種と穀物類 - アンソレイユ - ブランスリー電子版

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お店拝見/2005年2月号

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種と穀物類 - アンソレイユ

アンソレイユの店内
神奈川県横浜市港北区のアンソレイユは、フランスパンやライ麦パンなどのハースブレッドの提案に力を入れている。さらに様々な種類の穀物をたっぷりと練り込んだ
商品を豊富に取り揃え、売り込みに熱心だ。ハースブレッドの売上構成比は2割を超える。小麦粉やライ麦粉の種を巧みに使って、個性あふれる商品を作り出している。実は同ベーカリーは、パンの材料や機械などの輸入販売を手掛ける会社が経営し、同社のパイロットショップでもある。パイロットショップだからできる一味違った視点からの商品開発の中に多くのヒントが見て取れる。

住所 神奈川県横浜市港北区太尾町252-1グランドメゾン大倉山1階
電話 045-546-1884
営業時間 午前10時〜午後8時
定休日 水曜日



2つの乳酸菌種を使用。小麦粉なども巧みに使い分け

バゲット・ドゥティエリー・ムニエ(右側の商品)。


バゲット・ドゥティエリー・ムニエ。


天然酵母のフランスバゲット。
同ベーカリーは、様々な種を製品によって使い分けている。そのひとつが、乳酸菌活性のある「TKスターター」という種だ。
これをもとに、2つの種を起こしている。ひとつは同店で「黒種」と呼ぶ、ライ麦粉をベースにしたもの。もうひとつは、同店で「白種」と呼ぶ、小麦粉をベースにしたものだ。
店長の矢ヶ崎正愛さんは「乳酸菌を小麦粉で増やすか、ライ麦粉で増やすかの違いです」と説明する。
これらの種を食パン、フランスパン、全粒粉パン、バターロールなどの生地に約10%配合している。矢ヶ崎さんは「パン生地の発酵に乳酸菌が関わってくることで、イーストだけで発酵させるのとは違った香りと味がかもし出されるんです。それと、しっとり感と日持ちもかなり違ってきます」と話す。このほか、酵母活性、乳酸菌活性のいずれもないサワー種も使用。さらにイーストを使って作る水種なども使用している。
こうした種などの特性を勘案して、小麦粉や油脂などの材料を選定。
例えば「天然酵母のフランスバゲット」には小麦粉は日本の製粉会社のフランスパン用粉を使用。インスタントイーストのほか、「白種」を配合する。特殊な製法を使っていて、独特の歯切れのよさと軽い食感を実現しているという。
同じバゲットでも「バゲット・ドゥティエリー・ムニエ」と名づけた商品の方は、フランスの小麦粉を使用し、乳酸菌活性のある種は使用しない。これは、「発酵による味よりもむしろ、小麦粉自体が持っている自然の甘さなどをそのままいかしたかったから」(矢ヶ崎さん)だ。吸水がかなり多く、水と小麦粉が水和して熟成することによってこのおいしさが出るのだという。「天然酵母のフランスバゲット」に比べて、ずっしりとした感じと、独特のもちもち感が特徴。また、食べたときにクラストがくだけるような感じになるのも特徴だという。



多くの商品に種を配合し、パンに深い味わいを出す。

右から、バゲットマカデミア・ブラン、セーグル・オ・カレンズ、オーツ・セサミ、胡桃のフルート。


店長の矢ヶ崎さん。
種は、このほかにも、様々な商品の差別化に役立っている。
バターロールの生地には、「白種」を配合している。
「バターロール生地はともすると、一気に発酵して、副材料の付け味だけになってしまいますが、『白種』を入れることで、バターなどの味だけではなく、乳酸菌発酵による味の深みが加わってきます」と矢ヶ崎さんはいう。
食パン生地にも「白種」を配合。こちらの方は、バターロールより、バターなどの副材料の配合量が少ない分、「白種」の効果はより分かりやすいそうだ。
ライ麦パンの生地には、「黒種」を入れている。さらに、ペーハーを下げるためなどに、乳酸菌を死滅させたペーハーの低い素材を加え、ライサワー種を配合したのと同じ効果を得ると同時に、安定性と冷凍耐性を高めることに成功している。



