円)�薀薀坤戰蝓爾鬟肇奪團鵐阿靴拭屮薀坤戰蝓璽妊縫奪轡紂廖複横横葦漾�

「シリアル食パン」「角型食パン」「レーズン食パン」「山型食パン」など食パンの種類も多い。

クロワッサンも、プレーン、ごま、きんぴら入りなど種類が多い。

フランスパン生地にコンビーフやポテトなどをのせて焼き上げた「コンビーフポテト」(180円)

手作り感覚にあふれたシナモン味の「フレンチトースト」(180円)。「母親が子供のために用意して、いつでも食べられるように置いてある」という感じがした。

メロンパンは、プレーン、抹茶、ココア、ゴマ(いずれも180円)、ラズベリー(200円)など種類が多い。
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トゥルナージュ笹塚店は、東京・渋谷区にあるベーカリーカフェ。京王線・笹塚駅前の10号通商店街を抜けてすぐの場所だ。小さなビルの1階と2階の部分がそう。ワンフロアの面積は約18坪で縦に長いスペース。

トゥルナージュ笹塚店は、東京・渋谷区にあるベーカリーカフェ。京王線・笹塚駅前の10号通商店街を抜けてすぐの場所だ。小さなビルの1階と2階の部分がそう。ワンフロアの面積は約18坪で縦に長いスペース。

 スタッフは、製パン担当が3人、カフェの厨房とレジ担当が2人の常時5人の体制。日商平均は約15万円。パンは地下の製パンの工房で作っている。
 「パン作りは長くやってきているので、勝手が分かりますが、カフェはこの店が初めてです。慣れるまで大変でした」と小山さん。
 レジ奥のカフェ用の厨房には、コーヒーマシーンやオーブントースター、電子レンジ、パニーニ焼成器などが備え付けられている。レジに並ぶ客は、パンをトレーにのせてテイクアウトする人、パンをトレーにのせてドリンク類をたのみ、店内で飲食する人など様々だ。テイクアウト用のパンと店内で食べるためのパンの両方をトレーにのせ、ドリンクを注文する人や、パンと料理のセットメニューだけを注文する人、ドリンクだけを注文する人などもいる。レジでの対応で「いらっしゃいませ」の次に客にかける言葉は「店内でお召し上がりですか?」だ。
 店内でパンを食べる客には必ず「パンは温めますか」と聞く。10人中8人は「温めてください」というそうだ。
 自家製のパスタはゆで時間が1分と短く、注文を受けてからゆで始める。パスタにからめるソースは、ほぼ自家製で毎日作って冷蔵庫で保存しておき、注文があるごとに必要量を鍋にとって火にかける。「スープ de パン」と「パスタ de パン」のパンは、パニーニ焼成器で温めて出す。パンとドリンク類だけの人には、レジでトレーに注文の品をのせて渡し、料理つきのセットメニューを注文した客については、先に席についてもらい、あとからスタッフが注文の品を席まで運ぶ。
 「パンのテイクアウトだけの千駄ヶ谷の店に比べると、利益は出ていると思います。パンのテイクアウトだけのお客様の場合、客単価は1000円以上になります。店内飲食だけのお客様の場合は、客単価は750円ぐらいでしょうか」(小山さん)

 スタッフは、製パン担当が3人、カフェの厨房とレジ担当が2人の常時5人の体制。日商平均は約15万円。パンは地下の製パンの工房で作っている。
 「パン作りは長くやってきているので、勝手が分かりますが、カフェはこの店が初めてです。慣れるまで大変でした」と小山さん。
 レジ奥のカフェ用の厨房には、コーヒーマシーンやオーブントースター、電子レンジ、パニーニ焼成器などが備え付けられている。レジに並ぶ客は、パンをトレーにのせてテイクアウトする人、パンをトレーにのせてドリンク類をたのみ、店内で飲食する人など様々だ。テイクアウト用のパンと店内で食べるためのパンの両方をトレーにのせ、ドリンクを注文する人や、パンと料理のセットメニューだけを注文する人、ドリンクだけを注文する人などもいる。レジでの対応で「いらっしゃいませ」の次に客にかける言葉は「店内でお召し上がりですか?」だ。
 店内でパンを食べる客には必ず「パンは温めますか」と聞く。10人中8人は「温めてください」というそうだ。
 自家製のパスタはゆで時間が1分と短く、注文を受けてからゆで始める。パスタにからめるソースは、ほぼ自家製で毎日作って冷蔵庫で保存しておき、注文があるごとに必要量を鍋にとって火にかける。「スープ de パン」と「パスタ de パン」のパンは、パニーニ焼成器で温めて出す。パンとドリンク類だけの人には、レジでトレーに注文の品をのせて渡し、料理つきのセットメニューを注文した客については、先に席についてもらい、あとからスタッフが注文の品を席まで運ぶ。
 「パンのテイクアウトだけの千駄ヶ谷の店に比べると、利益は出ていると思います。パンのテイクアウトだけのお客様の場合、客単価は1000円以上になります。店内飲食だけのお客様の場合は、客単価は750円ぐらいでしょうか」(小山さん)



