水色のメニューは購読者(会員)限定(途中までは誰でも閲覧可)で、白文字のメニューは、すべての内容が誰でもご覧いただけます。
ブランスリー電子版は、見出しまでは誰でも見られますが、記事本文の閲覧は購読者(会員)限定のサービスとなります。
記事の閲覧
<<戻る
お店拝見/2016年5月号

ブランスリー電子版は、購読者の方々以外は、見出しと本文の一部しか見られませんが、この記事は特別に全文を一部の方に公開しています。


無理なく買える「日々のパン」 - アカリベーカリー
JR国立駅から徒歩4分ほどの場所にある「アカリベーカリー」。ガラス張りで外からも店内のパンが見える
左から順に、製造担当の森竹未紗希さん、店主の高山顕さん、販売担当の妻の真由美さん
「アカリブレッド」(税込み330円)や「カンパーニュ」(税込み600円)、など食パンやハード系のパンと、「クリームパン」(税込み160円)など菓子パンの定番アイテムが壁側の陳列台に並ぶ
店内に入ると陳列台に並ぶパンと厨房の中の様子が同時に目に入ってくる

人々が集まる温かさのあるベーカリーを目指す



 JR国立駅から徒歩4分、雑貨店や喫茶店などが点在する通りに昨年12月、「アカリベーカリー」がオープンした。
 「日々のパン」という文字が店名の上に添えられた黄色の看板は、30センチ四方の控えめな大きさ。そのため店の前まで来なければ、店名などは読むことができない。しかし、ガラス張りの店の中に並ぶ数々のパンが、通行人を店内に呼び寄せる。
 店主の高山顕さんは、「食パンやフランスパン、ロールパンなど、シンプルなものをメインに揃えています。当店の前の八百屋に来るついでに、寄ってくれるお客様も多いですね。特別な日だけではなく、毎日買いに来ていただける店にできたらと思っています」と話す。
 こうした高山さんの「毎日買いに来てもらいたい」という思いが、看板にある「日々のパン」という文字に込められている。
 同店は、二部屋分ある空き店舗を改装して、一部屋分ずつ、売り場と厨房を設けた。通りを背にして、左側の部屋が厨房、右側の部屋が売り場と横並びになっている。売り場と厨房を隔てる壁には、大きな窓ガラスが取り付けられている。そのため、双方見渡しが良く、厨房と売り場の一体感が感じられる。
 ガラスの引き戸を開けて店内に入ると、陳列台に並ぶパンと厨房の中の様子が同時に目に入ってくる。
 「厨房のパン作りは、お子様連れのお客様だけでなく、一人で来られた男性の方なども、足を止めて興味深そうに見ていかれますね」(販売担当の真由美夫人)
 厨房からは、客の出入りの度に、「いらしゃいませ」と「ありがとうございました」の声が聞こえる。厨房も、売り場の雰囲気作りを担っている。
 「子どもが喜びそうな、誰かの家に遊びに来たような、そういう雰囲気のある店にしたいと思っています。パン職人を志すきっかけとなったのが、子どもの頃に見た『魔女の宅急便』で、そこに出てくるパン屋の雰囲気がいいなと思ったんです。人が集まる、温かい感じがあって。店名の『アカリ』は、人々が集まる明かりをイメージしています」(高山さん)
 製造は高山さんと、社会人1年目となる森竹未紗希さんの2人で行う。
 「一人よりも、他の人と一緒に作る方が楽しいですね。でも、お互いに合わないとストレスになるだけなので、試用期間を設けて、当店の環境が合うかどうか判断してもらいました」(高山さん)


「ブリオッシュアプリコット」(税込230円、左)など
店名が商品名になった「アカリブレッド」(税込330円)
刻んだキャベツを練り込んだ生地にアンチョビバターを包んだ「アンチョビキャベツ」(左、税込み210円)
レジ横に2種類のバゲットが並ぶ。麺用粉を配合した生地を、冷蔵長時間発酵をとり、甘味ともっちり感を出した「トラディショナルバゲット」と、石臼粉を配合し、ポーリッシュ種で仕込んだ「レトロバゲット」で、価格はどちらも税込み270円
ホットケーキのようなふわふわの食感の「ブリオッシュ」(税込み230円)。有塩バターと砂糖、生クリームを塗って焼き上げているので、塩気とジューシーさがポイントになっている。乾燥を防ぐため紙に包んで陳列
「イングリッシュマフィン」(税込み180円)。チェダーチーズとクルミが入っている

