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| 雑感/2004年12月号 |
2023年11月18日から、発行から1年を経過した記事は、会員の方以外にも全文が公開される仕様になりました。
| 繁盛店の条件 - 月刊ブランスリーの記者が、日頃の取材で感じたこと 創業者と従業員が同時に自己実現できるか 人の問題は大きい。仕事が1人でこなせる量を超えたとき、人を雇うことになることが多い。
一つの理想は、従業員が、創業者の意志に共感し、同意し、手足となって、一つの目標に向かって、精一杯働くような状況になることだ。 こうした状況はいかにして生まれるのだろうか。人は自分のためには必死になるが、他人のためにはそう簡単に必死になるものではない。従業員が創業者のために、または創業者が作った店のために、どうしたら必死になるのだろうか。そこには必死になるだけの理由があるはずだ。 その一つの答えは、「いやなら辞めるべし」と創業者が有無を言わせず、働かせること。かなり荒っぽい手法。10人中8〜9人は辞めていっても残った1〜2人が何人も集まった集団は迫力がある。恐いものなしかも知れない。そして、この手法でうまくいっているケースも多いのではないかと思う(少なくても外からはそう見える)。創業者は生き生きとしているし、従業員にも修羅場を通り抜けてきたことからくる一種の迫力がある。多分一つの正解だろう。 しかし、人を動かす方法はもちろんこれだけではない。 逆に創業者がワンマンにならず、従業員の意見を尊重し、従業員と対等な立場で接し、話し合い、非常にうまくいっているケースもある。この場合も、創業者も従業員もみんな生き生きとしている。全員が一丸となって一つの目標に向かってまい進している。みんなとても楽しそうだ。これもまた正解。 やはり、創業者のキャラクターによって、はまり役というのがあるのだろうか。地でいけるはまり役というのが・・・。 一ついえるのは、ある一つの店なり会社なりの仕組みがあって、それに創業者は創業者として、従業員は従業員として、それぞれの立場からかかわったときに、それぞれが同時に自己実現を達成できるかどうかに、すべてはかかっているということだ。(小平) |

| 売り場の空間が別世界 になっている
繁盛店が繁盛たる理由は何かと考えることがある。理由は数多くあるのだろうし、それぞれの繁盛店で違ったりもするのだろう。
しかし、これまで、何軒ものベーカリーを取材してきて、売上規模からして明らかに繁盛店といえるベーカリーについて、ほとんどの場合に共通する事柄を発見した。 それは、売り場の空間が、外の空間と別世界になっているということだ。パターンはいくつかある。 そのひとつは、昼間、太陽が照っているときでも、外の光は、そのほとんどを遮断してしまうやり方。店内に設置された光源からの光だけで、空間を作り上げる方法だ。 もうひとつの方法は、外からの光を何らかの形で加工して利用するという方法。この場合、加工した光と、店内の光源の光を組み合わせて、空間を創造する。 いずれにしても、外界とは別世界となった空間でパンが効果的に演出されると、そこに迷い込んだ人たちは、それらのパンのとりこになる。それは多分間違いない。(小平) |

| 従業員たちの目が生き生きとしている
繁盛店の場合、たいていは従業員たちの目が生き生きとしている。張りつめた緊張感に満ちているが、どこかでそれを楽しんでいる。厳しさの中で、彼らの目はおおらかだ。オーナーがではない。従業員たちがである。
たまにあるケースだが、オーナーの目だけがギラギラしていて、従業員たちの目が死んでいたり、怯えていたりする。こういう場合はたいがいの場合、繁盛は長続きしない。(小平) |

| まるでパンの遊園地、パンのテーマパーク
繁盛店の場合、その多くは並んでいるパンが生き生きとしている。なぜか? 多分、並べているのではなくて、飾っているのだ。パンを置く場所ではなくて、パンが演じる場所になっているのだ。といっても抽象的?
すなわちパンを置く器の種類がいくつもある。揚げ物のカレーパンなどは、例えば油きり用の器だったり、時にはフライパンだったり。あんぱんは木の番重だったり、ラスクは木の樽だったり・・・。 パン自体も、紙にくるまれたり、半分にカットされたり、山盛りにされたり・・・。ばかでかいパンがあったり、一口で食べられそうな小さなパンがあったり。正統派の重厚なパンがあったり、色物系のパンがあったり。 それと、色彩。茶色だけではなくて、赤があったり、緑があったり、黄色があったり、オレンジがあったり・・・。まるでパンの遊園地。パンのテーマパーク。 そして、売り場は、変化に富んだ散歩コースだ。歩いていくと心の中に大きな波が発生する。ほっとしたり、「うぉー」と興奮したり、たまには苦笑したり・・・。 ひとつひとつ、小さなことの積み重ねが、ある到達点に来たとき、全体がダイナミックにうねり出すのだ。そうなれば、もう顧客は「買いたい、食べたい」という衝動を抑えきれない。(小平) |
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