個人店のようなインストアベーカリー - パン・タパス - ブランスリー電子版

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お店拝見/2004年8月号

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個人店のようなインストアベーカリー - パン・タパス

パン・タパスの内観
濃い茶色の木材で作られた、屋根付きのパンの陳列棚。小さなキャンバスにプリントされたハード系のパンの絵・・・。イオン熱田ショッピングセンター2階のパン・タパスは、店内に楽しさを演出するための様々な工夫を凝らす。高い天井にヨーロッパの田舎風の内装が印象的。需要が多い、菓子パンやドーナツなどを充実させる一方で、ハード系のパンの提案にも大きな力を注いでいる。

住所 愛知県名古屋市熱田区六野1-2-11イオン熱田ショッピングセンター2F
電話 052-884-7930
営業時間 午前9時〜午後8時



需要直結のパンを充実させる。提案商品にも力を注ぐ

人気のカレーパン(一番手前)。カレーパンと共にドーナツのバラエティーが陳列されている。


レーズンをたっぷりと練り込んだ「カンパーニュレーズン」。


オレンジピール、レーズン、くるみをたっぷりと練り込んだ「フリュヒテ・ブロート」。


「フリュヒテ・ブロート」(左)と「カンパーニュレーズン」の断面。


メロンパンの人気もかなり高い。
同ベーカリーは、ハード系などをメインにしたいと考えているが、実際は菓子パン、ドーナツ、デニッシュなどに対する需要の方が多いという。売れ筋トップ3は、「カレーパン」(126円)、「メロンパン」(105円)、「クリームチーズ」(189円)。ドーナツ系は特に人気が高く、砕いたゆで卵をフィリングにした「クラッシュエッグ」(105円)、さつまいものダイスカットを包んだ「おさつドーナツ」(105円)などバラエティーが豊かだ。ドーナツの専用コーナーがあって、フライパンに入れて陳列するなど見せ方にも工夫を凝らしている。メロンパンも、棚2段にわたって陳列し、顧客へのアピール度を高めている。
「個人店のようなインストアベーカリーを目指しています」。
パン・タパス店長の尾碕明隆さんはこう話す。「最初に会社からパン・タパスの器とコンセプトを渡され、その後それをどう進化させていくかは、基本的に私たちに任されているんです」
顧客の需要に直ちに結びつくパンを積極的に品揃えする一方で、パン・タパスとして普及させたいパンにも大きな力を注いでいる。
ハード系のパンの需要を掘り起こす戦術の一つは、「カンパーニュレーズン」(210円)や「フリュヒデ・ブロート」(367円)など、さまざまなドライフルーツやナッツをたっぷりと練り込んだバラエティー品だ。
フランスパンの生地を使ったバラエティー品も数多い。じゃがいもとツナを入れた「ツナポテト」(157円)、3種類のハーブが入った「ハーブバゲット」(105円)、野沢菜フィリングを入れた「野沢菜」(157円)などだ。
「フランスパンの生地は、1日6回、全部で62キロ仕込んでいます」(チーフの中根正寛さん)。
1回目の仕込みは、前日の夕方。それをオーバーナイトで引っ張って次の日の9時に焼き上げ、店頭に出す。2回目からは当日順次仕込んでいく。
こうした努力が徐々に実って、ハード系の需要も増えてきた。「カンパーニュレーズン」や「フリュヒデ・ブロート」などは、固定客が増えていて、パン・タパスの看板商品になりつつある。
一方で、稼ぎ頭であるドーナツや菓子パン類については、前日成形までしておいて、冷凍庫に保存し、当日こまめに焼き上げるという工程を組んでいる。
製造のオペレーションにも店の主張がはっきりと表れているのだ。



季節感を積極的に演出する。毎日の製造作業の中で試作も

春向けの和菓子風の商品のコーナー。
季節感を演出することにも熱心だ。取材時はちょうど、春向けの和菓子風の商品の特集を行っていた。
商品は、くるみあんとかぼちゃあんを2層に固め、ようかん風に仕上げたパンの「抹茶ようかん」(126円)、あわ、きび、大豆など8種類の穀物が入ったつぶあんを、ほうじ茶入りの生地で包んで焼き上げた「お茶あんぱん」(94円)など7品目。専用のコーナーを設けて陳列。
竹やすのこなどを使って、春の和菓子らしい雰囲気を演出していた。
売り場中央にある2つの陳列棚も季節感を演出する重要な道具だ。尾碕さんは「いろいろな飾りができるように、金属の棒を通すなど、なるべくものを掛けられる場所を多くしてもらいました」と説明する。
昨年のクリスマスには、一つの陳列棚をクリスマスツリーのようにして、さまざまな飾りを施し、シュトーレンなどクリスマス用のパンを販売したそうだ。
新商品開発にも積極的だ。チーフの中根さんは、普段のパン製造と平行して、新商品の試作を熱心に行う。
「いつも頭の中に、作ってみたい商品がいくつかあるんですよ。その日の製造の具合を見ながら、『今日はこれを試作してみよう』と決めます」
基本的に季節ごとに年4回、10品目程度の新商品を出すそうだ。季節ごとのフェアに出すものもあれば、フェアとは関係なく、店頭に並べる新商品もある。



