夢だった自分の店 - ワイルド・ボー - ブランスリー電子版

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お店拝見/2004年8月号

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夢だった自分の店 - ワイルド・ボー

ワイルド・ボーの外観
今年2月、天然酵母と内麦のパンの店、ワイルド・ボーが東京・港区にオープンした。オーナーの緑川由香さんはパン職人になりたくて、27歳のとき、それまで勤めていた会社を辞めて、あるベーカリーにアルバイトとして入社した。それから4年、念願だった「自分の店」をオープンさせた緑川さんは「将来は、ベーカリーカフェも開きたい」と目を輝かせる。

住所 東京都港区芝浦3−18−18
電話 03-3453-3357
営業時間 午前8時〜午後7時
定休日 土日祭日



ややひきの強い食感と、独特のもっちり感が特徴

ワイルド・ボーは、JR山手線・田町駅から徒歩役4分のオフィス街にある15坪(厨房7・5坪、売り場7・5坪)ほどの店だ。パンはほとんどが国内産小麦の粉を使用し、ホシノ酵母で発酵させて作る。ややひきの強い食感と、独特のもっちり感がセールスポイントだ。
「練乳ミルク」(136円)は同ベーカリーおすすめ商品のひとつ。コッペパンに練乳クリームをサンドしただけのシンプルな商品だが、天然酵母パン独特のもちっとした食感とくせのない味に、あっさり感とこってり感のバランスが絶妙の練乳クリームがとてもよくマッチしている。緑川さんが以前働いていたベーカリーで教わったものに、アレンジを加えた。「練乳クリームは、かなりの苦心作です。作り方はトップシークレットです」。
「よもぎあんぱん」(136円)は、粉末よもぎを練り込んだ生地でつぶあんを包んで焼き上げた商品。よもぎの香りと低糖のあんのあっさり感がポイントだ。
「明太フランス」(105円)は、明太子のトッピングの仕方が、ワイルドで、印象的。
「田舎パン」(420円)は、「ほんのり甘く、噛めば噛むほど味わいが出る」と評判だ。
このほか、丸い形が印象的な「ロールパン」(42円)や、カレーを包んでチーズをトッピングして焼き上げた「フランスパン チーズカレー」(126円)などが、センスよく並んでいる。


おすすめの「練乳ミルク」

よもぎの香りがさわやかな「よもぎあんぱん」

大胆に明太子をトッピンした「明太フランス」

自然な甘さが好印象の「田舎パン」

まるい形が印象的な「ロールパン」

昼食用に人気が高い「フランスパン チーズカレー」

多くのパンが並ぶ店内。
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自己資金は200万円。最初から黒字だった。

緑川さんは中学を卒業後、製パン学校へ行きたかったが、親の反対で高校へ進学した。卒業後OLとして働いていたが、27歳のとき、どうしてもパン職人になる夢をあきらめきれずに、一大決心。OLを辞め、ある中堅のベーカリーチェーンにアルバイトとして入社した。成形から焼成までを一通り経験したが、そこは冷凍生地を使用していたため、ミキシングからパンを作り上げるスクラッチ製法をマスターすることができなかった。上司に相談したところ「セントラル工場は空きがない」と言われた。
緑川さんはスクラッチのベーカリーを立ち上げようとしていた別の会社を求人情報誌で見つけ、採用された。そこで、店舗の立ち上げからパン職人として参加した。
天然酵母パンの製法はそこで学んだ。上司だった製造責任者から、手取り足取り教わった。品揃えの選定、テストベーキングからかかわることができ、願ってもない機会だった。緑川さんはその店で、数多くの新商品を開発するまでになった。
今回オープンした店舗は実はそのベーカリーの2号店(売店)だった。
緑川さんは、そのベーカリーを退職し、独立に向けて準備を進めていた。自由が丘にいい空き物件を見つけたが「ベーカリーはだめだ」と言われて、がっかりしているとき、退職したベーカリーが店仕舞いすことになって、その2号店が居抜きで借りられることを知った。
自己資金は200万円。残りは、1年以内に黒字にするという条件で、父親から借りた。店舗の賃貸料は月25万円。製パン機械はほとんどがすでに備え付けられていた。シーターやオーブンなど新たに導入した機械のリース代が月4万5000円、人件費が自分の給料を除いて月25万円。
最初の月から黒字だった。多いときで10万円以上を売り上げているという。
「すでにあったベーカリーを私が引き継いだ形なので、お客様もそのまま残ってくれました」。
客単価は、1000円弱と高い。
オープン日前の数日間、友人数人が、チラシ300枚をポスティングしてくれた。また、オープン当日、田町駅で、チラシを600枚配ってくれた。
「私はパンを作るだけで精一杯でしたが、今から考えると効果があったのだと思います。本当に感謝しています」
「人を使うのは大変ですか」の質問に、緑川さんは「思ったよりスムーズにいっています。みんなとっても真面目で、よくやってくれるので、助かっています」。
結婚と出産が現在の課題だ。「ベーカリーの仕事は、朝が早くて、終わるのは早くありません。子供を生んで育てていくのはかなり大変だと思います。皆さんどうされているんでしょうか?」
夢は、ベーカリーカフェをオープンすること。
「頑張ってお金をためて、自由が丘なんかに開けたらいいなと思っています。今度は、現在の経験を生かして、店のコンセプト作りからしっかりと構想を練って、他のどこにもない店を作りたいと思っています」



小腹がすいたら、甘いベーグルがおすすめ
チョコベーグル
アーモンドスライスを配合することで、食感にアクセントをつけた。昼食用に買っていく人が多いそうだ。ひとつ168円。
【配合%】
内麦粉(ラ・パン)………………………100
千艘糖……………………………………8
塩………………………………………1・5
アーモンドスライス…………………………5
チョコチップ………………………………10
ココアパウダー……………………………5
水………………………………………57
ホシノ酵母生種……………………………8
【工程】ミキシングL1分ML5分、捏ね上げ温度25度C、フロアタイム25度C10時間、分割100グラム、ベンチタイム30分、成形→生地をのばして、リング状にする。ホイロ30度C80%30分(ホイロ後、砂糖を溶かし込んだ熱湯に通す)、焼成上火230度C12分
※下火は切って焼成。



もちもち感の強い生地に、いちごを練り込む
もちもちいちご
ホイロ時間を短くすることで、もちっとした食感をさらに出した商品。いちごジャムと冷凍いちごを配合する。126円。
【配合%】
強力粉………………………………100
いちごジャム……………………………10
冷凍いちご……………………………15
洗双糖…………………………………10
塩……………………………………1・5
ホシノ酵母生種…………………………8
【工程】ミキシングL1分ML5分、捏ね上げ温度25度C、フロアタイム25度C10時間、分割100グラム、成形→分割してかるく丸めたまま。ホイロ30度C80%30分、焼成上火230度C11分(スチーム注入)
※ベンチタイムはとらない。
※下火は切って焼成。

練乳を配合して「ミルク感」を出した食パン
食パン
練乳を配合してミルク感を出した食パン。
【配合%】
内麦粉(ラパン)………………………100
洗双糖……………………………………5
コンデンスミルク……………………………3
塩………………………………………1・5
マーガリン…………………………………5
ホシノ酵母生種……………………………8
【工程】ミキシングL1分ML1分(マーガリン投入)L1分ML5分、捏ね上げ温度25度C、フロアタイム25度C10時間、分割200グラム×6、ベンチタイム40分、成形→俵形にして、3斤棒型に6つ並べて入れる。ホイロ30度C80%1時間、焼成上火180度下火200度C45分

原価計算女王
原価計算女王

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