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| 特集/2022年7月号 |
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| 専門店特集
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同店で作るデニッシュは北海道産小麦の「ゆめちから」を用い、バターも北海道産のものを使用。「ゆめちから」は小出さんが「セントルザ・ベーカリー」で出合って以来その風味の虜になった小麦粉。 さらに同店のデニッシュは、砂糖は全般的に控えめにしてあり、果物などの素材が持つ天然の甘さをしっかり味わえるようにしている。そのためフルーツは、いつも皮まで余す事なく使っているという。 「フードロスの観点もありますが、果物を全て使い切る事でその果物の風味や香りを最大限に楽しむ事ができると思っています」(小出さん) 惣菜系のデニッシュでも素材に着目した商品開発に力を入れている。しっかり焼き込んだ硬めでザクザクとした食感のデニッシュと、大きめでピリ辛のソーセージとの相性がいい「チョリソー」(税込490円)や「クロックムッシュ」(税込440円)、オリーブの素材を生かした「グリーンオリーブと黒胡椒」(税込420円)などが惣菜系の定番商品だが、小出さんのイタリアンでの経験も生かし、季節の産直野菜を積極的に取り入れて調理した具材で日替わり商品や季節商品などの開発も行っている。具材で使う野菜や果物はなるべく国産のものを揃えているという。今は新商品開発に力を入れるために、定休日を3日設けている。 専門店としての価値 「今はもっと生産量を増やすことが目標ですね。一人で製造しているので、たくさん注文を頂いても全てのお客様の要望に応えられない事もありますが、専門店なので製造は一極集中しやすく、効率が良い面もあります」(小出さん) 実はオープン当初はいかにデニッシュに特化した専門店という店の価値を伝えていくべきかわからず、苦労したという。 「普通のベーカリーだったら、あそこにパン屋さんがオープンしたという事で最初は多くの人が詰め掛けますが、『デニッシュ専門店』という新しいジャンルの括りですと、お客さんもイメージしにくいのかも知れません。インスタで情報発信はしていましたが、それだけでは不充分で、結局来てくれた人の口コミで広めて頂いた感じです」(小出さん) オープンからしばらく経った頃には小出さんの想定以上に客数が増え、2年半以上経った現在では「デニッシュ専門店」としての認知度もだいぶ高まってきた。 小出さんが、この道に入ったきっかけは、もともと実家が飲食店だったため自然と食品に興味を持つようになった事がある。 「小麦と卵、バターのみで様々なものが作り上げられる事が不思議で洋菓子やパンに興味を持つようになっていきました。ただ今は作るだけではなく、食べる側のことも考えた店作りを大切にしています」(小出さん) 今は接客も重視し、来店客の声をよく聞きながら新商品の開発を行っているという。 「一人で切り盛りしているので、どうしても特別な販促をすることはできませんが、求められているものを察知して商品の質を上げて需要に応えていくことで、『デニッシュ専門店』として支持し続けてもらえるようにしたいですね」(小出さん) レカー 住所:〒150−0034 東京都渋谷区代官山町9−7 サインビューハイツ代官山103号室 電話:非公開 営業時間:午前10時〜午後5時 定休日:月曜、火曜、水曜 品揃え:通年商品と季節商品が常時合計12〜13品目、日替わり商品など期間限定商品が常時3〜4品目 スタッフ:製造常時1人、販売常時1人 店舗面積:厨房5坪、売り場2坪 | ||||||||||||||||

| コロナ禍を乗り越え専門店としての真価を発揮(マドレーヌ編) - マドレーヌラパン | |||||||||||||||||||
「店の業態は大きく変化しましたが、スイーツの世界では脇役的な存在のマドレーヌのイメージを思い切って覆したいという思いだけは創業以来ずっと一貫して変わらないですね」 こう話すのは、東京・自由が丘に本店を構えるマドレーヌ専門店「マドレーヌラパン自由が丘本店」で店長を務める去川麻未さん。 同店は2015年のオープン以来、マドレーヌ専門店として注目され、カフェも併設し、女性向けの可愛らしい内外装もあって人気を集めたが、コロナ禍を機に売り上げが激減。昨年の6月に一旦閉店した後、10月に店舗業態を大きく変えて同じ自由が丘の別の場所に移転し、リニューアルオープンした。 「コロナ禍で厳しくなったので、思い切ってカフェをやめました。店の規模も縮小し、製造と販売に集中することで逆に可能性を広げていこうと思いました」(去川さん) リニューアルオープン後は、店を小さくしたことにより客との対話が増え、製造も季節替わりの商品を月替わりにするなどして、種類ごとの製造数を増やすことができるようになったという。 普遍のレシピを継承 レストランプロデューサーで実業家の村井瑞枝氏が創業した同店は7年前の2015年7月にオープン。 現在同店で製造するマドレーヌは、村井氏が当初1年がかりでフードコーディネーターやパティシエらと共に完成させたレシピをもとに作られている。 去川さんは今ではもう数少ない創業当初からのメンバーだが、当初はアルバイトスタッフとして入社。もともと他の店で主に焼き菓子の製造に携わってきたが、「マドレーヌラパン」への入社を機に販売を中心とした業務に転向。2019年の村井氏の退任後も様々な変遷を経ながら成長していく同店と苦楽を共にしてきた。 「当店で販売するマドレーヌは、創業当時、村井の子供がまだ小さくて、周囲にも子育てに励む友人が多かったことから、子供にも安心して渡せるお菓子として広めていきたいという思いで店を立ち上げたと聞いています」(去川さん) 村井氏のレシピは「体に優しくて安全なもの」を作るために徹底して原材料を厳選して作成されたもので、特にこだわりが強かった卵は、愛知、佐賀の両県で、平飼いで無農薬の餌で育てた鶏の卵を使用。しっとりとした食感を重視し、バターや卵などの配合や、入れる順番にもこだわった。生地を捏ね上げた後も4、5時間寝かせ、じっくり熱が伝わるフランス製石床オーブンで焼成して、こんがりというより、パサつきのないしっとりとした食感で「優しい卵色」に焼き上がるレシピになっているという。 現在のスタッフは、こうした創業時からの基本レシピは守りつつ、常に改良を加えている。さらに新しい素材との組み合わせにも挑戦し、新商品を生み出している。製造スタッフでオープン当初から残る者は既にいないが、普遍の基本レシピを継承したスタッフがそのレシピを守りながらも攻める姿勢を保ち続けているのだ。 | |||||||||||||||||||