天井が高く開放的な空間。ヨーロッパの田舎風の内装

パン・タパスは、店造りにあたって「ヨーロッパの田舎」のイメージをとり入れた。天井までは通常の建物の2倍の高さがあり、開放的な空間になっている。陳列棚は基本的に2段で、最下段の棚は、子供が最も見やすい位置に低く設けられている。上の棚は通常の棚の3段目の位置程度に高く、棚板どうしの間隔が大きい。
サンドイッチなどを入れる冷蔵庫は、深さがほとんどなく、通常の陳列台のような感じだ。
パン・タパスが提案しているハード系のパンの絵がプリントされた小さなキャンバスが、小さなイーゼルに置かれている。
トングとトレーは、それぞれ大小の2つのサイズがある。また、トレーの他に金属製のかごもあって、顧客は使いやすい方を選ぶ。金属製のかごにも大小2つのサイズがある。「子供連れのお客様が多いので、小さいトングなどは、お子様用にと思ったのですが、予想に反して、女性のお客様がよく使われているようです」(尾碕さん)。
パン・タパスは、イオン熱田ショッピングセンター2階の、スーパー、イオンと専門店街の中間地点にある。
店舗面積は約74坪、厨房約29坪、カフェが約19坪、売り場が約26坪の内訳。製造スタッフは、中根さんを含めて社員が6人。販売は、店長の尾碕さんを含めて社員2人。このほかアルバイトが18人(製造8人、販売10人)いる。
日商は土日で約80万円、平日は約30万円だ。


サンドイッチやドリンクなどを陳列する冷蔵庫は、深さがほとんどない。

ハード系のパンの絵がプリントされた小さなキャンバスが、小さなイーゼルに置かれていた。

通路側の面には、主にフランスパンのバラエティー。小さなイーゼルにフランスパンの絵をプリントしたキャンバスが立てられている。

入り口から奥のカフェを臨む。右側は、屋根の骨組みが付いた2つの陳列棚。左側がレジ。

パン・タパスの内観。レジもゆったりしている。

売り場の中央に一風変わった陳列棚が2つある。

トングは大小2つのサイズがある。
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さつまいも生地をごま生地で包むユニークな商品
カンパーニュおさつ
【配合%】
フランスパン用粉(フランス印)……………70
ライ麦粉(ファイン)………………………30
粗塩………………………………………2
ユーロモルト……………………………0・3
ドライイースト赤…………………………0・8
改良剤(イビスグリーン)…………………0・2
発酵種…………………………………170
水…………………………………67〜68
【工程】ミキシングL5分ML1分(生地ができたら、▼ごま生地(重量比で生地8に対して白ごま1、黒ごま1を投入し、さらにLで4〜5分ミキサーをまわす)と▼さつまいも生地(重量比で生地3に対してさつまいもダイス=ゆでて甘く味付けしたもの=10を投入し、さらにLで4〜5分ミキサーをまわす)、捏ね上げ温度25度C、一次発酵40分(パンチ)40分、分割100グラム(ごま生地)、130グラム(さつまいも生地)、ベンチタイム25分、成形→(1)ごま生地を麺棒で長方形に薄くのばす(2)▼さつまいも生地130グラムを棒状にのばして、のばしたごま生地の中央にのせ、長い辺に沿って両側から折り返し、さつまいも生地を包み、合わせ目を閉じる。ホイロ28度C85%1時間、焼成上火220度C下火220度C25分(スチーム注入)
※焼成前にクープを入れる。

紅茶葉を生地に練り込み、焼成後たっぷりと蜂蜜をたらす
はちみつりんご
【配合%】
強力粉…………………………………80
薄力粉…………………………………20
生イースト………………………………5
食塩…………………………………1・5
砂糖……………………………………18
全卵……………………………………20
イーストフード…0・1
マーガリン………20
水………………41
紅茶葉…………生地1キロに対して10グラム
【工程】ミキシングL2分ML5分(マーガリン投入)L1分ML6分(紅茶葉投入)L3〜4分、捏ね上げ温度24度C、フロアタイム1時間(フロアタイム後、生地がのばしやすい硬さになるまで冷凍庫に入れておく)、大分割1キロ、成形→(1)シーターで3ミリ厚にのばす(2)[1]の上にカスタード230グラムを塗り広げ、アップルプレザーブ360グラムを散らす(3)[2]をロールする(4)[3]を2等分になるように輪切りにする(5)輪切りにした一つ一つをベーキングカップに入れる。ホイロ36度C85%1時間、焼成上火180度C下火190度C15分(焼き上がったら、上からはちみつをたらして、しみこませる)
※ホイロ後、卵を塗る。

原価計算女王
原価計算女王
ブリオッシュ生地を使用した洋ナシのタルト
洋ナシのタルト
ブリオッシュ生地を使ったタルト。パン屋さんならでは、という感じがして好印象。
【配合%】
強力粉(ベルムーラン)…………………80
薄力粉(ニュービオラ)…………………20
生イースト…………………………………6
食塩……………………………………1・5
砂糖……………………………………15
全卵……………………………………15
粉乳………………………………………3
無塩バター………………………………25
水………………………………………28
【工程】ミキシングL4分ML6分(無塩バター3分の1量投入)L3分(無塩バター3分の1量投入)L3分(無塩バター3分の1量投入)ML6分、捏ね上げ温度22〜24度C、分割100グラム、成形→(1)分割した生地を冷やしてから、麺棒で円形にのばす(2)[1]の生地を直径18センチの型に敷き詰め、クリーム(アーモンドクリームとカスタードクリームを1対2の割合で混ぜ合わせたもの)100グラムをのせて、ひろげる(3)(2)の上に洋ナシのシロップ煮(ハーフカット)を5つ並べてのせ、さらに上白糖5グラムをかける。焼成200度C14分(コンベクションオーブン使用)
※焼成後、ナパージュをかけて仕上げる。冬はナパージュをかけて、さらに粉糖を振って仕上げる。


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