繁盛店のオーナーが発する言葉の中に繁盛のヒントが詰まっている - 普通のパン屋さんが普通に頑張れば繁盛出来る話(38) - ブランスリー電子版


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連載/2020年8月号

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繁盛店のオーナーが発する言葉の中に繁盛のヒントが詰まっている - 普通のパン屋さんが普通に頑張れば繁盛出来る話(38)
 本誌はこれまで、多くのリテールベーカリーを取材してきました。その中で、オーナーシェフや従業員の方々から心に強く響く様々な言葉をお聞きしてきました。今回は、そんな中から、心に残った内容をいくつか紹介したいと思います。
 まず、最初は、東京・大田区のベーカリー「イトキト」です。
 売り場3坪の小さなベーカリーで、陳列棚の上に約20種類のパンがぎっしりと並んでいました。パンが一つなくなるごとに、販売スタッフが「パンの追加お願いします」と大きな声で厨房に呼びかけます。すると、厨房からそのパンが運ばれてきて、陳列棚のあいたスペースに補充されます。
 ここには、小規模ベーカリーに活気をもたらすためのヒントがあるように思えます。つまり、種類ごとのパンの陳列数を最小限にとどめて、1つ売れるごとに、販売スタッフが多きな声で、厨房に補充を呼び掛ける行為が、店のオペレーションに組み込まれているので、毎日店をまわすことが、店に活気を出すための仕掛けを実行することに直結しているということになります。
 この仕組みは、活気という歯車を最初に加速していくためのかなり有効な手段だと思います。店がまだ地域に広く認知されていなくて客が少ない状況においても、定期的に店内に大きな声が響くことになるし、それが呼び水となって、客のテンションが上がり、それがスタッフに伝わって、スタッフのテンションもさらに上がるという好循環が生まれます。店に来て楽しい雰囲気を味わった客は、また来店するでしょうし、客が味わった店の楽しい雰囲気は、口コミで、その客の友人知人にも広まっていくでしょう。それが、新たな客を呼び込むことにつながります。
 活気を出すエンジンの歯車が、一定の速度で回り出すまでの加速をどうするかという課題を見事に解決していることに感銘を受けました。
 「イトキト」のオーナーシェフは「お客様に、レジャーランドに行くときのような、わくわく感を持ってもらいたいんです。そのためには活気とライブ感が大事です。店内にいるときに『楽しい』と感じてもらえたら、来店するのが楽しみになると思うんです」と話してくれました。
 2年前に取材させて頂いた「石窯パン工房コムギノホシ」も、私の心に深く刻まれています。「ドアを開けて見える焼きたてのパンが並ぶ様子を、満天の星のようにしたい」というのが、売り場作りのコンセプトだったそうです。
 さらに記事を読み返してみると「店内は、白が基調で全体的に明るいが、約20個ものスポットライトによって、商品のパンは照らされ、浮かび上がるかのように目に入ってくる」とあります。同店のプロデューサーは「お客様が、わくわくしたり、非日常を感じられるような空間にしたいという思いがありました。そして、パンが主役として、店内にきらめくように並ぶようにしたくて、満天の星をイメージした店づくりを行いました。焼きたてのパンを続々と売り場に並べていきたいですね」と話していました。
 これだけクリアに店の魅力を言葉に落とし込めるのであれば、もう繁盛店になったも同然です。店を繁盛させるということは、潜在客に対して店の魅力を表現するということであり、まずは、人間固有のツールである言葉で、それを論理的且つ直感的にうまく表現することが大事で、それができるかどうかで、その後の結果が決まってくるように思います。(RO)







原価計算女王
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