PAULあざみ野店


PAULあざみ野店は、東急田園都市線あざみ野駅の改札を出てすぐの場所にある。

ショーケースの中には、パンがたくさん並んでいた。上の段の中央が、人気商品の「エスカルゴ・レザン」

パンは、対面で販売する。3人ほど注文を聞くスタッフがいて、ていねいに手際よく接客していた。

パンの売り場からカフェスペースの方向を臨む。通路を進んで、左側にカフェスペースがひろがる。

PAULの重厚で伝統的な感じは残しつつも、気軽に入れるカジュアルな雰囲気も演出している。

ポールの看板商品3つ。右から、「フルート・セザム」(294円)、「フルート・パヴォ」(294円)、「フルート・アンシェンヌ」(231円)。

日本のPAULで独自に開発されたフランスパンのバゲット(294円)。売れ行きは好調だそうだ。

焼き上がったばかりの、エスカルゴ・レザンは、とりあえず番重に納められた。

洋菓子も製造販売している。中央は、人気商品の「シュー・ア・ラ・クレーム」(367円)。

厨房には、大きな窯が設置されていた。

PAULあざみ野店の看板商品のひとつ「パン・オ・フロマージュ」。ボリュームがあって、食べ応えがある。写真の商品は、焼き上がったばかりで、もう少したつと店頭に並べられる。

忙しく動きまわるPAULあざみ野店店長の木代裕史さん。

記者がカフェで注文したメニュー。右上が、クロワッサン。ドリンクは、「カフェ・クリーム」。

カンパーニュ類で人気が高いのは、「カンパーニュ・オ・フィグ・ノア」(525円)だそう。

カフェデ飲食するドリンク類やフードメニューなどを注文するカウンター。テイクアウトのコーナーとは別にパンが陳列されている。

サンドイッチは、テイクアウトの他、カフェでも人気が高い。

カフェ側の入り口は、より開放的で、正面の入り口と少し雰囲気が違う。
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PAULあざみ野店は、ベーカリーとカフェが併設された典型的なベーカリーカフェ。お互いが単独でも機能していて、しかもお互いがうまく絡み合って、相乗効果を出している。

ポール(PAUL)は現在、日本に15店舗を展開。パンの物販のみの店舗からカフェとレストランが併設された店まで、営業形態は様々。あざみ野店は、およそ40坪の店舗のうち、約20坪がカフェのスペース
(40席)。パンの製造スペースが約15坪、販売スペースが約5坪の構成だ。
パンの販売は対面方式で、販売スタッフが注文を聞き、パンを取り、包装し、お金を受け取り、清算する。カフェは、セルフ方式で、客は、パンやサンドイッチを選んで、カフェ専用のレジでドリンクなどと共に清算して、トレーにパンやドリンクなどをのせてもらい、自分で席まで運ぶ。カフェのレジには、テイクアウトのコーナーとは別にパンがサンプルとして陳列されている。ドリンク類は、エスプレッソ(294円)、カフェ(294円)、アイスカフェ(294円)など約15アイテム。このほかクラムチャウダー(399円)などのスープもある。
 店長の木代裕史さんによると、パンで人気があるのは、「クロワッサン」(168円)、「パン・オ・ショコラ」(189円)、「エスカルゴ・レザン」(231円)、「パン・オ・フロマージュ」(315円)などだそう。パンの品揃えは約100品目。

