手作りの店舗と商品 - メーアコルンのパン - ブランスリー電子版

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お店拝見/2005年1月号

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手作りの店舗と商品 - メーアコルンのパン

「メーアコルンのパン」の外観
2004年11月25日、東京・町田市に
「メーアコルンのパン」がオープンした。
倉庫を改装した手作りの店舗。菓子パン、デニッシュ、
食パン、フランスパンなど幅広い豊富な品揃えと
丁寧な接客が受けて、すでに多くのリピーターを獲得した。

住所 東京都町田市森野2−25−2
電話 042−725−1074
営業時間 午前9時〜午後7時30分



パン職人の絵が描かれた赤い看板が目に飛び込んでくる。

売り場は通りに沿って細長い形になっている。奥がレジ。


入り口とレジのちょうど中間あたりに、右につき出す一角があって、そこに大きなオーブンが置かれている。手前は平台。


平台には、主にフランスパンや天然酵母のパンなどが並んでいる。
小田急線・町田駅北口を出て、商店街をまっすぐに10分ほど歩き、商店数がまばらになってきたころに、パン職人の絵が描かれた赤い看板が目に飛び込んでくる。
入り口の上にも赤いバックに大きなパン職人の絵が描かれている。入り口のドアを開けると、すぐにパンが並ぶ棚。そのまま左に進むと、右手に彩り豊かな様々なパンがずっと並んでいて、突き当りがレジ。入り口とレジのちょうど中間あたりに、右につき出す一角があって、そこに大きなオーブンが置かれている。オーブンの前の窯出しのスペースを挟んで2段になった平台があって、主にフランスパンや天然酵母のパンなどが並んでいる。面した通りに沿って細長い売り場。平台のすぐ向こうはゆったりとした厨房で、オーナーの森下日出希さんを含めて3人のパン職人がパンを作っている。
パンの種類はおよそ100品目。菓子パン、デニッシュ、食パン、フランスパン、天然酵母パンなどオールラウンドな品揃えだ。取材時は、ガラス越しに太陽の光が差し込んで、「顧客が近所の家の縁側でのんびりと日向ぼっこをしながらパンを選んでいる」という感じがした。パンが焼き上がると、窯出しをしたパン職人が、焼き上がったばかりのパンを入れたかごを持って、「○○パン焼き上がりました」とやさしい声でいいながら、売り場に出てきて棚に並べる。
「宣伝をしていないのですが、いつの間にかお客様が来るようになりました」とオーナーの森下さんはいう。日商は平均して15万円。パンが荒れることなく無理なく製造できる量だそうだ。



幅広い品揃えで、子供から年配者まで幅広い客層

ハーブ入りのソーセージにパイ生地を巻いて焼き上げた「ハーブソーセージパン」


栗のイガをイメージした「クリワッサン」


「ピザ」はミックスとツナの2種類。


さっぱりと揚がった「サクサクカレーパン」


天然酵母パンは全部で約15品目。


色とりどりのデニッシュの数々が並ぶ。
売り場の棚に目をやると様々なパンが目に飛び込んできた。「ハーブソーセージパン」(180円)はハーブ入りのソーセージにパイ生地を巻いて焼き上げた商品。
「クリワッサン」(150円)は、栗のイガをイメージした商品で、コーヒーを練り込んだクロワッサン生地を使用。栗あんとクルミを包んで、上面に大きな切れ目を入れ、ココナッツをトッピングして焼き上げた商品だ。
「ピザ」はミックスとツナの2種類で、いずれも1カット200円。トッピングした状態で冷蔵保存しておいて、来店客の様子を見ながら焼き上げて出す。
「サクサクカレーパン」(150円)も人気だ。企業秘密のある液につけて揚げることで、油があまり染み込まずにさっぱりとしたカレーパンに仕上がるのだそうだ。
このほか、生チョコを使った「生チョココロネ」(150円)、プリンとカスタードを混ぜたクリームを使った「メイプルプリン」(150円)、フランスパンにホワイトソースベースのフィリングを流し込んで、チーズをかぶせて焼いた「シューポット」(150円)」などが人気だ。
天然酵母を使ったパンも豊富に揃っている。「天然酵母フランス」(150円)は、レーズン種を使用。じっくりと時間をかけて発酵させ、深い味わいを出している。このほか、天然酵母のパンには、様々なドライフルーツを練り込んだライ麦パンの「フルーツライプチ」(180円)、イチジクとくるみを練り込んだ「天然酵母イチジク」(150円)などがある。
基本的にあらゆる種類のパンを揃えて、幅広い客層から支持されることを目指している。