売りたい価格をまず決める



 パンは、店内中央に設置された陳列台と、壁面の棚に並んでいる。
 壁面の棚には、「アカリブレッド」(税込330円)と「イギリスパン」(税込270円)の2種類の食パン、「カンパーニュ」(ハーフ税込300円)などのハード系、そして菓子パンの定番と言える「アンパン」(税込160円)、「クリームパン」(税込160円)、「メロンパン」(税込170円)が陳列されている。
 中央の台には、「ブリオッシュアプリコット」(税込230円)や「モーンクーヘン」(税込200円)などブリオッシュ生地を使った菓子パンや、「バジルソースフォカッチャ」(税込200円)や「トマトソースフォカッチャ」(税込200円)など惣菜パンが並ぶ。こうして見てみると、食パンや大型のハード系以外の価格はどれも、250円以下に抑えられている。
 「何よりもまず、日常買える値段でなければいけないと思っています。ですので最初に、いくらで売るかを決めます。それから原価、材料は何を使うかなどが決まります」(高山さん)
 高山さんは製菓学校を卒業後、ホテル、フレンチレストラン、個人のベーカリーと様々な業態の店で働いて17年間を過ごした後、同店を開業した。パンに使う材料も様々で、特に、菓子と同じ厨房環境だったというホテルでは、菓子にも使う材料など、高価なものも扱っていた。
 「最初に使う材料から決めてしまうと、売価が際限なくなってしまいます。修行時代にパンを買っていた頃は、勉強のためなので値段は関係なく買っていました。しかし、お客様にとってパンは、日常のお金で買うものですから、無理なく買える値段であることが前提でなければいけません。開業してからは、お客様の感覚を忘れないようにしなければということを、強く意識するようになりました」(高山さん)
 高山さんは、製菓学校卒業後に勤務した浅草ビューホテルで、当時シェフだった小倉孝樹氏(現ムッシュイワンシェフ)に従事した。それを機に、開業前は東京・立川市のベーカリームッシュイワンに6年間勤務し、店長を務めた。
 「特に売上げ管理をさせてもらえたことがとても勉強になりました。それまで、ホテルなどではできなかったことですから」(高山さん)



食パンだけは閉店するまで切らさない



 現在パンは約40種類ある。生地数は10種類ほど仕込む。食パンとバゲット以外の、冷蔵長時間発酵をとる生地は、高山さんが一人で、2〜3日分を一気に仕込むという。
 「種類は、食べやすいものを中心に徐々に増やしていきたいです。まずやりたいのは、焼き菓子とサンドイッチですね。デニッシュやドーナツはなくても言われないのですが、『サンドイッチが食べたい』という声はよく伺います」(高山さん)
 品揃えで注意していることは、「アカリブレッド」などの食パンを切らさないことだという。
 「ベーカリーとしては、焼きたてのパンがあることを重視すべきだと思っていました。ですが、実際開業して感じたことは、いつ来ても食パンのある店にしたいということです」(高山さん)
 同店は、午後2時から3時までの1時間一時閉店する。その間製造に徹するのだが、食パンを中心に製造する。
 「午後は、翌朝並べる分の食パンも合わせて焼いていきます。閉店まで食パンを切らさないためと、前日焼いたものであれば、スライスして朝から並べることができるからです。焼いた翌日もしっとりおいしく食べられるように、湯だね製法で仕込み、ガスオーブンで焼いています」(高山さん)
 いつ来ても、食パンだけは必ずあるという安心感を、常連客に与えている同店。常連客にとって同店は、日常生活のよりどころのような存在となっていきそうだ。



SHOP
店名:アカリベーカリー
住所:〒186‐0004 東京都国立市中1‐7‐64
電話:042‐505‐4263
営業時間:午前10時〜午後2時、午後3時〜午後7時
定休日:日曜、月曜
品揃え:40品目
スタッフ:製造常時2人、販売常時2人
店舗面積:売り場7坪、厨房10坪
日商:12万円

この記事の読みどころ

●毎日無理なく買える価格の「日々のパン」。
●商品を開発するときは、まず価格を決める。
●厨房からの「いらっしゃいませ」「ありがとうございました」の声が、売り場の雰囲気を盛り上げる。
●「焼きたて」より、「いつも食パンがある安心感」。

※あくまで編集部からの提案です。このほかにも様々な読みどころがあると思いますので、読者の皆様の視点で、エッセンスを抽出してください。


編集部からひとこと:
アカリベーカリーは、毎日無理なく買える価格の「日々のパン」を大事にしています。厨房から聞こえる「いらっしゃいませ」の声に、店の誠実さが感じられます。


ブランスリー電子版は、購読者の方々以外は、見出しと本文の一部しか見られませんが、この記事は特別に全文を一部の方に公開しています。


このページから月刊ブランスリーの年間購読を申し込むと、人気のパン専用の原価計算ソフト、商品管理女王をプレゼント!
キャンぺーの内容を見る 今すぐ申し込む