 「カフェは、満席になれば、それ以上のお客様は、お待ちいただく以外に方法はありません」
 PAULの日本での運営会社、レアールパスコベーカリーズPAUL営業部の関喜彦マネージャーはこう話す。
 「物販の場合は、時間帯によっては、かなり多くのお客様がご利用されるので、いかにして並ばれているお客様にご迷惑をかけずに、正確でスピーディーな接客を行うかが重要になってきます。そこが決定的な違いですね」
 同ベーカリーカフェは、スタッフは常時約15人で、そのうちパンと菓子の製造スタッフが約7人。
 パンと菓子の製造スタッフも含めて全員が、パンの物販、カフェのホールの仕事の両方をこなす。
 カフェとパンの物販で忙しい時間のピークが違うので、その時々の状況に合わせて、スタッフの配置を変える。
 「パンの物販、カフェの両方のオペレーションをいかにして効率的に行うかが、ポイントだと思いますね」(関さん)
 小麦粉をはじめ主要な原料は本国フランスから輸入、その他の材料もフランス本国で使用しているものとほぼ同じものを使用。
 ハース系のパンは、厨房で、スクラッチ製法で作る。
 店長ら幹部は、フランスで2カ月間の研修を受け、PAUL流のパン作りを徹底的に叩き込まれるという。
 オープン時には、フランスから派遣された製造マネージャーが、パンの品質などについて厳しいチェックを行う。

 ただ、フランス本国とは売れ筋商品が違う場合も多い。
 日本独自で開発した商品も多いのだ。
 PAULは、1889年、フランス北部の町、リールで創業した老 舗だ。
 19世紀の原点に立ち返って、「カン・レミ種」と呼ばれるやわらかな冬小麦を契約栽培し、独自の小麦粉を開発、伝統的な製法で作るパンの独特のもちもち感などが人気を集め、急成長した。
 現在ではフランスのほか、日本、スペイン、オランダなどでも店舗展開している。



パールブーケ


パールブーケは、武蔵野障害者総合センターの1階にあり、カフェ専用のスペースと、同センターの多目的ホールでもある共有スペースをあわせると、かなりゆったりとしている。手前がカフェ専用スペースで、奥が同センターの多目的ホールとの兼用のスペース。

パールブーケの外観

人気商品のひとつの「くるみレーズン」。

パンはアクリル製のショーケースに納められている。扉の開閉はトングを持った手で簡単にできる。

カフェスペースの隣に、窓を隔ててパンの製造スペースがある。

カフェメニューのひとつ「パンセット」。パン、ドリンク、季節のサラダ、スープがつく。

カウンター席の向かいがカフェの厨房。右手前がレジ。

カフェメニュー用のパン。いろいろな種類があって、すべてプチサイズ。テイクアウトのパンとは別に焼き上げる。

 パールブーケは、天然酵母のパン、手作りカレーなどを出すベーカリーカフェ。武蔵野障害者総合センターの1階にあり、ワークセンター大地が運営する授産施設でもある。

 パールブーケのカフェのメニューには、「パンセット」(682円)、「トーストセット」(630円)、「チーズトーストセット」(662円)、「カレーセット」(735円)などがある。
 「パンセット」は季節のサラダとスープ、ドリンクがつき、さらにパンが食べ放題になっている。パンセットと共に出すパンは、テイクアウトのパンとは別に作っていて、すべてプチサイズで、種類も豊富だ。料理に使う材料は、ほとんどが有機栽培のものだという。
 テイクアウトのパンの品揃えは「くるみレーズン」(210円)や「ごまあんぱん」(126円)、「バターロール」(63円)、「チーズクッペ」(189円)、「全粒パン」(325円)など約30品目。小麦粉はすべて国産小麦を挽いたもの。酵母はすべて天然酵母。
 「競争力の点で大きな特徴を出さないといけないと思いました」と同センター主任の土橋誠人さんはいう。「近所の人が気軽に入って来られて、障害を持つ人たちと健常者とが触れ合える場になればいいと思いました」。
 入店すると正面がカウンターで、その奥が厨房。カウンター手前には、テーブル席がある。
 右手には、武蔵野障害者総合センターの多目的スペースと兼用のホールがあり、そこでも食事ができる。グランドピアノが置かれていて、週に一度演奏会も開かれる。
 左手がパンの製造スペースで、約20坪とかなり広い。土橋さんによると、パンのテイクアウトの客と「パンセット」などをカフェで飲食する人の割合は、およそ6対4だという。1日の来店客は平均すると100人前後。
 「もしパンのテイクアウトだけだったら、お客様の滞留時間は短いですが、カフェで飲食していただけば、長い時間店内にとどまっていただけます。その間にお客様とのいろいろな交流が生まれることが多いんですよ。カフェで食事をして帰りにパンを買っていかれる方もいらっしゃいます」(土橋さん)

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