すぐに売れるパンだけではなく、作り手が提案したいパンも

右から後藤千洋さん、森下日出希さん、太田憲裕さん、伊藤育美さん。


パンをゆったりとした空間で思いっきり作りたくて厨房は広めに取った。


厨房の奥から売り場の方を臨む。


入り口には、パンの焼き上がり時間などを書いたボードが掲げられている。
新店舗は、森下さんが「自分の今後の活動の拠点」とすべく借りた2階建ての建物の1階を改装して作ったもの。
最初は、店を始める気はなかったという。
「製パン機械を一通り置いて、商品開発をしたり、人を育てたりする場所として考えていました。商店街といってもかなり外れの場所なので、昼間来たら誰も通っていませんでした。しかし夕方来たら、ポツリポツリと人が通るのを目にしました。人が通るのを見てしまうと、血が騒いできたんです」(森下さん)
マージャン店や倉庫などとして使っていた建物の一階部分が店舗と事務所。
「私の原点である『おいしいパンを作りたい』という気持ちに戻りたいと思ったんです」
売り場と厨房は、元々倉庫だった部屋を改装したもの。壁が動かせなかったので、売り場は細長い形になった。
パンをゆったりとした空間で思いっきり作りたくて厨房は広めに取った。
すぐに売れるパンだけではなく、「すぐには売れないかも知れないが、作り手がどうしても食べてほしいパン」も、気の済むまで作りたい、従業員に作らせてやりたい、という森下さんの思いがあった。
「お客様が求めるパンを提供すると同時に、パンのプロとして、お客様に食べてもらいたいパン、知ってもらいたいパンを根気よく提案していくことも大切なことです」(森下さん)
森下さんは、洋菓子と和菓子からインスピレーションを得て、パンを作ることが多いという。
和菓子職人と洋菓子職人との付き合いがあって、直接指導を受け、いろいろなアドバイスをもらっているそうだ。
メーアコルンのパンのデニッシュ類は、品揃えも豊富で、色とりどりのフルーツなどがトッピングされ、色彩豊かなものばかりだ。
和菓子の感性を取り入れたパンも多い。
同ベーカリーは、売り場が約4坪、厨房が約18坪。
スタッフは、製造が森下さんを含めて3人。このほかに販売の女性スタッフが1人で、合計4人の体勢。
「それぞれの特技を活かして、全員が自由にのびのびと働ければいいと思っています」(森下さん)



近所付き合いのような顧客とのコミュニケーション

子供を抱いた主婦が来店すれば、パン職人の1人がすぐに売り場に出てきて、トレーを持って注文を聞く。
現在、森下さんが主にデニッシュ類を担当するなど、3人のパン職人の担当が大枠で決まっている。
3人のうち1人は、天然酵母作りに夢中になっているそうだ。同パン職人が起こしたレーズン種やりんご種などで作ったパンは約15品目で、同ベーカリーの売りもののひとつになっている。
「彼は1日中種を見ていても飽きないほど好きなんですよ」と森下さんは笑った。
顧客とのコミュニケーションもうまくいっている。3人の職人全員が、来店客を見ると必ず「いらっしゃいませ」と声をかける。その声の調子に心がこもっている。声をかけるときの目がやさしい。「いらっしゃいませ」の次にさらに簡単なやり取りが続くことも多い。パン職人が外へ出たときは、通りを通っている人にもあいさつする。子供を抱いた主婦が来店すれば、パン職人の1人がすぐに売り場に出てきて、トレーを持って注文を聞き、パンをトレーにのせてレジへ持っていく。そうしたことを、気負わず自然体でさりげなく行っている。

原価計算女王
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