マドレーヌラパン自由が丘本店では現在、個包装で常温で2週間ほど日持ちする「プレミアムバニラ」「抹茶」「ダブルチョコレート」「アーモンド」「ラズベリーローズ」の5アイテムを販売している。これらはギフトボックスに詰め合わせて購入することもできる。さらに、日持ちはしないが簡易包装で焼きたてを味わってもらう店頭販売限定の商品も対面で販売している。 「リニューアルを機にフレッシュ商品の販売にも力を入れるようになりました。ギフト需要の個包装商品はネット通販なども含めて広く販売しているのですが、店頭でしか買えないフレッシュな商品も展開することで、来店して購入して頂く楽しさも味わってもらいたいと考えました」(去川さん) 個包装の商品と簡易包装の商品は品揃えも異なり、それぞれの良さがある。 「コロナ禍で帰省やイベントが減ったので、ギフト需要は以前ほどはありませんが、代わりにテイクアウト販売や、ネット通販が増えています。自分や家族だけで楽しむ自家消費が増えてきたように思います」(去川さん) 5月末の取材時には、「プレミアムバニラ」(税込250円)、「しゃりしゃりレモン」(税込260円)、「抹茶黒みつしみしみ」(税込260円)、「アーモンド」(税込240円)、「マドレーヌブリュレ」(税込260円)などのほか、期間限定でフレーバーが変わる「アーモンドとシナモンのラムレーズンサンド」(税込330円)、「カフェショコラマドレーヌサンド」(税込330円)などが販売されていた。 中でも「マドレーヌブリュレ」は賞味期限が販売当日の商品のため、買う人は限られるのではないかと考えていたが、予想に反して新店舗の開店当初から1番の人気となっており、最近では購入する客層が広がってきた印象があるという。新しい動きだと去川さんは感じている。 「自分用や家族用に店舗販売限定の商品を購入するお客様の中に、新しい商品を試して冒険したいと感じる人が増えてきたのかも知れません。同じ店の中で新しい発見や出合いをしてもらえるような工夫が必要だと感じています」(去川さん) | |||||||||||||
創業者の村井氏はマドレーヌ発祥のとされるフランス・ロレーヌ地方のコメルシーを訪問した際、朝食に食べたり、ちょっとした軽食と合わせて食べたりと、かなり日常的にマドレーヌを食べる習慣がある事を知り驚いたという。 「マドレーヌはシンプルな素材で作られながら幅広い世代に愛されるお菓子ですが、日本のスイーツ店ではまだ脇役的な存在です。そこで専門店を立ち上げて、安心で安全であることを伝え、様々な味が選べる楽しさも提供する事で、マドレーヌを主役に近い存在にしたいと考えたそうです」(去川さん) 同店は、オープン当初はマドレーヌ販売のほかカフェも営業し、季節のデザートプレートやランチ、アフターヌーンティーの特別メニューなども展開していた。若者や女性のトレンドスポットである自由が丘で評判を集め、瞬く間に人気店になっていったという。 しかし2020年に始まったコロナ禍で、カフェも席を半分に減らさざるを得なくなり、手土産需要も減るなどして、思うように営業ができない日々が続いた。 「厳しい現実に直面し、今まで以上にマドレーヌについて考えるようになりました」(去川さん) 去川さんは、ギフト需要が中心だった今までの体制を転換し、家で楽しめる自家消費用のマドレーヌの開発に力を入れる事にした。 「見た目にも拘った可愛らしい手のこんだマドレーヌをネット通販限定で毎月展開しました。購入して頂いた方からは職場や学校で配って好評だったという声を頂くようになり、ちょっとずつ力を取り戻していきました」(去川さん) 自由が丘本店では現在、販売は常時1〜2人で対応、製造は常時3人体制。自由が丘本店で販売する商品のほか、支店の二子玉川店とネット通販で扱う商品もすべて製造している。 最近ではマドレーヌを半分にしてバタークリームやキャラメルなどをサンドしたマドレーヌサンド、マドレーヌ生地をラスクにしたマドレーヌラスクで作ったバターサンドなど、コロナ禍の中で生まれた商品も好評だ。二子玉川店ではクリームで飾り付けてケーキのようにした「マドレーヌとクリームのちいさなケーキ」なども反響を呼んだ。 またギフトボックスは、可愛らしくカジュアルなものからビジネスやフォーマルな場で使えるものまで揃え、幅広いギフト需要に対応している。 「色々ありましたが、今後はさらにマドレーヌが持つポテンシャルを様々な形で具現化して表現していくことで、より日常に溶け込んで食べてもらえるよう広めていきたいですね」(去川さん) マドレーヌラパン 住所:〒152‐0035 東京都目黒区自由が丘1丁目3−11 J I Y U G A O K A EY101 電話:03‐5726‐9795 営業時間:午前10時〜午後5時(途中午後1時〜2時は中休み) 定休日:火曜(当面の間) 品揃え:約28品目 スタッフ:製造常時2人、販売常時1〜2人 店舗面積:厨房7坪、売り場4坪 | |||||||||||||
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