様々な穀物などをたっぷりと練り込んだパンも人気。

オーブンから出たパンは、オーブンの前の台にいったん天板ごと置かれ、そのあとで、各陳列棚に並べられる。
同ベーカリーは、オーツ麦、ひまわりの種、大豆、亜麻仁、とうもろこしなど様々な穀物などをたっぷりと練り込んだパンが多いのも特徴だ。そんな中でも人気が高いのは、「シェフのお気に入り」(280円、配合と工程を14ページに掲載)という商品。
10種類の穀物などや、くるみ、レーズン、ダイスチーズを生地に練り込み、オーツフレークをトッピングして焼き上げる商品だ。
さっくりと軽い食感に仕上がっていて、とても食べやすいのがセールスポイントのひとつで、この手のパンの普及に一役買っている。
「マルチシリアルD25S」という10種類の穀物などが混ざった材料を使っていて、軽い食感はこの材料にその秘密が隠されているそうだ。また、成形前の発酵をわかめにすると、引きを弱くする効果があるという。



もちもち感とサクサク感が特徴。仏産の小麦粉を使用。
BMクロワッサン
クラムのもちもち感とクラストのサクサク感を同時に実現させたクロワッサン。フランスの小麦粉を30%配合している。ひとつ120円。
【配合%】
BM粉(フランス産小麦粉) 30
強力粉 70
改良剤 0・3
インスタントイースト(耐糖) 1・5
砂糖 6
食塩 1・8
脱脂粉乳 5
ラクトベース(コンパウンドバター) 3
水 55

【工程】
ミキシング(スパイラル使用) L5分、
捏ね上げ温度 22度C、
発酵 28度C70〜80%1時間10分〜1時間20分、
大分割 1700グラム、
折り込みバター 1700グラムの生地に対して500グラム、3つ折り3回、
成形 クロワッサン形、
ホイロ 27度C80%約2時間、
焼成 上火220度C下火210度C15分

※ホイロ後艶出しコートを塗る。

10種類の穀物などが入った軽い食感のパン


シェフのお気に入り
オーツ麦、ひまわりの種、大豆、亜麻仁、とうもろこしなど10種類の穀物などが入ったパン。軽い食感が特徴。280円。
【配合%】
強力粉 100
マルチシリアルD25S(10種類の穀物が入ったベースミックス) 25
ディレクト25(乳酸菌活性がないサワー種) 3
インスタントイースト 1
食塩 1・8
砂糖 5
ラクトベース(コンパウンドバター) 5
水 65
レーズン 対生地60
くるみ 対生地7
ダイスチーズ 対生地8

【工程】
ミキシング L5分M3分(レーズン、くるみ、ダイスチーズ投入)L3分、
捏ね上げ温度 28度C、
発酵 28度C70〜80%45分、
分割 170グラム、
ベンチタイム 40分、
成形 (1)レーズン、くるみ、ダイスチーズを練り込む前の生地を取り分けておき50グラムに分割して、菱形にのばし皮生地とする
(2)170グラムに分割した生地をナマコ型に成形し、綴じ目を上にして[1]の上にのせ、包み込む
(3)包み込んだ綴じ目を下にして置き、オーツフレークをトッピングしてホイロへ(布とり)、
ホイロ 28度C80%45分、
焼成 上火200度C下火200度C20分(スチーム注入)

※ホイロ後にクープを入れる。
※成形前の発酵をわかめにすると、ひきが弱くなる傾向がある。

原価計算女王
原価計算女王
ドライイチジクとライ麦パンの相性が抜群


いちじくのライ麦パン
ドライイチジクがまるごと3つ入ったライ麦パン。ひとつ280円。
【配合%】
フランスパン用粉 60
ライ麦粉 25
ディレクト25(乳酸菌活性のないライサワー種) 10
インスタントイースト 0・8
食塩 2
ボッカTK乳酸菌種(黒種) 30
ラード 1
水 50
(ボッカTK乳酸菌種にライ麦粉が15%入っている) -

【工程】
ミキシング(スパイラル使用) L4分(ラード投入)M1分、
捏ね上げ温度 28度C、
発酵 28度C70〜80%30分、
分割 150グラム、
ベンチタイム 30分、
成形 分割・丸めの際にナマコ型にしておいて、ベンチタイム後、面台にひっくり返して置き、軽くガスを抜くようにして楕円形に軽くのばし、ドライイチジクを3つ置いて、2つ折りにして軽く押える。
ホイロ 28度C80%45分、
焼成 上火220度C下火220度C25分(スチーム注入)

※ホイロ後、ライ麦粉をふり、格子状にクープを入れる。


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