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| 特集/2025年1月号 |
2023年11月18日から、発行から1年を経過した記事は、会員の方以外にも全文が公開される仕様になりました。
| ベーカリーの事業承継
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現在小尾さんは経営者である一方、厨房でパン製造の仕事もフルで行っている。もともと経営以外はスタッフに任せる予定だったが、店の運営と合わせて商品の品質やスタッフの管理もしていく中で、自然と厨房に入るようになった。 事業承継するに当たっては、既存のスタッフのほぼ全員にそのまま継続して働いてもらい、レシピも前オーナーが契約していた開業支援会社と再契約する形で引き継いだ。そのため、地域の需要にかなう店の個性を引き継いだ事業承継をする事ができたと感じている。 「何でも好きなように決めて新しい事業を始めたいという人には、事業承継という形は適切ではないのかも知れません。店に魅力を感じて、従業員にも引き続き働いて欲しいと思えたから事業承継という形がとれたんだと思います。ただその一方で、現状維持をするだけでは、店を継続するのは難しいという現実もあると思います」(小尾さん) 小尾さんが今後店を続けるために必要だと考えているのは、一次商圏以外の人達も含めて店の事をなるべく色々な人に知ってもらう事だ。 「当店は、吉祥寺駅前のスーパーや近隣の大学の無人販売所にも卸すなど外販にも力を入れています。厨房がまだ狭く、設備は小型のデッキオーブン2台とコンベクションオーブン1台のみで稼働しているため、製造のキャパシティに限界があり、大量生産は難しい状況です。それでも、販路をある程度拡大することで、固定収入を確保してリスクを軽減し、販促活動を強化して、店舗の知名度向上につなげていければと思っています」(小尾さん) 過去には学校などの教育機関や施設、会社などの事業所へ車で訪問して販売したこともあった。今でも機会あれば定期的に色々なイベントに出店している。 「自分の行動範囲じゃないから普段は行かないけど、店の事は知っているという人も増やせば何かあった時に来てもらえるのではないかと思います」(小尾さん) 小尾さんはすぐに事業を拡大したり2号店を出したりすることはできなくても、常に情報のアンテナを貼ることでそのチャンスを掴む事ができるのではないかと考えている。 「店を継続していくためには、将来的に店舗を拡大するという選択肢も視野に入れておくべきだと考えています」(小尾さん) 経営者の生活は予想以上にハード 「事業承継のメリットとして、具体的な事業計画を説明しやすいので銀行などから融資を受けやすいことがあります。私の場合は、個人事業主ではなく自分が代表になる形の法人を設立した後だったこともあって、さらに融資を受けやすかったですね。また、前のオーナーと交渉し、開業支援会社と再契約する費用のことなども考慮して買収価格を引き下げてもらった事や、設備も比較的新しい状態で譲り受ける事ができたという点も幸運でした」(小尾さん) 事業承継後はコロナ禍など想定外の出来事もあったが、対面販売が功を奏し、衛生面でも大きな支障なく売り上げを伸ばす事ができた。在宅勤務が多くなったことから自宅の近所を散策する人が増えたため、店を見つけてもらいやすくなった点なども追い風だった。 しかし、経営者としての生活は予想以上にハードだった。休みも取りにくいため、今はもっと他の人に任せていくようにしたいとも考えている。 「スタッフの数をもっと増やしたいとも思いますが、この規模の店舗ですと製造と販売の両方ができる人材が必要で、そうした業務負担に見合った待遇を提供しなくてはならない難しさも感じます」(小尾さん) 事業を軌道にのせることはできたが、前のオーナーが店をオープンしてから6年半が経った今、今後の展望はまだわからないと感じている。 「引き継いだものを今後どう育てて、事業を継続していくのかを、じっくり考えていきたいですね」(小尾さん) SHOP DATA 店名:すずめベーカリー 住所:〒177‐0053 東京都 練馬区関町南2‐20‐4 電話:非公開 営業時間:午前11時〜午後6時 定休日:日曜 品揃え:約30品目 スタッフ:製造常時2人、販売常時1人 店舗面積:厨房6坪、売り場4坪 | ||||||||||||||||

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